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2017年12月22日 (金)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻6大森流居合之位2左刀

曽田本その1
2.英信流目録読み解く
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
6、大森流居合之位
 
二本目左刀
 是盤左脇へ向也坐春る也ヒタリへ廻り左の足を一足ふみ出抜付春く尓打込亦血ぶるひを之て立時右の足を左尓揃納る時左を一ト足引納ㇽ也
読み
二本目左刀(さとう、ひだりとう、ひだりかたな)
 是は 左脇へ向く也 坐する也 左へ廻り左の足を一足踏み出し抜付け 直ぐに打ち込む 亦 血ぶるいをして 立つ時右の足を左に揃え 納める時左を一足(ひとあし)引き納める也
参考
古伝神傳流秘書大森流之事二本目左刀
左刀
 左の足を踏み出し向へ抜付け打込み扨血震して立時足を前之左の足へ踏み揃へ左足を引て納める以下血震する事ハ足を立替へ先踏出したる足を引て納る也
読み
左刀(さとう)
 左の足を踏み出し向うへ抜付け打込み扨血振るいして立つ時足を前の左の足へ踏み揃え左足を引いて納める 以下血振いする事は足を立替え先ず踏み出したる足を引いて納める也

読み解く

 是は正面に対し、右側に向いて座る。左へ廻り左の足を一足踏み出して抜き付け、すぐに打込み、血振るいして立ち上がる時は左足に右足を引き付け揃える。納刀の際は右足を一足引いて納刀する。

 この、英信流目録の大森流居合之事左刀は、「左へ廻り左の足を踏み出して抜き付け」です。

 「古伝神傳流秘書大森流居合之事左刀」では左へ廻らず、正面向きの儘で左足を踏み出し、抜きつけています。


 「左の足を踏み出し向へ抜付け」をやってみます。正面に向いて座し、左足を踏み込んで正面の敵に抜付ける。
 初発刀は右足を踏み出し正面に抜付ける、二本目の左刀は左足を踏み出し正面に抜きつける。
 何の不思議も無いのですが、正面の相手に右足だ左足だと踏み込み足を変える業技法を稽古させている様です。左刀とは踏み込み足をさして言っているか、敵は我の左側に坐すというのでしょう。

 英信流目録の大森流之位左刀は右向きに座り、左回りして左の敵を切る業に変わっています。神傳流秘書の文言が抜けているのか意図的なのか知るすべはありません。

 古伝神傳流秘書の「大森流左刀」は、大江先生の改変によって「正座の部右」となっています。
 大江先生の右は、正面に対し自分が右向きに座っている場合の業で敵は左に居るというものです。
 対敵意識を持つ古伝を、演武の場所から絞った言い回しに変えた理由はなんなのでしょう。中学生向きにとも思いたいのですが、その必要は無いでしょう、判りません。

 大江先生の改変と言われる事に疑問を感じて居ます。江戸末期から明治に懸けての混乱期に多くの事が失伝したかも知れません。大江先生はそれを掘り起し整理されたのかも知れません。
 或いは、大江先生は若いころに居合を齧っただけで、充分認識しないまま、明治という混乱期に、居合が曲がりなりにも出来る者が土佐を離れて中央で働き、たまたま人手不足の土佐の指導者に祀られたのかも知れません。然しそのことを記すものも、弟子の方々も大江先生の改変と云うだけでそれ以上は何も語られて居ません。
 私が大江先生を批判する様な文章を書くので気に入らないと仰る方がおられます。訳も無く神様呼ばわりするほど、馬鹿なへそ曲がりではありません。
 それ程崇めたいならば、大江居合を徹底的に稽古されればと思うのですが、そんな人に限って当代の居合すら碌に学ばないもので、如何なものでしょうか。

 

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