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2018年2月12日 (月)

曽田本その1の3業附口伝読み解く2詰合之位7燕返

曽田本その1
3業付口伝読み解く
 
2、詰合之位
 
七本目燕返(仕立 納 打左上段)
 是ハ敵モ我モ立ツ也敵ハ刀をヲ抜テカムル我ハ鞘二納メテ相掛リニテ行ク也場合二テ敵我面へ打込ム也我其時右片手ニテ抜キ頭上ニテ請ケスグ二左手ヲ柄二添へ打込ム也敵表ヨリ八相二拂フ也我又スグニカムリテ打込ム也敵スグニ裏ヨリ八相二拂フ也我又スグニカムリテ敵ノ面へ打込ム也(左足ヲ一足踏ミ込)其時敵後へ引我空ヲ打ツ也其時我切尖ヲ下ゲ待也敵踏ミ込ミテ我真向へ打込也我其時左足ヨリ一足退リ空ヲ打タセ同時二カムリテ一足踏込ミ敵ノ面へ勝也
互二五歩退リ納刀後再ヒ刀ヲ抜キ相上段ニテ次二移ル
読み
七本目燕返(つばめかえし)(仕立納 打左上段)
 是は敵も我も立つ也 敵は刀を抜て冠る 我は鞘に納めて相掛りにて行く也 場合にて敵我が面へ打込む也 我其の時右片手にて抜き頭上にて請け 直ぐに左手を柄に添へ打込む也 敵表より八相に払う也 我又直ぐに冠りて打込む也 敵直ぐに裏より八相に払う也 我又直ぐに冠むりて敵の面へ打込む也(左足を一足踏み込む) 其の時敵後へ引き我空を打つ也 其の時我切尖を下げ待つ也 敵踏み込みて我が真向へ打込む也 我其の時左足より一足退がり空を打たせ同時に冠て一足踏み込み敵の面へ勝也
互に五歩退がり納刀後 再び刀を抜き相上段にて次に移る
古伝神傳流秘書詰合「燕返」
相手高山我ハ抜か春して立合たる時相手より打込むを我抜受二請る相手引を付込ミ打込相手右より拂ふを随って上へ又打込拂ふを上へ取り打込扨切先を下げて前へかまへ場合を取り切居処へ相手打込を受流し躰を替し打込勝又打込ま須冠りて跡を勝もあり
読み
燕返(つばめかえし)
 相手高山 我は抜かずして立合いたる時 相手より打ち込むを抜き受けに請ける 相手引くを付け込み打ち込む 相手右より払うを随って上へ又打ち込む  払うを上へ取り打ち込む 扨 切先を下げて前へ構え場合を取り切り居る処へ 相手打込むを受け流し 體を替えし打込み勝つ 又 打ち込まず冠りて跡を勝もあり
読み解く
 前回の位弛で双方刀を合わせ五歩下がります。打太刀は「其のままでも苦からず」ですがここでは双方退いて元の位置に帰ります。
 そこで我は横血振して納刀し、敵は正眼から左足を出し右足を引いて左上段に構えます。
 双方スカスカと歩み行き、間に至れば敵我が真向に右足を踏み込んで打込んでくる。我は右足を出して、抜刀し頭上で十文字に請ける。
 敵再び打込まんと上段に振りかむる処、我は請けるや否や左手を柄に掛け右足を左足と踏み替え敵の右面を打つ、敵是を足を踏み替え裏より八相に払う。
 (この処、業附口伝では敵の打込みを抜き請けに請けた拍子に上段に冠って敵の右面に打ち込んでいます。)
 我は又すぐに振りかむり右足と左足を踏み替え右足前にして敵の左面を打つ、敵又すぐに足を踏み替え裏より八相に払う。
 我は又すぐにかむり、左足を一足踏み込み敵の真向に打ち下ろす。其の時敵右足を大きく後方に引いて、我は空を打つ。敵は同時に上段に構える。
 空を打つや我は切先をそのまま下へ下げ、敵が我が頭上へ打込むように待つ。敵右足を踏み込んで真向に打込む、其の時我は左足より一足下がり右足を追い足にして下がり敵に空を打たせ同時にかむりて右足を一足踏み込んで敵の面を打ち勝。

 足捌きを踏み替えにして古流らしくしてみましたが、歩み足で右・左・右・左と進み左足を引いて右足を踏み込んで勝つ。
 其の場合も直線的な動きばかりではなく、筋を変わりながら打込み、払われる、直線的に踏み込み空を切るなどの動きを稽古したいものです。

嶋 専吉先生の第19代福井春政先生の燕返

「打太刀は上段、仕太刀は刀を鞘に納めたるまゝ相掛りにて前進、間合にて打太刀は仕太刀の正面に打込む、仕太刀は素早く抜刀剣先を左方に右双手にて頭上十文字に請け直に双手上段となり左足を一歩進め相手の裏ら面に打込むを打太刀は右足を一歩退き裏より之を八相に払う。
仕太刀更に右足を一歩進め表て面に打込むを打太刀亦左足を一歩退き表より八相に払う。
仕太刀は直に振冠りて左足を一歩進め打太刀の正面に打込む、この時打太刀は左足より大きく退きて仕太刀に空を打たせ。
次で打太刀は右足を一歩踏込み仕太刀の真向に打下す、仕太刀は之に応じて左足を大きく引き体を後方に退きて打太刀に空を撃たせ(此の際拳は充分に手許にとるを要す)振冠りざま右より踏込み打太刀の正面を打つ。
刀を合せ原位置に復し互に五歩退きて血振ひ納刀をなす」

*古伝の「扨切先を下げて前へかまへ場合を取り切居処へ相手打込を受流し体を替し打込勝」の「受け流し体を替し」は業附口伝同様なくなっています。
 受け流しつつ体を変わり打込む動作は稽古しておきたいものです。

この業で敵に躱されて空を切った時、切先を下げて頭上に打ち込ませる時、体を前屈みにして頭を下げているのを見かけますが、誘いをかけているつもりでしょうが、そんな誘いに乗るでしょうか。空を切った切先を稍々下げた瞬間敵は打ち込んで来るものです。

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