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2018年2月26日 (月)

曽田本その1の3業附口伝読み解く3大小詰3柄留

曽田本その1
3業附口伝読み解く
 
3、大小詰
 
三本目柄留
 打ハ仕ノ右側二並ヒテ坐ス仕ノ抜カントスル柄ヲ留ム仕ハ右手ヲ頸二巻キ敵ヲ前二倒サントス打倒サレマジト後二反ル其ノ時スグニ仕ハ打ノ体ノ反リテ前足ノ浮キタル下ヨリ(膝)柄ヲカケテ後へ倒ス力ヲ添フル也
(右向二坐ス抜カントスル柄ヲトル我右手ニテ首ヲマキ前ヘ押ㇲ敵後トへソル二付後へ倒ス其時柄ヲ足へカケ倒ス也)
読み
三本目柄留(つかどめ)
 打は仕の右側に並びて坐す 仕の刀を抜かんとする柄を留む 仕は右手を首に巻き前に倒さんとす 打倒されまじと後ろに反る 其の時直に仕は打の体の反りて前足の浮きたる下より(膝)柄を懸けて後ろへ倒す力を添うる也
 (右向きに坐す 抜かんとする柄を取る 我右手にて首を巻き前へ押す 敵後へ反るに付き後へ倒す 其の時柄を足へ懸け倒す也 後藤教示)
古伝神傳流秘書大小詰三本目柄留
 抱詰の通り両の手尓て柄を取り下へ押付られたる時向の脇の辺りへ拳尓て當扨我右足尓て相手の手を踏み柄をもぐ常の稽古尓は右の足を押膝尓てこぜもぐ
読み
古伝神傳流秘書大小詰三本目柄留
 抱詰の通り両の手にて柄を取り下へ押し付けられたる時 向うの脇の辺りへ拳にて当て さて 我が右足にて相手の手を踏み柄を捥ぐ 常の稽古には右の足を押し膝にて「こぜもぐ」
読み解く
 打は仕の右側に同じ方向を向いて坐す、仕は刀を抜かんとして柄に手を掛けようとする処、打は腰を上げ左向きに仕の方に振り向き右手で仕の刀の柄を抜かさない様に取り押さえる。
 仕は腰を上げ右に振り向き打の首に右手を巻き、打を前に倒そうと引き込むと打は倒されまいとして後ろに反る。打の反って右足が浮いた処へ柄を掛けて後ろへ倒す。

 是は神傳流秘書では右伏の業でしょう。やはり時代が変われば業も変化するようです。是は是、あれはあれで稽古すればよいのでしょう。

嶋 専吉先生の謄写した第19代福井春政先生の大小詰三本目柄留
 「打太刀は仕太刀の右側に並びて坐す。仕太刀の抜かんとする柄を留む、仕太刀は右手を頚に巻き打太刀を前に倒さんとす、打太刀倒されまじと後に反る、その時直に仕太刀は打太刀の体の反りて前足の浮きたる下より(膝)柄をかけて後ろへ倒す力を添ふるなり。」

*曽田先生の業附口伝そのままです。

神傳流秘書 大小詰 三本目柄留

 抱詰の通り両の手にて柄を取り下へ押付られたる時向のわきの辺りへ拳にて當扨我右の足にて相手の手を踏み柄をもぐ常の稽古には右の足を押膝にてこぜもぐ

 抱詰の様に相手が両手で我が柄を取って下へ押し付けられた時、我は相手の脇の辺りに右拳で打ち当て、相手が怯んだ隙に我が右足を踏み込んで相手の柄を取った手を踏み付け柄を捥ぎ取る。
 常の稽古では、相手の手を足で踏み付けるのは礼を失するので、右の膝で手を押し膝でこぜもぐ。
 「こぜもぐ」はよくわかりません。政岡先生は「無理して放す」とされていますがそんな感じでしょう。

 政岡先生の引用された伝書と少し文言が異なるので読ませていただきます。
「抱詰の通り両手にて柄をとり下へおしつけられたる時相手のあぎの辺りへ拳にて当て扨我が右足にて相手の手を踏み柄をもぐ常の稽古には右の足にて押膝にてこぜもぐ」
「あぎ」はあご、「もぐ」ははなす、「こぜる」は無理して動かす。

*政岡先生の方法は、顎のあたりに一当てするので脇の辺りと違いますが、古伝と一致します。

 江戸中期と末期の間に、この柄留が変わってしまったのか、大小詰の冒頭にある「是は業にあらざる故に前後もなく変化極りなし始終詰合居合膝に坐す気のり如何様ともすべし先大むね此順とする」とありました。

 

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