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2017年9月

2017年9月30日 (土)

第七回古伝研究会を終えて

 9月の第二木曜日及び第四木曜日に第七回古伝研究会を実施しました。
毎月二回定期的に研究会を実施し、曽田虎彦先生の書写された江戸時代の古伝神傳流秘書を基に土佐の居合、大森流・英信流・坂橋流之棒・夏原流和を読み解いて動作を確認していきます。
 今回は、第六回に引き続き、11月に神戸で行われる違師伝交流稽古会に向け、土佐の居合にある古伝の仕組(組太刀)詰合を研究していきます。
 詰合は近年では「詰合之位」と呼称されていますが古伝は「詰合」です。
 詰合之位などと「位」の文字を付すのはどこぞの剣術流派の送り名を借りて来たものでしょう。恐らく昭和以降のものだと推測します。
 現在、処々で打たれている詰合之位は、曽田虎彦先生が残された業附口伝からの引用で古伝の詰合と、ほぼ業の順番や「かたち」は似ていると言えるでしょう。
 我々は古伝神傳流秘書の詰合を研究します。
 失伝した第九代林六大夫政誠の古伝神傳流秘書の「詰合」です。
 
 昭和の初めに曽田虎彦先生が第15代谷村亀之丞自雄及び第16代五藤正亮の口伝により実兄土井亀江から聞き及んで書き留めた業附口伝詰合之位。
 それを基に第19代福井春政先生が指導したと思われる嶋専吉氏の詰合之位。
 指導者は良くわかりませんが戦後第21代福井聖山先生による詰合之位。
 其の他業附口伝を参考にしたいくつもの「かたち」がyoutubeに公開され打たれている様です。
 参考に古伝の詰合・業附口伝の詰合之位・21代福井聖山先生の詰合之位の順で本数と業名を書いておきます。                                                      
一本目 発早   八相   八相
二本目 拳取   拳取   拳取
三本目 岩浪   岩波   岩浪
四本目 八重垣  八重垣  八重垣
五本目 鱗形   鱗形   鱗形
六本目 位弛   位弛   位弛
七本目 燕返   燕返   燕返
八本目 柄砕   眼関落  眼関落  
九本目 水月   水月刀  水月刀
十本目 霞剣   霞剣   霞剣
11本目 ナシ   討込   討込
 第6回までに六本目位弛まで読み解いていますから、今回の第七回の9月14日は4時間かけて七本目燕返から10本目まで研究し、おまけに11本目の討込を真向打ちによる合し打ちで締めてみました。
 9月28日は一本目から十本目まで通して演武し、問題点を洗い出して、武術的な観点から現行の師伝の術理を解きほぐし変化した動作に応じられるものを幾つも体験し、其処から演武(舞)用の見栄えの良い動作を模索してみました。
 
 武術の稽古は、何度も同じ動作をいたずらに繰り返して熟達する演練を良しとする処が多いのですが、此処では古伝の文言一字をも見逃さずに読み取って、その求めるものから術理を紐解き動作に至る技法の展開を求めています。
 仕組(組太刀)は申し合わせの形として、歩数や打ち間、打つ位置に拘り過ぎずに、実戦に応じられるまで研究する事が大切です。其の為には手附をよく読み、取り敢えずやって見て、今までの経験だけに固執しないことが大切です。
 
 この古伝の分野には、先生と言われる人は無く、求める者が己の知恵を出し、他の人の知恵と重ね合い、本物を捜す以外に道はありません。
 誰かがやって、誰かがそれを見、古伝と照らし、違う処を指摘し、形へと昇華させるのです。
 真剣刀法の武的センスのない先師が意味不明な動作にしてしまったものは捨て去り、他流から見ても納得し理解されるものを捜し求めています。
 
例を上げてみましょう。
Ⅰ、古伝神傳流秘書の詰合九本目「水月」
 「相手高山に構え待つ所へ、我も高山に構え行きて相手の面に突き付ける相手払うを体を替えし打込み勝
*
Ⅱ、曽田先生の復元された業附口伝の詰合之位九本目「水月刀」
 「是も同じく立合て真向へ冠り、相掛りにても敵待ちかけても苦からず、我れ真向へ冠りてスカスカと行き場合にて、太刀の切尖を敵の眉間に突き込む様に突く也、其の時、敵直ぐに八相に払う、其の時、我直ぐにカムリ敵の面へ切り込み勝也、互に五歩退がり血振り納刀以下同じ」
*
Ⅲ、第19代福井春政先生直伝嶋専吉先生の無双直伝英信流居合術乾詰合之位九本目「水月刀」
 「立合て右上段に冠り相掛りにて進み中途仕太刀は幾分刀を下げ間合に至りて打太刀の眉間に突込む様に刺突す打太刀之を八相に払ふ。
仕太刀隙かさず左の脚を稍々左方に踏み体を軽く左に転はして振冠り、右足を一歩踏み込み打太刀の面を打つ。(此場合体を左に開き上段に振冠りたるまゝ残心を示す様式もあり)刀を合せ双方五歩退り、血振納刀。」
*
Ⅳ、第21代福井聖山先生の詰合之位九本目「水月刀」
 「打太刀
①右足より進み出で、間合に来た時、仕太刀が我が面を目がけて刀を突いて来たので、左足を引き八相に払う。
②払ったる瞬間に、仕太刀より面を打たる。
仕太刀
①右足より進み出で、二歩ぶりに剣先を下げ間合に至るや、剣先を打太刀の眉間に突き込む様に突き出す。
②突き出したる刀を八相に払われたる瞬間、直ちに刀を冠り左足を進め面を打つ
(二歩目に剣先を中段にして、三歩目に水月を突き払われた瞬間、正面を打つ)
 このそれぞれの手附を読み、古伝との違いを認識できるでしょうか。そしてそれぞれどの様に運剣するでしょうか。
 文字に表われた部分の動作の解釈と、文字に表われていない部分の動作が大きく技を替えていきます。
 
 第八回は10月及び11月に三回行います。何度も繰返す通し演武から術理を求めていきます。
 「かたち」は誰でも演じられます。然し其の業の持つ術理は理解できないか、理解しても術にならない。そこまで修行をもとめられるのでしょう。
 詰合が理解出来れば居合が理解出来るかもしれません。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く10夏原流和之事6本手之移5請返

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
10、夏原流和之事
6)本手之移
五本目請返
請返
 右轉の通り我可手を出須を相手両の手二亭取り引廻さんと春るを下ゟ相手の左の手を取り轉びころび春連バ相手倒るゝ也
*読み
請返(うけかえし・うけがえし)
 右転の通り 我が手を出すを 相手両の手にて取り引き廻さんとするを 下より相手の手を取り 転び転びすれば 相手倒るゝ也
参考
捕手和之事五本目右転 
 前の如く歩ミ行亭相手手を上る処を両の手にて指を取りわけ左の方へ引廻し又た於し砂乱の如くう津む希に引廻し亭堅める
読み
 前の如く歩み行きて相手手を上げる処を 両の手にて指を取り分け 左の方へ引き廻し 又 倒し砂乱の如く俯けに引き廻して堅める
参考
捕手和之事二本目砂乱
 相手坐し居る処へ我ハ立って歩ミ行使者捕の如く引た於さむとする相手た於れしとするを支ニ左の手二亭突たおし扨右足を相手の肩へ歩ミ込ミうつむけに直しかたむる也
読み
 相手坐し居る処へ 我は立って歩み行き 使者捕の如く引き倒さんとする 相手倒れじとするを機に 左の手にて突き倒し 扨 右足を相手の肩へ踏み込み 俯けに直し堅むる也 
参考 
捕手和之事一本目使者捕
 楽々対し坐したる時向の右の手を我が右之手二亭取り向の右の膝を足二亭踏我右脇へ引た於してかたむる也
読み
 楽々対し坐したる時 向うの右の手を我が右の手にて取り 向うの右の膝を足にて踏み 我が右脇へ引き倒し堅むる也
読み解く
右転、砂乱、使者捕と戻されますが単純にして見ました。
 楽々対座している時、相手は立ち上がって歩み寄り、我が上に上げた右手を相手両手で取って指を取り分け左の方に引き廻さんとする。
我は相手の左手を下から取り、相手の引き廻しに転び転びすれば相手を引き倒す事が出来る。

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2017年9月29日 (金)

曽田本その1の1神傳流秘書原文10夏原流和之事6本手之移5請返

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
10、夏原流和之事
6)本手之移
五本目請返
請返
 右轉の通り我可手を出須を相手両の手二亭取り引廻さんと春るを下ゟ相手の左の手を取り轉びころび春連バ相手倒るゝ也
*読み
請返(うけかえし・うけがえし)
 右転の通り 我が手を出すを 相手両の手にて取り引き廻さんとするを 下より相手の手を取り 転び転びすれば 相手倒るゝ也
参考
捕手和之事五本目右転 
 前の如く歩ミ行亭相手手を上る処を両の手にて指を取りわけ左の方へ引廻し又た於し砂乱の如くう津む希に引廻し亭堅める
読み
 前の如く歩み行きて相手手を上げる処を 両の手にて指を取り分け 左の方へ引き廻し 又 倒し砂乱の如く俯けに引き廻して堅める
参考
捕手和之事二本目砂乱
 相手坐し居る処へ我ハ立って歩ミ行使者捕の如く引た於さむとする相手た於れしとするを支ニ左の手二亭突たおし扨右足を相手の肩へ歩ミ込ミうつむけに直しかたむる也
読み
 相手坐し居る処へ 我は立って歩み行き 使者捕の如く引き倒さんとする 相手倒れじとするを機に 左の手にて突き倒し 扨 右足を相手の肩へ踏み込み 俯けに直し堅むる也 
参考 
捕手和之事一本目使者捕
 楽々対し坐したる時向の右の手を我が右之手二亭取り向の右の膝を足二亭踏我右脇へ引た於してかたむる也
読み
 楽々対し坐したる時 向うの右の手を我が右の手にて取り 向うの右の膝を足にて踏み 我が右脇へ引き倒し堅むる也
 

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2017年9月28日 (木)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く10夏原流和之事6本手之移4變ノ弛

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
10、夏原流和之事
6)本手之移
四本目變ノ弛
變ノ弛
 付入りの業二亭突倒さんとす類を躰を開き後へ送る也
読み
變ノ弛(へんのはずし)
 付入りの業にて 突き倒さんとするを体を開き後へ送る也
参考 夏原流和之事捕手和之事四本目附入
 如前歩ミ寄っ亭右の手二て相手の胸を突阿保の希にた於春也
読み
 前の如く歩み寄って 右の手にて相手の胸を突き 仰のけに倒す也
読み解く
 この「變ノ弛」の読み方は、曽田先生は「へんのはずし」とメモを添えています。この神傳流秘書にある「弛」の漢字の読みは「はずし」と読ませています。「はずし」は「外し」で「弛」は「ゆるみ」ですが、弓の弦を「はづす」から、張っていた力が抜ける、だれるから古訓では「はずし」と読ませるのでしょう。

 「前の如く」は三本目「弓返」で「相手坐処へ前の如く歩み寄って左の手にて相手の左の手を取り右の手にて相手の小太刀の柄を取て・・・・」

 弓返にも「前の如く」ですから、二本目砂乱れに戻ります。
相手坐し居る処へ我は立って歩み行使者捕の如く引きたおさむとする・・

 砂乱にも「前の如く」ですから、一本目使者捕まで戻ります。「楽々対し坐したる時向の右の手を我が右の手にて取り向の右の膝を足にて踏み我が右脇へ引たおしてかたむる也」

 どうやら、始動が見えてきました。古伝の省略した「前の如く」の部分は素直に戻れば展開が見えていいものです。

 楽々相対して座す時、相手が立ち上がって歩み寄り、我が胸を右手で突いて突き倒そうとするを機に体を左に躱して開き相手の右手を外して我が体の後ろへ送り引き倒す。

 相手の流れる右手を我は右手で取って引き倒すとも、何とも書かれていません。古伝はおおらかです、思う様にやって見るのが良さそうです。

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2017年9月27日 (水)

曽田本その1の1神傳流秘書原文10夏原流和之事6本手之移4變ノ弛

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
10、夏原流和之事
6)本手之移
四本目變ノ弛
變ノ弛
 付入りの業二亭突倒さんとす類を躰を開き後へ送る也
読み
變ノ弛(へんのはずし)
 付入りの業にて 突き倒さんとするを体を開き後へ送る也
参考 夏原流和之事捕手和之事四本目附入
 如前歩ミ寄っ亭右の手二て相手の胸を突阿保の希にた於春也
読み
 前の如く歩み寄って 右の手にて相手の胸を突き 仰のけに倒す也

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2017年9月26日 (火)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く10夏原流和之事6本手之移3山越

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
10、夏原流和之事
6)本手之移
三本目山越
山越
 弓返しの通り二たをされたる時我打込んて合手請留亭引婦せんと須る時左の手二亭相手の足を取り引可るゝを支耳起上り付込み倒春也
読み
山越(やまこし)
 弓返しの通りに倒されたる時 我打込んで相手請け留めて 引き伏せんとする時 左の手にて相手の足を取り引かるゝ機に 起き上がり付け込み倒す也
参考 夏原流和之事捕手和之事三本目弓返
 相手坐処へ如前歩ミ寄ッて左の手に亭合手の左の手を取り右の手二て相手の小太刀の柄を取て脇へねぢた於し其柄を右之足にて歩ミ向の小手をかためたる時相手右の手をもッて打込むを我も右の手二て留左の手を相手のひぢ尓そゑ亭うつむ希二引直し堅める
読み
弓返(弓返)
 相手坐す処へ 前の如く歩み寄って左の手にて相手の左の手を取り 右の手にて相手の小太刀の柄を取りて脇へねじ倒し 其の柄を右の足にて踏み 向うの小手をかためたる時
相手右の手をもって打ち込むを 我も右の手にて留め 左の手を相手の肘に添えて俯きに引き直し堅める
読み解く
 「前の如く歩み寄って」は、相手坐し居る処へ歩み寄っての事でしょう。
是は相手に左手を取られ、更に小太刀の柄を取られてねじ倒され、右足で小太刀の柄を踏み固められた時に、我は右手で相手に打ち込むのを請け留められ、左手を固められて俯けに引き伏せられられそうになる時、左手で相手の足を取って、相手が引こうとするを機に起き上がって相手に付け込んで倒す。

 此の業は、弓返しの我と相手を逆にして返し業を繰り出すもので、弓返の彼我逆の攻防と山越を合せて見ました。

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2017年9月25日 (月)

曽田本その1の1神傳流秘書原文10夏原流和之事6本手之移3山越

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
10、夏原流和之事
6)本手之移
三本目山越
山越
 弓返しの通り二たをされたる時我打込んて合手請留亭引婦せんと須る時左の手二亭相手の足を取り引可るゝを支耳起上り付込み倒春也
読み
山越(やまこし)
 弓返しの通りに倒されたる時 我打込んで相手請け留めて 引き伏せんとする時 左の手にて相手の足を取り引かるゝ機に 起き上がり付け込み倒す也
参考 夏原流和之事捕手和之事三本目弓返
 相手坐処へ如前歩ミ寄ッて左の手に亭合手の左の手を取り右の手二て相手の小太刀の柄を取て脇へねぢた於し其柄を右之足にて歩ミ向の小手をかためたる時相手右の手をもッて打込むを我も右の手二て留左の手を相手のひぢ尓そゑ亭うつむ希二引直し堅める
読み
弓返(弓返)
 相手坐す処へ 前の如く歩み寄って左の手にて相手の左の手を取り 右の手にて相手の小太刀の柄を取りて脇へねじ倒し 其の柄を右の足にて踏み 向うの小手をかためたる時
相手右の手をもって打ち込むを 我も右の手にて留め 左の手を相手の肘に添えて俯きに引き直し堅める
 
 

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2017年9月24日 (日)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く10夏原流和之事6本手之移2小車

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
10、夏原流和之事
6)本手之移
二本目小車
小車
 砂乱の業二亭我可手を取り須具者る処へ付込ミ来るを支耳中耳入り倒す
読み
小車(おぐるま・こぐるま)
 砂乱(さみだれ)の業にて 我が手を取り直ぐにすぐばる処へ付け込み来るを機に 中に入り倒す
参考 「砂乱の業にて」は夏原流和之事捕手和之事二本目砂乱
 相手坐し居る処へ我ハ立って歩ミ行使者捕の如く引た於さむとするを相手た於礼しと春るを支ニ左の手二亭突たおし扨右足を相手の肩へ歩ミ込ミう川むけ二直しかたむる也
読み
砂乱(さみだれ)
 相手坐し居る処へ 我は立って歩み行き 使者捕の如く 引き倒さんとするを 相手倒れじとするを機に 左の手にて突き倒し 扨 右足を相手の肩へ踏み込み俯けに直し堅むる
参考 「使者捕の如く」は捕手和之事一本目使者捕

使者捕(ししゃほ・ししゃとり)
 楽々對し坐したる時向の右の手を我か右之手二亭取り向の右の膝を足二亭踏我脇へ引た於してかたむる也
読み
 楽々対し坐したる時 向うの右の手を我が右の手にて取り 向うの右の膝を足にて踏み 我が脇へ引き倒し堅むる也
読み解く 
 小車は、我が座して居る時、相手立ってスカスカと近寄って来て、我が右手を取り、我がすくむ様にグットする処へ、相手は更に引き倒そうと付け入って来るのを機に、我は付け込んで相手の中に入り左手で相手の左足を取って仰向けに倒す。

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2017年9月23日 (土)

曽田本その1の1神傳流秘書原文10夏原流和之事6本手之移2小車

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
10、夏原流和之事
6)本手之移
二本目小車
小車
 砂乱の業二亭我可手を取り須具者る処へ付込ミ来るを支耳中耳入り倒す
読み
小車(おぐるま・こぐるま)
 砂乱(さみだれ)の業にて 我が手を取りすくばる処へ付け込み来るを機に 中に入り倒す
参考 「砂乱の業にて」は夏原流和之事捕手和之事二本目砂乱
 相手坐し居る処へ我ハ立って歩ミ行使者捕の如く引た於さむとするを相手た於礼しと春るを支ニ左の手二亭突たおし扨右足を相手の肩へ歩ミ込ミう川むけ二直しかたむる也
読み
 相手坐し居る処へ 我は立って歩み行き 使者捕の如く 引き倒さんとするを 相手倒れじとするを機に 左の手にて突き倒し 扨 右足を相手の肩へ踏み込み俯けに直し堅むる
参考 「使者捕の如く」は捕手和之事一本目使者捕
 楽々對し坐したる時向の右の手を我か右之手二亭取り向の右の膝を足二亭踏我脇へ引た於してかたむる也
読み
 楽々対し坐したる時 向うの右の手を我が右の手にて取り 向うの右の膝を足にて踏み 我が脇へ引き倒し堅むる也

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2017年9月22日 (金)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く10夏原流和之事6本手之移1障子返

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
10、夏原流和之事
6)本手之移 始終相手本手之組掛之通二取来也
一本目障子返
本手之移 始終相手本手之組掛之通に取来也
障子返
 使者捕の業耳て引たをさんとす類を支に耳津べ可へり須る也
読み
本手之移(ほんてのうつし)  始終相手 本手の組み掛りの通りに取り来る
 
障子返(しょうじかえし)
 使者捕の業にて 引き倒さんとするを機に つべかえりする也
参考 使者捕の業 夏原流和之事捕手和之事一本目使者捕
 楽々對し坐したる時向の右の手を我か右之手二亭取り向の右之膝を足二亭踏我右脇へ引た於してかたむる也
読み
 楽々対し坐したる時 向うの右の手を我が右の手にて取り 向うの右の膝を足にて踏み 我が右脇へ引き倒し堅むる也
読み解く
 本手之移は夏原流和之事の最後の業手附けです。「本手之移」とは元の手附の移しですから、返し業と云うのでしょう。
 ですから本手之移の我は相手、相手は我と入れ替わります。
 同様に、立合と後立合、小具足と小具足割は元の業の替え業、返し業でした。
 
 「障子返は使者捕の業にて」ですから、使者捕の業のように相手が我が右手を取り右膝を踏みつけ引き倒そうとするを機にでんぐり返って逃れる。

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2017年9月21日 (木)

曽田本その1の1神傳流和之事原文10夏原流和之事6本手之移1障子返

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
10、夏原流和之事
6)本手之移 
始終相手本手之組掛之通二取来也
一本目障子返
本手之移 
始終相手本手之組掛之通に取来也
障子返
 使者捕の業耳て引たをさんとす類を支耳津べ可へり須る也
読み
本手之移(ほんてのうつし)  
始終相手 本手の組み掛りの通りに取り来る
 
障子返(しょうじかえし)
 使者捕の業にて 引き倒さんとするを機に つべかえりする也
参考 使者捕の業 夏原流和之事捕手和之事一本目使者捕
 楽々對し坐したる時向の右の手を我か右之手二亭取り向の右之膝を足二亭踏我右脇へ引た於してかたむる也
読み
 楽々対し坐したる時 向うの右の手を我が右の手にて取り 向うの右の膝を足にて踏み 我が右脇へ引き倒し堅むる也
 

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2017年9月20日 (水)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く10、夏原流和之事5小具足割10浦ノ波

曽田本その1
1.神傳流秘書読み解く
10、夏原流和之事
5)小具足割
十本目浦ノ波
以上十本
浦ノ波
 影の切懸の通り耳後ゟ髻を取ッ亭打込を後へ振り向き我可右の手を當て打懸亭躰をもたれ懸り亭倒す
以上十本
読み
浦ノ波(うらのなみ)
 影の切懸の通りに 後より髻を取って打ち込むを 後へ振り向き 我が右の手を当て打ち懸けて 体をもたれ懸りて倒す
以上十本
参考 小具足の十一本目影切掛
 是ハ相手我後ゟ歩ミ来り我可髻を取り短刀を抜亭打込むを其侭後へ向位の弛の如く右之手二亭出合を留中耳入りたを春
読み
影切掛(かげきりかかり)
 是は相手後ろより歩み来たり 我が髻を取り 短刀を抜きて打込むを 其の侭 後ろへ向き
位の弛の如く 右の手にて出合うを留め 中に入り倒す
参考 小具足の八本目位ノ弛
 相手胸を取るを左の手二亭取り合手立上り短刀を抜て打込むを我右の手二亭打込ミ留躰を入川て中耳入り倒ス
読み
位ノ弛(くらいのゆるみ・くらいのはずし)
 相手胸を取るを左の手にて取り 相手立ち上がり 短刀を抜いて打込むを 我れ右の手にて打込み留め 体を入って中に入り倒す
読み解く
 「影の切懸」とは小具足の十一本目影切掛のことでしょう。

さらにここで小具足の八本目位ノ弛の業の動作を要求しています。

 この伝書は省略が多くて、其の都度前の業を振り返る事になって文章だけから業を演じようとするとこの様に厄介です。然し稽古には前の業を充分習熟できれば容易な事でしょう。

 相手我が後ろより来たりて我が髻を取り短刀を抜いて打ち込んで来るので、我は透かさず後へ振り向き、右手を上げ相手の短刀を持つ右手首に打ち懸けて留め、そのままもたれる様に体をあびせて倒す。

 以上十本で小具足割を終わります。小具足割の割の意味はどうやら変化技を表す夏原流独特の言葉だったようです。

 小具足割の書き出しに「八文字二坐ス」と有りました。我は立膝に座し、相手は同様に坐して居るか、立って前より歩み寄る、又は後ろより歩み来ると相手の状況が異なります。

 

 

 

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2017年9月19日 (火)

曽田本その1の1神傳流秘書原文10夏原流和之事5小具足割10浦ノ波

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
10、夏原流和之事
5)小具足割
十本目浦ノ波
浦ノ波
 影の切懸の通り耳後ゟ髻を取ッ亭打込を後へ振り向き我可右の手を當て打懸亭躰をもたれ懸り亭倒す
読み
浦ノ波(うらのなみ)
 影の切懸の通りに 後より髻を取って打ち込むを 後へ振り向き 我が右の手を当て打ち懸けて 体をもたれ懸りて倒す
参考 小具足の十一本目影切掛
 是ハ相手我後ゟ歩ミ来り我可髻を取り短刀を抜亭打込むを其侭後へ向位の弛の如く右之手二亭出合を留中耳入りたを春
読み
影切掛(かげきりかかり)
 是は相手後ろより歩み来たり 我が髻を取り 短刀を抜きて打込むを 其の侭 後ろへ向き
位の弛の如く 右の手にて出合うを留め 中に入り倒す
参考 小具足の八本目位ノ弛
 相手胸を取るを左の手二亭取り合手立上り短刀を抜て打込むを我右の手二亭打込ミ留躰を入川て中耳入り倒ス
読み
位ノ弛(くらいのゆるみ・くらいのはずし)
 相手胸を取るを左の手にて取り 相手立ち上がり 短刀を抜いて打込むを 我れ右の手にて打込み留め 体を入って中に入り倒す
 

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2017年9月18日 (月)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く10夏原流和之事5小具足割9逆ノ返

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
10、夏原流和之事
5)小具足割
九本目逆ノ返
逆ノ返
 う川保付の通り耳腰を取ッ亭打を右の手二亭受留左の手二亭合手の足を逆手二取り躰を□ふて阿をの介耳倒す也
読み
逆ノ返(ぎゃくのかえし)
 うつぼ付(靭付)の通りに腰を取って打つを 右の手にて受け留め 左の手にて相手の足を逆手に取り 体を□ふて仰のけに倒す也
「躰を□ふて阿をの介耳倒す也(体を□ふて仰のけに倒す也)」の「□ふて」は誤記かも知れません。河野百錬先生の「無双直伝英信流兵法叢書では「体を込みて仰向に倒す也」です。
参考 小具足の十本目靭付
靭付(ウツボ、矢入レ 曽田メモ)
 相手我右脇ゟ歩来り我可帯を取打込んとす類をす具耳相手の膝と足と耳手を掛押倒す
読み
靭付(うつぼつき)
 相手 我が右脇より歩み来たり 我が帯を取り 打ち込まんとするを 直ぐに相手の膝と足とに手を掛け押倒す
靭は靫の誤記でしょう。原本のままにしておきます。
読み解く
 「うつぼ付」は小具足の十本目靭付(うつぼつき)、靭は矢入れの事と曽田メモがあります。
 この靭付は我は八文字に坐して居る処へ、相手が右脇から近寄ってきて、矢庭に帯を取って、右手に短刀を握って打ち込まんとするので、直ぐに相手の膝に手を掛け、右手で相手の足首に手を懸けて引き押し倒しました。

 今度の「逆ノ返」は、靭付のように帯を取って右手で打ち込んでくるので、右手で相手の手首を受け留め、左手で相手の足を逆手に取って体を付け入って仰のけに倒す。

 「躰を□ふて仰のけに倒す」の□の文字は判読不能です。河野先生は無双直伝英信流居合兵法叢書では「体を込て仰向に倒す」とされていますが、「躰を□ふてあおのけに倒す」なので□を特定出来ません。

 動作としては、右手で相手の打ち込みを受けているのですから、左手は相手の右足を逆手で手前に払って仰のけに倒す、としてみました。

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2017年9月17日 (日)

曽田本その1の1神傳流秘書原文10夏原流和之事5小具足割9逆ノ返

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
10、夏原流和之事
5)小具足割
九本目逆ノ返
逆ノ返
 う川保付の通り耳腰を取ッ亭打を右の手二亭受留左の手二亭合手の足を逆手二取り躰を□ふて阿をの介耳倒す也
読み
逆ノ返(ぎゃくのかえし)
 うつぼ付(靭付)の通りに腰を取って打つを 右の手にて受け留め 左の手にて相手の足を逆手に取り 体を□ふて仰のけに倒す也
「躰を□ふて阿をの介耳倒す也(体を□ふて仰のけに倒す也)」の「□ふて」は誤記かも知れません。河野百錬先生の「無双直伝英信流兵法叢書では「体を込みて仰向に倒す也」です。
参考 小具足の十本目靭付
靭付(ウツボ、矢入レ 曽田メモ)
 相手我右脇ゟ歩来り我可帯を取打込んとす類をす具耳相手の膝と足と耳手を掛押倒す
読み
靭付(うつぼつき)
 相手 我が右脇より歩み来たり 我が帯を取り 打ち込まんとするを 直ぐに相手の膝と足とに手を掛け押倒す
 

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2017年9月16日 (土)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く10夏原流和之事5小具足割8岩波

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
10、夏原流和之事
5)小具足割
八本目岩浪
岩波
 髻附の通り二押付来るを我可右の手を其の手へ打懸津べ可へりす類
読み
岩波(いわなみ)
 髻附(もとどりつけ)の通りに押し付け来るを 我が右の手を其の手へ打ち懸け つべかえりする
参考 夏原流和之事小具足九本目髻附
髻附
 此事ハ亦常の通り坐して居時相手後より手を廻した婦さを取て押伏セむとする事を支耳其手を前へ押者川し堅る
読み
髻附(もとどりつけ・もとどりつき)
 此の事は また 常の通り坐している時 相手後ろより手を廻し 髻(たぶさ)を取りて押し伏せんとするを機に其の手を前へ押し外し堅める
読み解く
 岩波と髻附を合体させてみます。原文では読みにくいので読み下しにします。
「此の事は また 常の通り坐し居る時 相手後より手を廻し 髻を取りて押し伏せんとするを
我が右の手を其の手へ打ち懸け つべかえりする」
 この場合の相方の位置関係は、「相手後より手を廻し」の読み解きから、「相手は後ろに坐し手を廻して髻をとる」、或は、「我と向き合って座し前から手を廻した髻を取る」のいずれかです。
 しかし、「髻を取りて押し伏せんとする」と「つべかえりする」を想定しますと「相手は後ろに坐し手を廻し髻を取って前に押し被さる様に押しつけて来る」と想定して「我は右手で髻を掴んでいる相手の手に一打ちしてハットさせておいて、前に「つべかえりする」。
 「つべかえる」は「でんぐりかえる」であれば前に「でんぐりかえって」危機を抜け出ると取るのが良さそうです。
 相手が前に居たのでは、「つべかえる」のに邪魔になります。「髻附」の様に前に押し伏せることになります。
此の岩波は、「髻附の通り」と有るので八文字に坐した攻防にしましたが、立業としても良いでしょう。
 「立っている処、相手後ろから来て、我が髻を掴んで押しかぶせて来る、我は相手の手に右手を打ち懸けるや、前に「でんぐりかえって」倒す。」

 「我が右の手を其の手へ打懸け」の打懸けのイメージをどのようにするかがこのポイントでしょう。
 「つべかえりする」は「でんぐりかえって」見ましたが、どこぞの方言かこの夏原流の独特の言い回しです。

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2017年9月15日 (金)

第八回古伝研究の集い

土佐の居合 古伝神傳流秘書による古伝研究の集い

 

第八回古伝研究の集い

 

 古伝神傳流秘書を曽田虎彦先生の書き写された直筆本から読み解いて同じ思いの仲間を募って、その古伝研究をやってまいりました。

 今回は第八回目の御案内をいたします。

 

内容:古伝神傳流秘書による詰合・大剣取

    古伝英信流目録による小太刀之位

 

 講義とか実演では無く、参加していただき木刀及び小木刀を持って古伝の解釈及び形の稽古をご一緒にさせていただきます。
 異なる伝承の方々と一つの教本から古伝研究を実施する中で、「私はこの『古伝』はこう解釈する」と自由な考え方から幾つもの疑問を解きほぐして見たいと思います。

 ご参加いただいた方が、師匠であるとご認識いただければ幸いです。

 

1、期日:平成29年10月12日(木)

              1500分~1700

 

      平成29年10月26日(木)

              1300分~1700

 

      平成29年11月09日(木)

             1300分~1700

 

2、場所:鎌倉体育館 格技室

   使用会名:湘南居合道研修会 鎌倉道場

 

3、住所:248-0014神奈川県鎌倉市

            由比ガ浜2-9-9

       TEL:0467-24-3553

 

4、アクセス:JR横須賀線・総武線快速

        鎌倉駅東口下車海岸方向へ

                 徒歩10分(駐車場あり)

 

5、費用:会場費割勘のみ(500円)

 

6、参加の御連絡はこのブログへコメント
    
していただくか直接ご来場ください。

 
7、御案内責任者 ミツヒラ

                    平成29914

 

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曽田本その1の1神傳流秘書原文10夏原流和之事5小具足割8岩波

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
10、夏原流和之事
5)小具足割
八本目岩浪
岩波
 髻附の通り二押付来るを我可右の手を其の手へ打懸津べ可へりす類
読み
岩波(いわなみ)
 髻附(もとどりつけ)の通りに押し付け来るを 我が右の手を其の手へ打ち懸け つべかえりする
参考 夏原流和之事小具足九本目髻附
髻附
 此事ハ亦常の通り坐して居時相手後より手を廻した婦さを取て押伏セむとする事を支耳其手を前へ押者川し堅る
読み
髻附(もとどりつけ・もとどりつき)
 此の事は また 常の通り坐している時 相手後ろより手を廻し 髻(たぶさ)を取りて押し伏せんとするを機に其の手を前へ押し外し堅める
 
 

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2017年9月14日 (木)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く10夏原流和之事5小具足割7勝句廻

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
10、夏原流和之事
5)小具足割
七本目勝句廻
勝句廻
 立合くる時相手左の手二亭我可胸を取り我可右の手二亭其の手首を取る相手右の手二亭打込む我可左の手二亭受留我可右の手を相手の脇下ゟ送込ミ躰も共二廻りたをす也
読み
勝句廻(かちくまわり・しょうくまわり・しょうこうまわり?)
 立合い来る時 相手左の手にて我が胸を取り 我が右の手にて其の手首を取る 相手右の手にて打込む 我が左の手にて受け留め 我が右の手を相手の脇の下より送り込み 体も共に廻り倒す
読み解く
 業名の「勝句廻」はどの様に読めばいいのでしょう。かちくまわり、しょうくまわり何れもピンと来ませんがご存知の方はご教授ください。
 「句」の文字が俳句や和歌に通ずる意味合いを持つかもしれません。この神傳流秘書の書かれた頃江戸では雑俳句として川柳が流行、「川柳評勝句」が出されています。一万句程の応募があって其の中から高得点の句を「勝句」と云って刷り物にして配って盛行だったそうです。小具足割りとの意味合いは知りません。

 小具足割の「八文字に坐す」は五本目までで後の五本は相掛です。
相掛かりに行合い、相手が我が胸を左手で取ってくるので、右手で相手の左手首を取る。
 相手は透かさず右手で打ち込んでくるので左手で受け留め、右手を相手の左手から放すや左脇の下に送り込み付け入って左へ廻り我と共に倒す。

 「相手右の手にて打込む」は、ここでは素手で打ち込むのでしょう。打ち込むですから上から顔面に打ち込むのか、突き込むとは言っていませんが何れでも応じるのでしょう。短刀を抜いて打ち込まれる事も有ると思う処です。

 

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2017年9月13日 (水)

曽田本その1神傳流秘書原文10夏原流和之事5小具足割7勝句廻

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
10、夏原流和之事
5)小具足割
七本目勝句廻
勝句廻
 立合くる時相手左の手二亭我可胸を取り我可右の手二亭其の手首を取る相手右の手二亭打込む我可左の手二亭受留我可右の手を相手の脇下ゟ送込ミ躰も共二廻りたをす也
読み
勝句廻(かちくまわり・かちこうまわり?)
 立合い来る時 相手左の手にて我が胸を取り 我が右の手にて其の手首を取る 相手右の手にて打込む 我が左の手にて受け留め 我が右の手を相手の脇の下より送り込み 体も共に廻り倒す
 

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2017年9月12日 (火)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く10夏原流和之事5小具足割6村雨

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
10、夏原流和之事
5)小具足割
六本目村雨
村雨
 左足耳行違う時相手左の手二亭我可左の手を取るを此方ゟ其手を尓き類相手打込むを右の手二亭請留其の手を直耳合手の額耳押當相手の足を我可右の足二亭蹴る一拍子耳阿於の介耳た於す也
読み
村雨(むらさめ)
 左足に行き違う時 相手左の手にて我が左の手を取るを 此方より其の手を握る 相手打込むを右の手にて請け留め 其の手を直ぐに相手の額に押し当て 相手の足を我が右の足にて蹴る 一拍子に仰のけに倒す
読み解く
 小具足割は八文字に坐す、とあったのですがこの業は双方歩み寄って行き違いざまの技の攻防です。しかし遣方が座したままもよいでしょう。
 左足で行き違う時とは相手が我が左側を行き違う時です。
 相手が左手で我が左手を取ってくる、我はその手を握り返すと、相手は右手で短刀を抜いて左廻りに向き直って、打ち込んで来るので右手で相手の打ち込む右手首を請け留め、その手を直ぐに「会手の顔」は「相手の顔」に押し当てると一拍子に相手の足を、わが右足で蹴って仰のけに倒す。

 この技の掛け方は、小具足の五本目繰返の立業及び六本目逆の剱でしょう。
小具足の繰返「又前(相手左の手にて我が胸を取る我が左の手にてその手首を取る)の如く手首を留たる時相手短刀を抜て打込を右の手にて留其手を相手の額に押當あおのけにねぢたおす」

 

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2017年9月11日 (月)

曽田本その1の1神傳流秘書原文10夏原流和之事5小具足割6村雨

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
10、夏原流和之事
5)小具足割
六本目村雨
村雨
 左足耳行違う時相手左の手二亭我可左の手を取るを此方ゟ其手を尓き類相手打込むを右の手二亭請留其の手を直耳合手の額耳押當相手の足を我可右の足二亭蹴る一拍子耳阿於の介耳た於す也
読み
村雨(むらさめ)
 左足に行き違う時 相手左の手にて我が左の手を取るを 此方より其の手を握る 相手打込むを右の手にて請け留め 其の手を直ぐに相手の額に押し当て 相手の足を我が右の足にて蹴る 一拍子に仰のけに倒す
 
 
 

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2017年9月10日 (日)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く10夏原流和之事5小具足割5切返

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
10、夏原流和之事
5)小具足割
五本目切返
切返
 如前胸を取り手を此方ゟ取り相手打込を右の手二亭留う川伏耳引た於し堅むる也
読み
切返(きりかえし)
 前の如く胸を取り 手を此方より取り 相手打込むを右の手にて留め 俯けに引き倒し堅むる也
読み解く
 前の如くは、小具足割四本目滝落の「相手我が胸を取り抜突けんとする・・」ですから、相手左手で我が胸を取る、此方より其の手首を取る、相手右の手で短刀を抜いて打ち込んで来るのを右手で相手の右手首を取って留める。
其の機をとらえて、左手を相手の右手の肘のかがみに懸ける様にして右脇に引き倒しかためる。

小具足の四本目繰返の業が「相手左の手にて我が胸を取る、我は其の手首を留たる時相手短刀を抜て打込を右の手にて留其の手を相手の額に押當あおのけにねじたおす」と云う業でした。

今度は俯けに引き倒すのですから、相手の打ち込んで来る力を一瞬留めてグット力をこめ押しかかる処を利用して引き倒すとしてみました。

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2017年9月 9日 (土)

曽田本その1の1神傳流秘書原文10夏原流和之事5小具足割5切返

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
10、夏原流和之事
5)小具足割
五本目切返
切返
 如前胸を取り手を此方ゟ取り相手打込を右の手二亭留う川伏耳引た於し堅むる也
読み
切返(きりかえし)
 前の如く胸を取り 手を此方より取り 相手打込むを右の手にて留め うつ伏せに引き倒し堅むる也
 
 

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2017年9月 8日 (金)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く10夏原流和之事5小具足割4滝落

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
10、夏原流和之事
5)小具足割
四本目滝落
滝落
 相手我可胸を取り抜突んとす類を我左の手二亭相手の手首を取り右の手を相手の手の上ゟ送り込ミ躰を左へ廻ッ亭う川む介耳伏す
読み
滝落(たきおとし)
 相手我が胸を取り 抜き突けんとするを 我が左の手にて相手の手首を取り 右の手を相手の手の上より送り込み 体を左へ廻って俯けに伏す
読み解く
 相手が我が胸を左手で取って、右手で短刀を抜いて突こうとするのを、我は左手で相手の左手首を取り、右手を相手の左手の上から送り込んで左に廻りながら相手をうつむけに伏させる。左手の上から懸けた右手で相手の右手首を取る事もできるでしょう。

 この業には小具足の四本目に滝返という業があるので、対比してみましょう。
「滝返:前の如く胸を取を我も前の如く其手首を取り右の手をひじに懸けうつむけに横へふせる也」

 相手が左手で我が胸を取るので、我はその左手首を左手で取って、右手を相手のひじに懸けてそのままうつぶせに左横に倒す。相手は短刀を抜いていない処が違うようです。

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2017年9月 7日 (木)

曽田本その1の1神傳流秘書原文10夏原流和之事5小具足割4滝落

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
10、夏原流和之事
5)小具足割
四本目滝落
滝落
 相手我可胸を取り抜突んとす類を我左の手二亭相手の手首を取り右の手を相手の手の上ゟ送り込ミ躰を左へ廻ッ亭う川む介耳伏す
読み
滝落(たきおとし)
 相手我が胸を取り 抜き突けんとするを 我が左の手にて相手の手首を取り 右の手を相手の手の上より送り込み 体を左へ廻って俯けに伏す
 
 

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2017年9月 6日 (水)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く10夏原流和之事5小具足割3自籠詰

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
10、夏原流和之事
5)小具足割
三本目自籠詰
自籠詰
 我可膝を立膝耳して居処へ相手歩ミ来り我可胸を取り短刀を抜亭突んと須るを先手の如く取ッ亭横へた於す毛の也
読み
自籠詰(じろうつめ)
 我が膝を立膝にして居る処へ 相手歩み来たり我が胸を取り 短刀を抜きて突かんとするを 先手の如く取って横へ倒すもの也
「先手の如く取ッ亭」は小具足の三本目先手です。
先手
 如前胸を取我右の手二亭相手の手首を取相手短刀を抜んとする処をす具耳右の手を相手の胸耳押當足を込ミ亭阿をの希ニ倒す
読み
先手(さきて)
 前の如く胸を取る 我が右手にて相手の手首を取り 相手短刀を抜かんとする処 直ぐに右の手を相手の胸に押し当て 足を込みて仰のけに倒す
読み解く
 自籠詰は、(じろうつめ、じこもりつめ)でしょう。

 我は立膝に座し居る処へ、相手はスカスカと歩み来りて、腰を屈めて我が胸を左手で取り、右手で短刀を抜いて突こうとする処を、我は左手で相手の左手首を取り、右手で相手の右手を取って相手の胸に押当て右足を踏込み、左足を引いて左脇に引き倒す。

 先手では右足を踏み込んで押し倒しますが、此処では押し込んでから左足を引いて体を変わり乍ら横へ引き倒す。

 小具足と小具足割の違いはこのあたりの変化技を指すのではと思うのですが、いかがでしょう。

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2017年9月 5日 (火)

曽田本その1の1神傳流秘書原文10夏原流和之事5小具足割3自籠詰

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
10、夏原流和之事
5)小具足割
三本目自籠詰
自籠詰
 我可膝を立膝耳して居処へ相手歩ミ来り我可胸を取り短刀を抜亭突んと須るを先手の如く取ッ亭横へた於す毛の也
読み
自籠詰(じろうつめ)
 我が膝を立膝にして居る処へ 相手歩み来たり我が胸を取り 短刀を抜きて突かんとするを 先手の如く取って横へ倒すもの也
「先手の如く取ッ亭」は小具足の三本目先手です。
先手
 如前胸を取我右の手二亭相手の手首を取相手短刀を抜んとする処をす具耳右の手を相手の胸耳押當足を込ミ亭阿をの希ニ倒す
読み
先手(さきて)
 前の如く胸を取る 我が右手にて相手の手首を取り 相手短刀を抜かんとする処 直ぐに右の手を相手の胸に押し当て 足を込みて仰のけに倒す
 
 

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2017年9月 4日 (月)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く10夏原流和之事5小具足割2向剣

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
10、夏原流和之事
5)小具足割
二本目向剣
向剣(向剱)
 相手左二亭我可胸を取り突んとするを我可左の手二亭相手の手首を取り右の手をひぢの可ゞ美二懸下へ押伏セる
読み
向剣(向剱 曽田先生は剱の漢字を剣に訂正)(むこうけん)
 相手 左にて我が胸を取り突かんとするを 我が左の手にて相手の手首を取り 右の手を肘のかがみに懸け 下へ押し伏せる
参考 小具足の二本目剱當詰
 相手左の手二亭我可胸を取る我可左の手二亭其手首を取る相手小太刀を抜て下を突くを左の膝を少し立帰りてはづし右の手二亭突手を打落引伏セ堅
読み
 相手 左の手にて我が胸を取る 我が左の手にて其の手首を取る 相手小太刀を抜いて知多を突くを 左の膝を少し立て替えりて外し 右の手にて突き手を打ち落し引き伏せ堅む
*
読み解く
 相手左の手で我が胸を取り右の手で短刀を抜いて突こうとする時、我は左手で相手の右手首を取って突き手を制し、左足を引いて体を左に開いて右手を相手の右手のひじのかがみに懸け右脇下へ押し伏せる。
 小具足の二本目剱當詰では、相手は左手で我が胸を取って右手で小太刀を抜いて下を突いて来るのを左足を引いて外し右手で突き手を打ち落す。
 小具足割の向剣では突こうとする右手首を左手で取って右手で相手の右肘に懸け押し伏せる。

 小具足と小具足割は似たような状況での攻防を述べて居ます。小具足の呪巻では相手が我が胸を左手で取り右手で短刀を胸に押し当てて来るのを両手相手の肘に打ちもぎしています、小具足割の弛では、相手はうちもぎされそうなのでそれを避けて外し再度打ち込んで来るのを右手で制するのでした。

 

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2017年9月 3日 (日)

曽田本その1の1神傳流秘書原文10夏原流和之事5小具足割2向剣

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
10、夏原流和之事
5)小具足割
二本目向剣
向剣(向剱)
 相手左二亭我可胸を取り突んとするを我可左の手二亭相手の手首を取り右の手をひぢの可ゞ美二懸下へ押伏セる
読み
向剣(向剱 曽田先生は剱の漢字を剣に訂正)(むこうけん)
 相手 左にて我が胸を取り突かんとするを 我が左の手にて相手の手首を取り 右の手を肘のかがみに懸け 下へ押し伏せる
参考 小具足の二本目剱當詰
 相手左の手二亭我可胸を取る我可左の手二亭其手首を取る相手小太刀を抜て下を突くを左の膝を少し立帰りてはづし右の手二亭突手を打落引伏セ堅
読み
 相手 左の手にて我が胸を取る 我が左の手にて其の手首を取る 相手小太刀を抜いて知多を突くを 左の膝を少し立て替えりて外し 右の手にて突き手を打ち落し引き伏せ堅む

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2017年9月 2日 (土)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く10夏原流和之事5小具足割1弛

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
10、夏原流和之事
5)小具足割
一本目弛
小具足割 八文字二坐ス
一本目弛
 呪巻の介んを胸耳押あ當てる時耳ひぢと手首を打拂ふ相手避て上へ取り又打込を右の手二亭留引た於す也
読み
 弛(ゆるみ・はずし)
 呪巻の剱(短刀)を胸に押し当てる時に 肘と手首を打ち払う 相手避けて上へ取り 又 打ち込むを右の手にて留め 引き倒す
*参考 小具足の一本目呪巻
 相手左の手二亭胸を取る右之手二亭短刀を抜胸二押當テたる時我左右之手二亭相手の両のひぢを打もぎす具耳相手の右之手首を取て一方の手を比ぢ耳懸てう津む希耳引伏セ堅める
読み
呪巻(のろいまき)
 相手左の手にて胸を取る 右の手にて短刀を抜き胸に当てたる時 我左右の手にて相手の両の肘を打ち捥ぎ 直ぐに相手の右の手首を取って一方の手を肘に懸けて 俯けに引き伏せ堅める
読み解く
 夏原流和之事の五番めは小具足割です。
 これは八文字に坐す、とありますから前の小具足と同様に「両方足を爪立左の膝を付き右の膝を浮けて折る八文字に坐す」でしょう。この小具足割の「割」の意味はおいおい理解できるでしょう。
「呪巻の・・」は小具足の一本目呪巻のことで「相手左の手にて胸を取る右の手にて短刀を抜胸に押當てたる時我左右の手にて両のひじのを打もぎすぐに相手の右の手首を取て一方の手をひじに懸てうつむけに引伏せ堅める」の業です。

この業名「弛」は「ゆるみ」と読むのですが神傳流秘書では曽田先生は「はずし」と読ませています。
 相手、左の手で我が胸を取り、右手で短刀を抜き我が胸に押當て来る時、我は左右の手で相手の左肘と右手首を打ち払う。相手それを上に弛し、又打ち込んで来るのを右手で相手の右手首を留め左手を相手の肘のかがみに取り右脇に引き倒す。

ここでは、小具足の呪巻で応じた処、相手に躱され、再び責められた処を仕留める技となっています。

 

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2017年9月 1日 (金)

第七回古伝研究の集い

土佐の居合 古伝神傳流秘書による古伝研究の集い

 

第七回古伝研究の集い

 

 古伝神傳流秘書を曽田虎彦先生の書き写された直筆本から読み解いて同じ思いの仲間を募って、その古伝研究をやってまいりました。今回は第七回目の御案内をいたします。

 

内容:古伝神傳流秘書による詰合・大剣取

    古伝英信流目録による小太刀之位

 

 講義とか実演では無く、参加していただき木刀及び小木刀を持って古伝の解釈及び形の稽古をご一緒にさせていただきます。
 異なる伝承の方々と一つの教本から古伝研究を実施する中で、「私はこの『古伝』はこう解釈する」と自由な考え方から幾つもの疑問を解きほぐして見たいと思います。

 ご参加いただいた方が、師匠であるとご認識いただければ幸いです。

 

1、期日:平成29年9月14日(木) 

      平成29年9月28日(木)

 

2、時間:14日:15時00分~19時00

      28日:15時00分~17時00分

 

3、場所:鎌倉体育館 格技室

   使用会名:居合道研修会 

 

4、住所:248-0014神奈川県鎌倉市

      由比ガ浜2-9-9

    TEL:0467-24-3553

 

5、アクセス:JR横須賀線・総武線快速

        鎌倉駅東口下車海岸方向へ

        徒歩10分(駐車場あり)

 

6、費用:会場費割勘のみ(500円)

 

7、参加の御連絡はこのブログへコメントしていただくか直接ご来場ください。

8、御案内責任者 ミツヒラ

 

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曽田本その1の1神傳流秘書原文10夏原流和之事5小具足割1弛

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
10、夏原流和之事
5)小具足割
一本目弛
小具足割 八文字二坐ス
一本目弛
 呪巻の介んを胸耳押あ當てる時耳ひぢと手首を打拂ふ相手避て上へ取り又打込を右の手二亭留引た於す也
読み
 弛(ゆるみ・はずし)
 呪巻の剱(短刀)を胸に押し当てる時に 肘と手首を打ち払う 相手避けて上へ取り 又 打ち込むを右の手にて留め 引き倒す
*参考 小具足の一本目呪巻
 相手左の手二亭胸を取る右之手二亭短刀を抜胸二押當テたる時我左右之手二亭相手の両のひぢを打もぎす具耳相手の右之手首を取て一方の手を比ぢ耳懸てう津む希耳引伏セ堅める
読み
呪巻(のろいまき)
 相手左の手にて胸を取る 右の手にて短刀を抜き胸に当てたる時 我左右の手にて相手の両の肘を打ち捥ぎ 直ぐに相手の右の手首を取って一方の手を肘に懸けて うつむけに引き伏せ堅める
 

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