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2018年1月 1日 (月)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻6大森流居合之位7順刀

曽田本その1
2.英信流目録読み解く
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
6、大森流居合之位
 
七本目順刀
 是盤坐してる前のものを切る心持奈り我其侭右より立春つと引抜か多より筋違二切也是も同之く跡者春ねへ置き逆手尓とり納ㇽなり
読み
七本目順刀(じゅんとう)
 是は 坐したる前の者を切る心持なり 我其の侭右より立 すっと引抜き 肩より筋違いに切る也 是も同じく跡は脛へ置き逆手に取り納る也

読み解く
 大森流の七本目ですから、是は無双直伝英信流の正座の部「介錯」だろうと摺り込まれています。然し英信流目録も古伝神傳流秘書も介錯らしき文言が見当たりません。

 是は、坐している前のものを切る心持ちなり、我は座したるまま、右足を踏み出して立ち上がり、スッと刀を引き抜く、肩より筋違いに切る(斜めに切る、八相に切る、真向ではなく刃筋を斜めに切る)。
是も同じく(流刀・受流の様に)刀を脛に置き逆手に取り納刀する。

古伝の神伝流秘書を読み直してみましょう。
順刀:右足を立左足を引と一処に立抜打也又は八相に切跡は前に同じ

 この神傳流秘書にある「順刀」を「介錯の仕方」として読む事は出来ません。何故ならば右足を踏み出し、左足を引くや刀を抜いて抜き打っています。此の動作は「後の先」の見事な抜打でしょう。どこかで此の順刀の意義が変化してしまったとしか思えません。


 是は、何を目的に想定した動作か解かりません、伝承された口伝口授が現在の介錯なのかと動作から推察するばかりです。
 英信流目録には「是は坐したる前のものを切る心持ちなり」と場づくりがされて居ます、それでは介錯かもしれない、と思ったりします。
 土佐の居合は介錯を頼まれたら断れと云って居ます。何故なら介錯の稽古などした事も無いと言います。それを現代居合は介錯だからとそれらしく学び、学んだのに演武会ではやってはならないと無駄な稽古をさせられています。


第17代大江正路先生の「剣道手ほどき」には大森流居合七番目は介錯と呼称されています。
介錯
 正面に向きて正座、右足を少し前へ出しつゝ、刀を静に上に抜き、刀尖が鞘と離るゝや右足を後へ充分引き、中腰となり、刀を右手の一手に支へ、右肩上にて刀尖を下し、斜の形状とす、右足を再び前方に出し上体を稍前方に屈し刀を肩上より斜方向に真直に打下して、前の首を斬る。血拭は足踏の儘六番と同じ様に刀を納む。


 これは、明らかに介錯の動作です。「前の首を斬る」とまで言っています。

 古伝は介錯らしき文言が見られません。
 その上足捌きは大江先生の介錯とは異なり、古伝神傳流秘書では「右足を立左足を引と一処に立抜打也」と抜き打ちを示唆しています。
 英信流目録の「肩より筋違いに切る也」を筋を替って斬り下すと解釈すれば、闘争の太刀裁きが見えてきます。

 この業はやはり介錯ではないかも知れない、と思い始めています。大森流居合之位七本目の業は動かぬ者を斬るでは業の構成が腑に落ちません。
  一方で、介錯される者が心の準備が出来たと察知するや、スッと立つと同時に打ち込む様な気もしています。

 そう、教えられ刷り込まれたものは簡単には抜けないものです。

 

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コメント

ミツヒラ先生

あけましておめでとうございます
今年もよろしくお願いいたします

私見ですが、秘書では「順刀」、敵の動きに順じて後の先、
次の現代居合附込が秘書では「逆刀」、後の先から逆に先を取る後の先、先。
やはり介錯より、大森流のメソッドの流れからは一対一の対敵の基本としての後の先、後の先々(逆刀(附込))と解釈しております。

玄さま
コメントありがとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
新年早々介錯でも無いでしょうから仰るように右足を踏み出して攻撃態勢をとった所敵の打込みが速いので刀を抜上げると同時に一歩下がって間を外し踏み込んで抜き打つとしか古伝は読み取れませんね。
現代居合は大江居合ですからそれはそれでいいでしょう。でも土佐の居合としては変ですね、首きりの稽古など出来ないから介錯を断れと云っているのにです。
          ミツヒラ

投稿: 玄 | 2018年1月 1日 (月) 14時52分

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