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2017年6月4日 - 2017年6月10日

2017年6月10日 (土)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く10夏原流和之事1捕手和之事4附入

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
10、夏原流和之事
1)捕手和之事
四本目附入
附入
 如前歩ミ寄っ亭右の手二亭相手の胸を突阿於の希ニた於春也
読み
附入(つけいり)
 前の如く歩み寄って右の手にて相手の胸を突き仰のけに倒す也


読み解く
 相手が坐す処へ、我はスカスカと歩み寄り、右足を踏み、左膝を着くや右手で相手の胸を突き仰向けに倒す。
 随分単純な業です、如何に捕縛に来たと気付かれずに間に入れるかがポイントでしょう。倒した後の始末が書かれていません。当然相手の反撃も有ろうかと思います。
 この業の返し業は六番目の本手之移として相手が附入を外す業が四本目変之弛(へんのはずし)に有ります。
 「附入の業にて突倒さんとするを体を開後へ送る也」要するに筋変えに外せと言うのでしょう。
 夏原流和之事も形ではない事を示唆しています。業の想定を習い稽古し工夫し自由自在に応じられる様に組み立てられています。
 生真面目な知ったかぶりの大人は形を演じられれば変化に容易に対応できると云うのですが、人は自分が危ない場合は本能的に予期せぬ防御と思わぬ攻撃をしてくるものです。約束事の形にこだわれば踊りになってしまいます。

 剣友に合気の達人が居ます。居合を始めて5、6年で英信流の業を全て修得しています。いつの間にか合気の捌きがコラボとなって独特の動作も垣間見られます。それでは元の形は、と問えばすらすらと演じてくれます。
 人が人と対する事は、得物が有る無しに関わらず、武術における人の動きは同じ事なのでしょう。
 相手の居ない居合による運剣動作しか知らない剣士でいたのでは前に進めそうもありません。組太刀・棒・和の手附を齧ってみれば何かに気付く筈です。

 ○×式の試験問題を記憶力を頼りにこなしてきた者には、決められた形がないと不安で仕方がないのでしょう。昇段審査や競技会の課題や演武は形でしょう。課題が変わっただけで悲鳴を上げる情けない指導者が多すぎます。「俺が習った形と違う」だそうです。
 そして、毎年指導要領が変わって困ると言う範士十段も居たりして、平和で戦う事も無い時代のなせる事かも知れません。

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2017年6月 9日 (金)

曽田本その1神傳流秘書原文10夏原流和之事1使者捕4附入

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
10、夏原流和之事
1)捕手和之事
四本目附入
附入
 如前歩ミ寄っ亭右の手二亭相手の胸を突阿於の希ニた於春也
読み
附入(つけいり)
 前の如く歩み寄って右の手にて相手の胸を突き仰のけに倒す也
 

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2017年6月 8日 (木)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く10夏原流和之事1捕手和之事3弓返

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
10、夏原流和之事
1)捕手和之事
三本目弓返
弓返
 相手坐処へ如前歩ミ寄って左の手二て相手の左の手を取り右の手にて相手の小太刀の柄を取て脇へねぢた於し其柄を右之足二て歩ミ向の小手をかためたる時相手右の手をもって打込むを我も右之手二て留左の手を相手のひぢ尓そゑ亭うつむ希ニ引直し堅める
読み
弓返(ゆみかえし)
 相手坐す所へ 前の如く歩み寄って 左の手にて相手の左の手を取り 右の手にて相手の小太刀の柄を取って 脇へねじ倒し 其の柄を右の足にて踏み 向うの小手をかためる時 相手右の手をもって打ち込むを 我も右の手にて留め 左の手を相手の肘に添えて俯きに引き直し堅める
読み解く
 相手坐す処へすかすかと歩み寄って、腰を屈め左の手で相手の左手首を取り、右手で相手の小太刀の柄を取って、左に廻り左脇にねじ倒し、柄で相手の左手を押え右足で柄を踏み付け相手の小手をかためる。
 相手右手で打ち込んで来るのを右手で受け留め、手首を取り、左手を相手の右肘に添えて、うつむけに引き直しかためる。

 弓返の意味が解らなかったのですが、矢を射た後、弦を前にくるりと返すあの雰囲気でしょう。相手を左脇にねじ倒し、右に引き直す動作を弓返しに譬えたのでしょう。

 

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2017年6月 7日 (水)

曽田本その1の1神傳流秘書原文10夏原流和之事1捕手和之事3弓返

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
10、夏原流和之事
1)捕手和之事
三本目弓返
弓返
 相手坐処へ如前歩ミ寄って左の手二て相手の左の手を取り右の手にて相手の小太刀の柄を取て脇へねぢた於し其柄を右之足二て歩ミ向の小手をかためたる時相手右の手をもって打込むを我も右之手二て留左の手を相手のひぢ尓そゑ亭うつむ希ニ引直し堅める
読み
弓返(ゆみかえし)
 相手坐す所へ 前の如く歩み寄って 左の手にて相手の左の手を取り 右の手にて相手の小太刀の柄を取って 脇へねじ倒し 其の柄を右の足にて踏み 向うの小手をかためる時 相手右の手をもって打ち込むを 我も右の手にて留め 左の手を相手の肘に添えて俯きに引き直し堅める

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2017年6月 6日 (火)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く10夏原流和之事1捕手和之事2砂乱

曽田本その1
1、神傳流秘書を読み解く
10、夏原流和之事
1)捕手和之事
二本目砂乱
砂乱
 相手坐し居る処へ我は立って歩ミ行使者捕の如く引た於さむとする相手た於禮之と春るを支ニ左の手二亭突たおし扨右足を相手の肩へ歩ミ込ミうつむけ二直しかたむる也
読み
砂乱(さみだれ)
 相手坐し居る処へ 我は立って歩み行き 使者捕の如く引き倒さんとする 相手倒れじとするを機に 左の手にて突き倒し 扨 右足を相手の肩へふみこみ俯けに直し固る也
参考
 「使者捕の如く引た於さむとする」・・・楽々坐したる時向の右の手を我が右之手二亭取り向の右の膝を足二亭踏我が脇へ引た於してかたむるなり
読み解く
 相手が座している処へ我は立ったまま、すかすかと近付き、腰を屈め相手の右手首を右手で取り、右脇に引き倒そうとするところ、相手は倒されまいと後ろに反るを機に、左手で相手の胸を突き倒し、反身になるところを右足で相手の右肩を踏みつけうつむけに直し固める。

 これも、我から一方的に攻め込んでの捕り物です。居合は相手の無い仮想敵による空間刀法ですから、いつでもどんなへぼでも独りよがりで勝つことはできますが、和は相手次第ですからそうもいきません。
 仲間といろいろ研究して見てはいかがでしょう。この古伝の指定する方法を変えずに試す事が大切で、古伝の要求事項を違えてしまうと、相手との攻防の機や拍子を学べなくなってしまうかもしれません。
 たとえば、相手の右手を我が右手で取るのですが、相手の右手の何処という指定はないのです。最も有効な所は手首なのか、肘なのか、前腕なのか・・。

 使者捕では右手で相手の右手を取っていますが、同じ様に左手で相手の右手を取ったならばどうなるのか、広義に解釈することもできます。

 右足で相手の肩への踏み込みは何処なのか・・。仰向けに反った相手をどのように俯けに直すのか・・。
 夏原流の解説はどこにもありませんので、素手に依る古武術などを参考に研究され復活されればと思います。
 結果が出れば間違いないと云えるでしょうが、古伝の体捌きは現代人が忘れている事も多く、本気で取り組まなければあらぬ方に向って行っているかもしれません。

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2017年6月 5日 (月)

曽田本その1の1神傳流秘書原文10夏原流和之事1捕手和之事2砂乱

曽田本その1
1、神傳流秘書原文
10、夏原流和之事
1)捕手和之事
二本目砂乱
砂乱
 相手坐し居る処へ我は立って歩ミ行使者捕の如く引た於さむとする相手た於禮之と春るを支ニ左の手二亭突たおし扨右足を相手の肩へ歩ミ込ミうつむけ二直しかたむる也
読み
砂乱(さみだれ)
 相手坐し居る処へ 我は立って歩み行き 使者捕の如く引き倒さんとする 相手倒れじとするを機に 左の手にて突き倒し 扨 右足を相手の肩へふみこみ俯けに直し固る也
参考
使者捕
 楽々坐したる時向の右の手を我が右之手二亭取り向の右の膝を足二亭踏我が脇へ引た於してかたむるなり
読み
 使者捕の如く引き倒さんとする:楽々坐したる時 向うの右の手を我が右の手にて取り 向うの右の膝を足にて踏み 我が脇へ引き倒して堅むるなり
 

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2017年6月 4日 (日)

曽田本その1の1神傳流秘書を読み解く10夏原流和之事1捕手和之事1使者捕

曽田本その1
1.神傳流秘書を読み解く
10、夏原流和之事
1)捕手和之事
一本目使者捕
使者捕
 楽々對し坐したる時向の右の手を我が右の手二亭取り向の右の□(膝)を足に亭踏我が右脇へ引た於してかたむる也
読み
使者捕(ししゃほ・ししゃとり)
 楽々(らくらく)対し坐したる時 向うの右の手を 我が右の手にて取り 向うの右の膝を足にて踏み 我が右脇へ引き倒して固るなり
読み解く
 楽々は相変わらず意味する処は良くわかりません、草書体の楽の文字ですから、ほぼ間違いはない読み方でしょう。
 座仕方ですがここには居合膝とも正座とも指定が有りません。自然体で楽に座すのでしょう。
 三項目の小具足、五項目の小具足割は「左の膝を付き右の膝を浮けて折る八文字に座す」ですから居合膝を指定して居ます。二本目立合、四本目後立合は立っての事です。
 
 この古伝を土佐に伝えたのが第九代目林六太夫守政です。守政は大森流正座を取り入れていますから、第七代長谷川英信の頃に居合和集された夏原流和は、戦国期の面影を残すもので、全て居合膝かも知れません。
 此の業を稽古して見て居合膝でも正座でも出来ると、思います。

 楽々座して相対して居る時、我が方から腰を上げ相手の右手首を右手で取り、右足を踏み込んで相手の右膝を踏み付け、右脇に引き倒しかためる。

 此の業は、我が方から一方的に仕掛けています。それは此の業が捕手和之事使者捕と云う業名に由来します。
 主命を請けて捕り物に行き、取り押さえる事が役目だからです。そうであれば相手を警戒させない楽々座すことも、此方から隙をみて仕掛ける事も納得できるものです。

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