曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻6大森流居合之位8逆刀
「逆刀」とは、第17代大江正路先生の無双直伝英信流居合正座の部八本目附込でしょう。
この業手附からどの様に仮想的を想定するかによって動作は変わるでしょう。習い稽古した附込の動作などはこの古伝では少し忘れて見るのもいいでしょう。
これは座して居る処、敵の害意を察して、我は機先を制して右足を踏み立て、すっと立つなりに刀を上に引き抜き、振り冠るや左足を踏み込んで敵に拝み打ちに打ち込み、敵制せられ退く処、右足を踏み込み二刀目と続けて打ち込み右足に左足を揃える。右足を引いて同時に上段に振り冠る。
右足脛を着き太刀を上段から「そろり」と下ろし正眼となる。柄を右手で逆手に取り、刀の棟を押さえ太刀の刃を上に向けて、左手の上を滑らす様に柄を手前に「そろり」と引き、逆手で納刀する。
初発刀よりここまでは納刀の時脛を着く也。
古伝の逆刀による動作は想定がありませんから、演じる者が自ら想定すれば良いのですが、やはり習い覚えた剣理・意義の呪縛は付いて廻り、動作もそれにひきづられます。
足捌きも、追い足・継ぐ足・歩み足どれでも相手との間しだいでしょう。
残心での動作は充分に敵を制して居るとして「そろり」という、静かに、ゆっくりとした動作を要求しています。
素早い動作により充分敵を制する事で、その後は「そろり」。
二刀で充分敵を両断しているので、この打ち下ろしのフィニッシュも両足を揃えた結び立ちです。
最近は追い足捌きで二刀目を打ち込んでいますから「そろり」と残心をせずに、倒した敵に目付け鋭く「まだ来るか」とばかりに威嚇する上段振り冠りの動作がほとんどです。
なお、初動は敵の機先を制するとしましたが、伝承されるように打ち込まれ摺り落とし打ち込む、も充分ありでしょう。神傳流秘書では「向より切て懸るを先々に廻り抜打に切」その様です。
英信流目録では、この先に仕掛けられたところが抜けていますので、我から先に仕掛けるとも取れます。座した敵に先に仕掛ける「逆刀」いや「附込」をイメージするのです前回の順刀」のようになってしまいそうです。
古伝神傳流秘書大森流之事八本目「逆刀」
「向より切て懸るを先々に廻り抜打に切右足を進んで亦打込み足踏揃へ又右足を後へ引冠逆手に取返し前を突逆手に納る也」
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