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2017年4月30日 - 2017年5月6日

2017年5月 6日 (土)

曽田本その1の1神傳流秘書原文9抜刀心持之事10連達

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
9、抜刀心持之事
10)十本目連達
連達
 歩ミ行内前を右の拳尓て突其儘二左廻り後を切り又前へ振向て打込也
読み
連達(つれだち)
歩み行く内に前を右の拳にて突き そのままに左廻り 後ろを切り 又 前へ振り向いて打込也

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2017年5月 5日 (金)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く9抜刀心持之事9行連

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
9、抜刀心持之事
9)九本目行連
行連
 立って歩ミ行内二抜て左を突き右を切る両詰に同事也
読み
行連(ゆきつれ、ゆきづれ)
 立って歩み行くうちに 抜いて左を突き 右を切る 両詰に同じ事也
参考 両詰
 抜て片手尓て左脇を突き直二振向いて右脇を切る
 左脇へ抜打二切り付希左を斬る
読み解く
 抜刀心持之事は七本目からは立業です。
 両詰は抜刀心持之事の四本目「両詰」です。
「抜て片手にて左脇を突き直に振向いて右脇を切る、(右脇へ抜打に切り付け左を切る)」

 立って歩み行くところ、行連れに左右より詰め寄られ害意を察し、右の敵を柄頭で牽制し、左に振り向き、抜刀するや左敵を刺突し、すかさず振り返って右の敵を真向から切下して勝。

 両詰に同じであれば、右敵をまず片手抜き打ちに切り、振り向いて左敵を切る、もありでしょう。

 古伝はあくまでも左右の敵であって、そこから敵の位置関係の変化は説いていません。

 大江先生の現代居合はこれを奥居合立業の「行連」と「連達」の二つの業に改変されています。
 「行連」は右敵に抜き打ち、左敵に振り向いて上段から切り下しています。
 「連達」は左敵を刺突し、右敵を上段から切り下しています。

 大江先生の改変の意図が全く理解できません。この神傳流秘書は第九代林安大夫守政により伝えられたものですから、谷村派、下村派の分離以前の伝書です。
 其れを下村派の山川久蔵幸雅が書き写した物が残ったのです。

 現在の無双直伝英信流の奥居合の手附は、江戸末期には変わって来ていたかもしれません、そうであれば正しい伝承は大江先生の道統には無かったとも思われてしまいます。
 かと言って、大江先生は初めは、下村派の下村茂市定の居合を習い後に谷村派の五藤正亮の居合を習ったと事実は解りませんが教え伝えています。両方の根元之巻を受けていた証しは無さそうです。
 解からない事に捉われず、古伝は古伝、現代居合は現代居合として理解することから得るものを得れば良いのだろうと達観しています。

 古伝の心持ちは英信流居合目録秘訣の上意之大事「両詰」で紹介しておきましたが振り返ります。
 「是又仕物抔言付られ又は乱世の時分抔には使者抔に行左右より詰かけられたる事間々これあるなりケ様の時の心得也尤其外とても入用也左右に詰かけられたる時一人宛切らんとするときはおくれを取るなり故に抜や否や左わきの者を切先にて突すぐに右を切るべし其わざ唯手早きに有亦右脇の者に抜手を留らるべきと思う時は右を片手打に切りすぐに左を切るべし」

読み
 これ又仕物など言い付けられ、又は、乱世の時分などには使者などに行き、左右より詰め懸けられたる事、まゝこれ有るなり、斯様の時の心得也。
 もっとも其の外とても入用也、左右に詰め懸けられたる時、一人宛て切らんとする時は遅れを取る也、故に、抜くや否や左脇の者を切先にて突き、直ぐに右を切るべし。
 その技ただ手早きにあり、又、右脇の者に抜き手を留めらるべきと思う時は、片手打ちに切り、直ぐに左を切るべし。

 この、古伝の教えは「其わざ唯手早きに有亦右脇の者に抜手を留らるべきと思う時は右を片手打に切りすぐに左を切るべし」に、奥居合の抜刀心持が集約されています。
 ゆっくり・大きく・正確にから、手早く、敵との場合を如何に処理できるか、現代居合の評価法では武術を理解するには不可能です。
 振り向いた時、敵は既に上段から打ち込んで来ているのです。 

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2017年5月 4日 (木)

曽田本その1の1神傳流秘書原文9抜刀心持之事9行連

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
9、抜刀心持之事
9)九本目行連
行連
 立って歩ミ行内二抜て左を突き右を切る両詰に同事也
読み
行連(ゆきつれ、ゆきづれ)
 立って歩み行くうちに 抜いて左を突き 右を切る 両詰に同じ事也
参考 両詰
 抜て片手尓て左脇を突き直二振向いて右脇を切る
 左脇へ抜打二切り付希左を斬る

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2017年5月 3日 (水)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く9抜刀心持之事8人中

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
9、抜刀心持之事
8)従是立事也 八本目人中
従是立事也
人中
 足を揃へ立って居る身二そへて上へ抜き手をのべて打込む納るも躰の中尓て納る
読み
是より立つ事也
人中(じんちゅう、にんちゅう、ひとなか)
 足を揃え立って居る身に添えて上へ抜き 手を伸べて打込む 納めるも体の中にて納める
読み解く
 この八本目からの業は立業である、と云います。従って抜刀心持之事の一本目向拂から八本目棚下迄は居業の教えです。

 足を揃え立って、刀を身に添えて上に抜き上げ、足を踏み込まず手を延ばして打ち込む、刀を納めるのも体の内で納める。

 謎めいた手附ですが、人中と云う業名に拘ってみればこれは人ごみの中での運剣操作の教えとも考えられそうです。
 刀を身に密着させて抜き上げるのは、人を傷つけない為の所作で、上に抜き上げ拝み打ちに打ち下ろすのです。

 大江先生による現代居合の奥居合立業の壁添そのものです。
壁添は両側狭い壁などの障害がある場合の運剣操作を理合としています。
 人ごみの中での運剣法は、大江先生の奥居合立業の袖摺返しが相当します。これは神傳流秘書の行違の替業を思わせ、業名は大小立詰の一本目袖摺返からの盗用でしょう。

 英信流居合目録秘訣では上意之大事に「壁添」という教えがあります。
壁に限らず惣て壁に添たる如くの不自由の所にて抜くには猶以腰を開ひねりて躰の内にて抜突くべし切らんとする故毎度壁に切あてかもいに切あてゝ仕損する也突くに越る事なし就中身の振廻し不自由の所にては突く事肝要」

読み
 壁に限らず、総じて壁に添いたる如く不自由の所にて抜くには、猶もって 腰を開き捻りて体の内にて突くべし 切らんとする故 毎度壁に切りあてゝ 仕損ずる也 突くに越したる事なし なかんずく身の振り廻し不自由の所にては 突く事肝要

 こちらは、壁や鴨居に切りあてるから突けと言っています。
これは業というより心得です。

 細川義昌先生系統と思われる白石元一先生の人中は「多人数の中にて前方の敵を斬る意」と言っています。
 神傳流秘書のような伝書が下村派に残り谷村派から出て来ない事や、大江先生の改変により古伝が失伝しているなどから、下村派こそ道統を引き継いだのではないかとの意見を聞いたことがあります。かといって下村派の実態は明治以降消えてしまったようです。
 夢想神伝流は、中山博道亡き後お弟子さん方が、師の教えをまとめたものでこれも正統とは言えそうもないようです。

 古伝の人中を壁添と想定違いの同一動作とすれば、人をかき分けて敵を追う袖摺返しは古伝の行違の替え業で大江先生独創した現代居合となる様です。

 人中の抜刀及び拝み打ちの足捌きは、爪先立って抜刀し、更に伸び上がって拝み打つように指導されます。こんな不安定な動作を要求する意味は何でしょう。抜刀はともかく拝み打ちはグンと踵を沈め膝をエマせば良い筈です。
 古伝「抜刀心持之事(格を放れて早く抜くなり 重信流)」と前書きされています。掟に縛られずに状況を見極め最も良い方法を素早く実施しなさいと、言っています。古伝なんか興味は無いなどと嘯く現代居合の武的演舞派には意味不明な要求事です。
 
 

 

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2017年5月 2日 (火)

曽田本その1の1神傳流秘書原文9抜刀心持之事8人中

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
9、抜刀心持之事
8)従是立事也 八本目人中
従是立事也
人中
 足を揃へ立って居る身二そへて上へ抜き手をのべて打込む納るも躰の中尓て納る
読み
是より立つ事也
人中(じんちゅう、ひとなか)
 足を揃え立って居る身に添えて上へ抜き 手を伸べて打込む 納るも体の中にて納める
 

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2017年5月 1日 (月)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く9抜刀心持之事7棚下

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
9、抜刀心持之事
7)棚下
棚下
 大森流逆刀の如く立て上へ抜打込む時躰をうつむき打込是ハ二階下様の上へ打込ぬ心持也
読み
棚下(たなした)
 大森流逆刀の如く 立って上へ抜き 打ち込む時 躰を俯き打つ 是は二階様の上へ打ち込めぬ心持ち也
読み解く
 此の業は、二階の下などの様に、上に打ち込むと天井に刀がつかえてしまう様な場所では、体を俯けて刀を前に抜出し打ち込む様にすると云って居ます。
「大森流逆刀の如く・・」は「向より切て懸るを先々に廻り抜打に切足を進んで亦打込み足踏み揃へ又右足後へ引冠逆手に取返し前を突逆手に納る也」の「先々に廻り抜き打つ」の部分をさしているのでしょう。
 相手の刀を摺り落す様に左肩を覆う様に上に抜き上げるのを、体を上に上げるのではなく前に俯けろと言うことでしょう。

 英信流目録秘訣によれば上意之大事の九番目に「棚下」が有ります。
「二階下、天井の下抔に於て仕合うには上え切あて毎度不覚を取物也故に打込む拍子に脺(そつ)を突いて打込むべしこの習を心得るときはすねをつかずとも上へ当てざる心持ち有」

 脺(せつ、そつ)は良くわかりません。この対裁きから類推すれば「打ち込む拍子に膝をついて打ち込むべし」とするのが妥当かと思います。原本の誤字と言ってしまえば簡単ですが有識者の判断にお任せせざるを得ません。

 現代居合では大江先生による奥居合居業の「棚下」でしょう。低い棚下や縁の下から抜け出して打ち込むとされたのは場の状況を限定した解釈によるものでしょう。
 棚下などから抜け出さずにその下で勝つ技法の稽古であったのでしょう。
大江先生も「頭を下げて斬る」と前書きされています。

 細川義昌系統と思われる白石元一先生の棚下「左足を十分後方に伸ばしたるまゝ退きて上体を前方に傾け(此時右足太ももに上体を接す)刀を左側にて抜き、直ちに振り冠り上体を起こすことなく前方の敵を斬る」

この場合斬るを突くとすることも工夫すべき事だろうと思います。

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2017年4月30日 (日)

曽田本その1の1神傳流秘書原文9抜刀心持之事7棚下

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
9、抜刀心持之事
7)棚下
棚下
 大森流逆刀の如く立て上へ抜打込む時躰をうつむき打込是ハ二階下様の上へ打込ぬ心持也
読み
棚下(たなした)
 大森流逆刀の如く 立って上へ抜き 打ち込む時 躰を俯き打つ 是は二階様の上へ打ち込めぬ心持ち也

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