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2017年5月14日 - 2017年5月20日

2017年5月20日 (土)

曽田本その1の1神傳流秘書原文9抜刀心持之事17抜打

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
9、抜刀心持之事
17)抜打上中下 以上十九本
 
 (暇乞三本)(格ノ低キ者二対スル黙礼ノ時。等輩二対スル礼ノ時。目上ノ者二対スル時ノ礼ノ時 曽田メモ)
読み
 抜打(ぬきうち)上中下(じょうちゅうげ)  以上十九本
 
暇乞三本(いとまごいさんぼん)(格の低き者に対する黙礼の時。等輩に対する礼の時。目上の者に対する時の礼の時。 曽田メモ)

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2017年5月19日 (金)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く9抜刀心持之事16虎走

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
9、抜刀心持之事
16)十六本目虎走
虎走
 居合膝二坐して居立って向へ腰をかゞめつかつかと行抜口の外へ見へぬ様二抜付打込納又右の通り腰をかゞめ後へ引抜付打込也
読み
虎走(とらばしり)
 居合膝に坐して居 立って向こうへ腰を屈め つかつかと行き 抜き口の外へ見えぬ様に抜付け打込み納む 又 右の通り腰を屈め後ろへ引き 抜付け打込む也
*
 居合膝は右足膝を立て左足を折り敷いた所謂現代居合の立膝か、左足膝を着き爪立った体構えか判りませんが、「坐し居る」ですから恐らく前者だろうと思います。
 この文面からこの業は、遠間のところに居る相手にも周囲の者にも気付かれない様に抜付けるのですから不意打ちの状態でしょう。掛け声すら掛けていないようです。上意打ちとも読めます。

 立ち上がり、腰をかがめ、つかつかと間に至り、「抜き口の外に見えぬ様に抜付」はどのようにするのでしょう。
 間に至れば、両手を刀に掛け右足を踏み込み首に抜き付け、即座に真向に振り冠って左足を踏み込み打ち下ろす。下から切り上げる。片手袈裟に切る。そしてその場で納刀。
 現代居合ではお目にかかれない抜刀術の妙を言うのかも知れません。或は、柄への手掛かりや抜き始めの柄頭の方向などに有る筈です。如何にも斬るぞとばかりに、抜打つ相手に柄頭を付けて抜き出すのでは、目的は果たせません。

 「」からの処は、現代居合の奥居合居業の八本目虎走の様に、目的を果たした処、討ち果たした相手の味方が前方より走り込んで来るのを、我は腰を屈め後退しつつ相手が間に至れば抜き付け、真向より打ち下し、納刀する。

 此の業のポイントは相手に接近する動作と、抜口を見せない抜き付けにあるのでしょう。
現代居合では失念した動作です。

 英信流居合目録秘訣の上意之大事の最初に虎走の心得があります。
「仕物抔云付られたる時は殊に此心得入用也其外とても此心得肝要也敵二間も三間も隔てて坐して居る時は直に切事不能其上同座し人々居並ぶ時は色に見せては仕損る也さわらぬ躰に向ふえつかつかと腰をかゞめ歩行内抜口の外へ見えぬ様に体の内にて刀を逆さまに抜きつくべし虎の一足の事の如しと知るべし大事とする所は歩みにありはこび滞り無く取合する事不能の位と知るべし」

読み
 「仕物など言い付けられたる時は、殊にこの心得入用なり 其の外とてもこの心得肝要なり 敵が二間も三間も隔てて座している時は 直ぐに切る事あたわず 其の上 同座し 人々居並ぶ時は 色に見せては仕損じる也 障らぬ躰に 向うへつかつかと腰を屈め歩み行くうち   抜き口の外へ見えぬ様に 体の内にて刀を逆さまに抜き付くべし 虎の一足の事の如しと知るべし 大事とする処は歩みにあり 運び滞り無く 取合いする事能えずの位と知るべし」

 ここでも「抜口の外へ見えぬ様に」とあり「体の内にて刀を逆さまに抜きつくべし」そして「虎の一足の事の如し」と言います。
 すでに、失伝している、下からの抜き付けでしょう。
 「同座し人々居並ぶ時・・」ですから、邪魔が入らないように刀に手を掛けるや否や抜刀し刃を下にし低く切り上げるのでしょう。甲冑を付けた股間を斬り上げるなどの刀法も有ったかもしれません。

 現代居合では不意打、闇打は無く、相手の害意を察して抜き付ける様に教えられています。それは教育上の中学生向きの事であって、古伝はしばしば不意打の心得を伝えて来ます。対敵との単なる仕合では無く、主命を帯びての役割を果たすべき心得も伝えているのでしょう。

 「大事とする所は歩みにありはこび滞り無く取合する事不能の位と知るべし」と言う処は、相手にも、廻りの者にも、気付かれないような歩み方に、ポイントがありといいます。
ドタバタ音を荒げた足踏みしたりするのは、古伝は嫌っています。

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2017年5月18日 (木)

曽田本その1の1神傳流秘書原文9抜刀心持之事16虎走

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
9、抜刀心持之事
16)十六本目虎走
虎走
 居合膝二坐して居立って向へ腰をかゞめつかつかと行抜口の外へ見へぬ様二抜付打込納又右の通り腰をかゞめ後へ引抜付打込也
読み
虎走(とらばしり)
 居合膝に坐して居 立って向こうへ腰を屈め つかつかと行き 抜き口の外へ見えぬ様に抜付け打込み納む 又 右の通り腰を屈め後ろへ引き 抜付け打込む也

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2017年5月17日 (水)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く9抜刀心持之事15放打

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
9、抜刀心持之事
15)十五本目放打
放打
行内片手二切納ては又切数きはまりなし
読み
放打(はなれうち・はなしうち)
 行くうち 片手に切り 納めては又切り 数極りなし
読み解く
 歩み行きながら、片手抜き打に切り納刀し、又片手抜き打ちに切り納刀する。これを何度も繰り返す業です。
 敢えて片手打と言っていますから、片手袈裟で敵の右肩下を抜き打ちに切る、と飛躍してもいいかもしれませんが、横一線の抜き付けでも、上に抜き上げ真向打ちでも、刃を返して下から切り上げてもいいかも知れません。

 これも英信流居合目録秘訣を探してみましたが、見当たりません。これは大勢の敵に詰められ我は一人の場合を想定しますが「片手打に切納刀し、又・・」ですから敵は前方から現れるのを切り倒し、刀を納める。するとまた敵が現れるのでそれを仕留めて納める。現代居合の惣留の業を思わせます。

 居合兵法極意巻秘訣に細道之事として
 「両脇難所道も無く行道一筋にて狭きを云うケ様の所にては敵は多勢我は一人の時は利をもとむべし其利は敵大勢有りとも我を前後左右取り廻す事能えず若敵前後より来る時は脇へ開て敵を向うに受我が左の方の敵に合うべし若脇に浅き川池などあらば飛込んで打べし我飛込と敵つづきて飛入物也其間を勝事大事也」
と心得を伝えています。

読み
 「両脇 難所 道も無く 行く道一筋にて狭きを云う 斯様の所にては 敵は多勢 我は一人の時は 利を求むべし 其の利は敵大勢ありとも我を前後左右に取り廻す事与えず もし敵前後より来る時は脇へ開いて敵を向こう(前面)に受け 我が左の方の敵に合うべし もし脇に浅き川池などあらば 飛び込んで打つべし 我れ飛び込むと敵は続きて飛び入るものなり 其の間を勝つ事大事也」
・ 
また「多勢一人之事」として「敵多勢我一人の時は地利を第一と心得べし地利あしくば敵を前一面にうくべしはたらき心得は我左の方の敵を目当てにたたかうべし敵後へ廻らば我も左の敵に付後へ廻るべし真中に取籠られば走りにぐべし敵一度に来ぬもの也其間に先立来る敵を打つべし幾度もにげては打つべし」

読み
 「敵は多勢我は一人の時は 地の利を第一と心得うべし 地の利悪しくば 敵を前一面に受くべし 働き心得は 我が左の方の敵を目当てに戦うべし 敵が後ろへ廻らば我も左の敵に付き 後へ廻るべし 真中に取り籠られれば 走り逃ぐべし 敵一度に来ぬもの也 其の間に  先に立って来る敵を打つべし 幾度も逃げては打つべし」
*
この、居合兵法極意秘訣を読んでいますと、宮本武蔵の五輪書の水之巻多敵の位などが、浮んで来ますが、柳生但馬守の兵法家伝書や宮本武蔵の五輪書や兵法35箇条などは時代的には、参考に読まれたり聞いていたかも知れません。

 細川義昌先生の系統と思われる白石元一先生の放打(暗夜前方より来る敵を抜き打ちに数名連続斬る意)
 「・・右足を出すと同時に右斜前の敵に対し抜き打ちに右片手にて斬り付け(やや半身となる)直ちに納刀と同時に左足を右足に揃え一足となり、更に第二に現れたる敵に対し前と同様斬りつけたる後納刀。又第三の敵に対して斬りつけ納刀(同時に足も一足となる)」

 古伝に業名は忠実です、動作も古伝を思わせます。
 
 放打は、何故か敵を切る度に納刀します。ある竹刀剣道の先生「なぜ一々納刀するのか意味が解らん」

ある大家の教書に、居並ぶ者の首を次々にはねる業とか、何処から聞いて来たのか不思議が一杯の教えです。
 片手袈裟の斬撃を繰り返し稽古する中から、この業の意義を知りたいと思います。 

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2017年5月16日 (火)

曽田本その1の1神傳流秘書原文9抜刀心持之事15放打

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
9、抜刀心持之事
15)十五本目放打
放打
行内片手二切納ては又切数きはまりなし
読み
放打(はなれうち・はなしうち)
 行くうち 片手に切り 納めては又切り 数極りなし

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2017年5月15日 (月)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く9抜刀心持之事14五方切

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
9、抜刀心持之事
14)十四本目五方切
五方切
 歩ミ行内抜て右の肩へ取り切又左より切又右より切又左より切段々切下げ其侭上へ冠り打込也
読み
五方切(ごほうきり)
 歩み行く内に 抜きて 右の肩へ取り切り 又左より切り 又右より切り 又左より切り 段々切り下げ そのまま上へ冠り打込む
*
読み解く
 此の業は現代居合の「惣捲」のようです。
 大江先生の「惣捲り」では、「抜て右の肩へ取り」は間境で右足を踏み出し刀を前に抜出し、右足を引いて八相に構える。
 そして右足を踏み込み、①右から相手の左・②左から相手の右・➂右から相手の左・までの斬り付けです。上段に振り冠って真向に切下します。
 古伝は更に④左から相手の右と「段々切げ」ですから「左面・右肩・左胴・右膝」に歩み足で追い込みながら切り付けて行く。
 この際相手は、我が切込みを刀で受けつつ下がるも、外しながら下がるも、切られつつ下がるもありでしょう。
 「其儘上へ冠り打込」ですから、四刀目の切り付けは左足を踏み込み十分切り払って右から上段に振り冠り右足を踏み込んで打ち込むでしょう。

 英信流居合目録秘訣によれば「惣捲形十」としてあります。
「竪横無尽に打振て敵をまくり切る也故に形十と有也常に稽古の格には抜打に切り夫より首肩腰脛と段々切り下げ又冠り打込也」

読み
 総捲形十(そうまくりかたじゅう)
「縦横 無尽に打ち振りて 敵を捲り切る也 故に形十と有り 常に稽古の格(決まり)には 抜き打ちに切り それより 首肩腰脛と段々切り下げ 又 冠り打込む也」

 ここに「惣捲」の文言があるのでそれを大江先生は業名に引き継いだのでしょう。現代居合の惣捲は左面・右肩・左胴・右腰・真向です。空間刀法の切り替えしです。

 細川義昌先生の系統の白石元一先生の「五方斬」
「右足を出すと同時に左側にて刀を大きく抜くや直ちに上段に取り、先ず右袈裟がけに斬り振り冠り続いて左袈裟掛けに切り、返す刀にて右より胴を払い腰を落して左より足を払い、再び立姿となり右方より上段に取り真向に斬り下ろす」

*それぞれ大いに稽古して見るものです。現代居合は形を限定していますがそれは、大会や審査の形と割り切って確実にそれを演じられることも必要でしょう。

 古伝は一方的に捲り切りして居る様ですが、現代居合の惣捲は、相手に先を取られ、撃ち込まれたのを外して左面に打ち込む・・いい業です。

 古伝の文章を読んでいますと、決して八相から上段に冠り直して斜め切りしていません。構えは通過点に過ぎず体を右に左に筋を替えつつ打ち込んでいるようです。「段々切下げ其侭上へ冠り打込也」と最後は上段に冠って真向に切り下すのです。これは現代居合が明治以降の竹刀剣道に侵されて失伝している運剣法です。

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2017年5月14日 (日)

曽田本その1の1神傳流秘書原文9抜刀心持之事14五方切

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
9、抜刀心持之事
14)十四本目五方切
五方切
 歩ミ行内抜て右の肩へ取り切又左より切又右より切又左より切段々切下げ其侭上へ冠り打込也
読み
五方切(ごほうきり)
 歩み行く内に 抜きて 右の肩へ取り切り 又左より切り 又右より切り 又左より切り 段々切り下げ そのまま上へ冠り打込む

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