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2017年12月 6日 (水)

曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒太刀合之巻5小太刀之位初めに

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
5、小太刀之位
 
初めに
 小太刀之位は打太刀は太刀を持ち、仕太刀は小太刀で応ずるものです。この英信流目録にしか収録されていない仕組の形となります。
 英信流目録は林安太夫政誠によって安永五年冬十月吉日改之、と奥書にある事を信じれば安永5年1776年10月に土佐の居合の第10代林安太夫政誠が「何かを」書き改めたものです。
それを嘉永五年1852年癸子六月吉祥日第15代谷村亀之丞自雄が書写したものになります。
 「古伝神傳流秘書」には「小太刀之位」は存在しません。神傳流秘書ならば「小太刀之事」という呼称が振り当てられる筈です。
 随って神傳流秘書では無いもう一つ別の伝書が有ったかもしれません。或は林安太夫政誠が第9代林六太夫守政の持ち込んだ土佐の居合に他流の仕組(形)を組み入れたものかも知れません。
 いずれにしても、英信流目録は神傳流秘書と並ぶほどの伝書であったと推察できます。歴史的検証は何方か土佐の心ある剣士の方による研究に委ねたいと思います。
 神傳流秘書に残されている小太刀に依る仕組(形)は大小詰・大小立詰・大剣取と夏原流和之事に有ります。
 しかし体術を交えない純正の小太刀による剣術は、この英信流目録の「小太刀之位」六本と大剣取10本のうちの前4本(無剣・水石・外石・鉄石)がそれでしょう。
 近年は土佐の居合も居合だけが稽古されるばかりで総合武術であった事が忘れられ、居合風演舞に偏ってしまっています。
 組太刀という呼び方で形を打つ所も、大方は第17代大江正路先生によって古伝太刀打之位を改変してしまった無双直伝英信流居合之形七本とやっと詰合之位を打つ程度でしょう。
 大剣取は、政岡壱實先生の伝承をされる方や、その著書「無双直伝英信流居合兵法 地之巻」を参考に打たれる道場もあるかとは思います。
 小太刀之位は第20代河野百錬先生によって昭和30年1955年に「無双直伝英信流居合兵法叢書」によって発表されていながら、無双直伝英信流正統会ですら置き忘れられてしまっています。
 古伝の多くの伝承が失われてしまった土佐の居合ですが、残された形手附によって復元は可能です。
 平成28年11月に関西の有志と関東の有志で「小太刀之位」を原書より一年がかりでこうであろうと東西それぞれ研究して相互に打ってみました。
 ほぼ同じ様な動作でまとまり、土佐の居合の古伝の手附の解かりやすい文章と現代居合人の力量をもってすれば多くの業技法が復元できるものと認識を強くしたものです。
 「古伝に興味は無い、現代居合以外は知る必要などない」などと嘯く者が「昔はこうだった、武術的にはこうだ」などと想像ばかりの嘘つきにはなりたくないものです。
 小太刀之位を学ぶ者は、竹刀剣道の「あってっこの」間と間合いを知り、古流剣術の体捌きを身に付け、居合という仮想敵相手の空間刀法の真のありようを認識しなければ、申し合わせの「かたち」ばかりに陥るでしょう。
 師匠の真似だけに明け暮れて、申し合わせの形稽古に固執した演舞会向け形では、先師に追い付けもしない、本物も見えてこないのは当然のことでしょう。
 何をするにしても本物を目指して「弟子たる者師匠の出来ない事でもやらねばならぬ」と仰った素晴らしい指導者もおられるのです。
 「弟子たる者師匠の知らぬ事を学ぶべからず」では情けないものです。流派の武術を学ぶ者は古伝の声に応える時期が来ていると思っています。

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