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2018年1月23日 (火)

曽田本その1の3業附口伝読み解く1太刀打之位7絶妙剱

曽田本その1
3業附き口伝読み解く
1、太刀打之位
 
七本目絶妙剱(仕下 打八)
    (山川先生ノ秘書二ハ独妙剱トアリ
 是ハ我前ヘ切尖ヲ下ケテスカスカト行キ場合ニテ互二拝ミ打二討也敵ト我トハ拳ト拳ト行合其時スグニ面ヘ柄頭ヲ突込テ勝也
 相掛リニテモ敵待チカケテモ不苦我鍔ゼリトナルヤ右足ヲドント踏ミ直二左足ヲ踏ミ込ミテ敵ノ拳ノ下ヨリ人中二當テル打ノ構へ不明ナルモ八相ナラン
読み
 七本目絶妙剣(仕下 打八)(ぜつみょうけん しげ だはち)
     (山川先生の秘書には独妙剣とあり  曽田メモ)
 是は 我 前へ切尖を下げてスカスカと行き 場合にて互に拝み討ちに打つ也 敵と我とは拳と拳を行き合う 其の時直ぐに面へ柄頭を突き込みて勝也
 相掛りにても敵待ち掛けても苦からず 鍔競りとなるや 右足をどんと踏みすぐに左足を踏込みて敵の拳の下より人中に当てる 打の構え不明なるも八相ならん
参考 
 神傳流秘書太刀打之事七本目独妙剣
  相懸也打太刀高山遣方切先を下げ前に構え行場合にて上へ冠り互に打合尤打太刀をつく心持有柄を面へかへし突込み勝
読み解く

 この業は神傳流秘書では独妙剣と云う業名でした。次の独妙剣が絶妙剣で業名が入れ替わっています。政岡先生の無双直伝英信流居合兵法地之巻では7本目は絶妙剣ですから政岡先生のテキストは「文政2年山川幸雄述坪内長順記神傳流秘書による」曽田本と異なる神傳流秘書が在ったのかもしれません。

 古伝の形を打つ場合「伝○○より」と言うのもいただけませんが、「順番が違う」「業名が違う」など直ぐに言い出す人も居るでしょう。謂れを述べてからべき自論を言うべきもので、知ったかぶりは良くありません。ちょっと覚えておきたい事です。

 是は仕は下段に構え、打は八相(神傳流秘書では高山ですから上段でも良いと思います)。
 スカスカと歩み行き場合いにて互いに拝み打ちに討つ(ここは仕も間境で下段から打の喉を突くように剣先を上げて上段に振り冠るのです。「互いに拝み打ちに討つ」ですから真向に打ち合うのです。

 古伝はスカスカ歩み行くのです。
 号令によって、駆け足で突っ込んでいく歩兵の突撃をこの時代後生大事に学ぶ必要は無いでしょう。
 
 太刀が触れ合った所(双方の中央上、物打付近)で相打ちとし、右足を踏み込んで拳と拳を押し合い鍔競合となる。鍔競合いとなるや仕は右足をドンと踏み直し左足を踏み込んで打の拳の下から柄を押し上げて打の人中(鼻と口の間の筋)に柄当てする。

 この業も打は元の位置に待っていても良いと言っています。ここでは相掛として間を十分研究して置こうと思います。

 打の柄を下から押し上げるには、、右足をその場でドンと強く踏みたて弾みを付けて体を低め左足を踏み込むや打の右柄手の下から柄を押し上げるようにし、打の反る処、人中を突く。

 この右足をドンと踏み直すのは相手の気を奪うとも云いますが、馴れ合い形打ちでは効果はありません。
 背丈の関係もあるでしょうから相手を変えて、背が高かろうと低かろうと稽古しておくのも良いでしょう。相手の懐深く入って下からの攻めは有効です。

神傳流秘書を読む5.太刀打之事七本目独妙剣(2014年10月22日)

 相懸也打太刀高山遣方切先を下げ前に構え行場合にて上へ冠り互に打合尤打太刀をつく心持有柄を面へかへし突込み勝


 打太刀上段、遣方「切先を下げて」は下段に構え、互いにスカスカと歩み寄る、遣方切先を打太刀の喉を突き上げるように上段に振り冠り、双方真向に打合、拳を合わせ押し合い、打太刀退かんとするのに乗じて、遣方右足を踏み込んで柄を突き上げて打太刀の顔面に突き当て勝。打太刀の退かんとするに乗じた面への突き上げとしましたが、拮抗した鍔迫り合いを、遣方右足をどんと踏み込みその拍子に柄頭を突き上げ左足を踏み込んで打太刀の顔面を打つのも一つです。
 押し合いの拍子を利用して下から相手の腕をかち上げる事も出来るでしょう。

 この業は後に出てくる詰合の八本目眼関落に同じと言えます。ここで稽古しておきます。
 「眼関落:是も互いに立ち敵も我も真向へかむり相懸りにてスカスカと行き場合にて互に拝み打に討也其の時敵の拳と我拳と行合也其時我すぐに柄頭を敵の手元下より顔へはね込み勝也(右足をドンとふみ急に左足を踏み込む也)互に五歩退り納刀以下同じ」

嶋専吉先生の絶妙剣

「仕下段・打八相 互に進み間合にて双方拝打に撃下し次で鍔競りにて互に押し合ひ、力を弛めし瞬間仕太刀は右足にて大地を踏み付け同時に左足を一歩相手の右側に踏込み相手の両拳下より人中に柄當てを行ふ。互に刀を合せ五歩退き血振ひ、納刀す。」

 絶妙剣の意図する処は何処でしょう。
打の上段(業附口伝八相・古伝は高山・嶋先生八相)からの拝み打ちに、仕は下段から打の喉を突き上げて制する、は相打となる可能性が高そうです。
 仕は摺上げで打の拝打ちを鍔で受けて鍔競り合いに持ち込む。
 鍔競り合いからの勝ち口を教える、など幾つも考えられます。
 古伝は、鍔競り合いに致る運剣については明確に述べていません。
 
 双方当初の構えから上段に取って合し打ちで相打ち、合し打ちをマスターした方がそこで勝負あり。
 合し打ちが出来ない、業が不十分ならば刀と刀が受け太刀となるので、敢えて少し受太刀に持ちこみ鍔競り合いから勝とした方がよさそうです。真向打ち合って、双方の真中で相打ちなどは不自然です。
 真向打ち合い相打ちの手附が英信流の形にまま見られます。古傳が伝えきれていない合し打ちは、自ら学ぶ以外に無さそうです。不自然なセンター合わせの相打ちは疑問です。

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