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2018年1月21日 (日)

曽田本その1の3業附口伝読み解く1太刀打之位6水月刀

曽田本その1の
3業附き口伝読み解く
1、太刀打之位
 
六本目月影(仕中 打八)
是モ相掛リニテモ敵待カケテモ不苦敵ノ眉間へ我太刀ノ切尖ヲ指付ケスカスカト行也敵我太刀ヲ八相二カケテナグル也其時我スグ二カムリテ後ヲ勝也
読み
 是も相掛りにても敵待ちかけても苦からず 敵の眉間へ我が太刀の切尖を指し付けスカスカと行く也 敵我が太刀を八相に掛けて撲る也 其の時我すぐに冠りて後を勝也
読み解く
 月影の時、仕は打の首に打込み勝ちを得たならば、打が正眼に構えるにつれ相正眼となって五歩引き、仕はそのまま正眼(中段)、打は左足を踏み替え八相となる。
 是も打は正眼となった位置で五歩引かず、仕のみ五歩引くのでもよい。と言っていますが、相掛に歩み寄る稽古をしておきましょう。
 居合いばかりの場合は、想定による空間刀法に慣れて、進行中の間境での操作とか間に入っての動作などをしっかり身に着けるには相掛がよさそうです。
 打が待ち受けるのは、仕が初心のため間の感覚が乏しい時の稽古と考えた方が良いかも知れません。
 打は常に同じ歩行スピードではなく動きに緩急を付けるといいでしょう。
 此の水月刀は中段に構え打の眉間あるいは喉元に切先をつけてスカスカと歩み行く、打は八相に構え左足からスカスカと歩み寄る。
 仕が左足で間を越して右足を踏み込み突かんとする処、打は八相から斜めに是を払う。
 仕は払われるを機に、左足を左斜めに踏み込右足を左足後ろに引いて筋を変え同時に上段に振り冠って打の頭部を打つ、又は打たんとして圧する。

 此の業の替え技で、仕は打に払われるを機に「すぐにかむり」の所、冠らずに筋をはずすや打の首に太刀を押し付け引き切る、のを見ました。
 あるいは打が八相に殴ってくるのを、太刀を振り上げてはずす、下段に下げてはずすなど変化はいくつもあるでしょうが、ここは仕は中段の構えをしっかり身につけ、間と間合いを知ることでしょう。
 打は遠間・近間と払う間を変化させて見る、あるいは殴り捨てる様な払方、筋を外す程度の払い方など稽古のネタはいろいろでしょう。

古伝神傳流秘太刀打之事六本目水月刀

 相手高山或は肩遣方切先を相手の面へ突付て行を打太刀八相へ払ふ処を外して上へ勝つ或は其儘随て冠り面へ打込み勝も有り

 打太刀上段或は八相に構え待つ、遣方青眼に構え切先を打太刀の面へ突きつけてするすると間境を越して打太刀の面に突きこんで行く、打太刀思わず八相に払う処、遣方左手を上げて切っ先を下げ、これを外し左足を左前に踏み込み右から上段に振り冠って右足を踏み込み打太刀の真向を打つ。
 あるいは、払われるに随って、左足を左前に踏み込み巻き落とすように上段に振り冠り右足を踏み込み打太刀の真向を打つ。

 業附口伝と同じ業ですが「八相に払う処を外して上へ勝つ・・・」と、「八相にかけてなぐる也その時我はすぐにかむりて後を勝也」との文言の違いです。古伝はいくつもの変化を考えさせてくれます。

嶋 専吉先生の水月刀
 「仕中段・打八相 立合ひ相掛りにて進み仕太刀は(打太刀の眉間に剣尖を擬しつゝスカスカと前進)間合にて一歩踏出して打太刀の眉間を突く、打太刀は八相より、その刺突し来る仕太刀の刀を打払ふ、このとき仕太刀は左足を左方に踏み開き更に右足を進め打太刀の面に打下す。(打太刀に払はるゝや「仕太刀直に冠りて後を勝つなり」とせるもあり、此場合仕太刀は刀を払はるゝや左足を左方に踏み開き右足を一歩踏出して振冠り残心を示す姿勢となる)刀を合せ五歩後退し血振、納刀。」

 ここは、敵に我が太刀を払わせることが大切な処です。
突き手を一瞬留めて打たせる、そのまま突いていく、など、太刀打之位の「形」を「かたち」として申し合わせで演ずるばかりで、古伝の「八相に払ふ所を外して・・」とか「其儘随って冠り・・」などの工夫しなさいと言う教えを「特定の形」にしてしまい、武的演舞を良しとしてしまう事を考えさせられます。

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