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2018年2月14日 (水)

曽田本その1の3業附口伝読み解く2詰合之位8眼関落

曽田本その1
3業付口伝読み解く
 
2、詰合之位
 
八本目眼関落(相上段)
 是モ互二立チ敵モ我モ真向へカムリ相掛リニテスカスカト行キ場合ニテ互二拝ミ打二討也其ノ時敵ノ拳ト我拳ト行合也其時我スグ二柄頭ヲ敵ノ手元下カラ顔へハネ込ミ勝也(右足ヲドントフミ急二左足ヲ踏ミ込ム也)互二五歩退リ納刀以下同シ
読み
 是も互に立ち 敵も我も真向へ冠り相掛りにてスカスカと行き場合にて互に拝み打ちに討つ也 其の時敵の拳と我が拳と行き合う也 其の時我直ぐに柄頭を敵の手元下から顔へはね込み勝也 (右足をドンと踏み急に左足を踏み込む也) 互に五歩退り納刀以下同じ
参考
古伝神傳流秘書詰合八本目「柄砕」(眼関落ノコトナラン 曽田メモ)
 両方高山後ハ弛之木刀二同し
この「弛之木刀」の業名は曽田本に見当たらず、他の文献からも引用できません。
古伝神傳流秘書太刀打之事七本目「独妙剣」が業附口伝の眼関落と同様な業なので参考にして見ます。
独妙剣
 相懸也 打太刀高山遣方切先を下げ前二構へ行場合尓て上へ冠り互二打合尤打太刀をつく心持有柄を面へかへし突込ミ勝
読み解く

 是も互いに相上段と言うことですが、今までの位弛や燕返では敵は左上段でした。是は双方上段ですが指定がありませんから右足前にした右上段とします。
 互いに右上段に構え相掛にスカスカと歩み寄る。
 場合にて互いに拝み討ちに討つ。互いの真向に真っ直ぐに打ち下ろすので、互いの中央物打付近で鎬を摺り合わせ相打ちとなります。
 右足を踏み込み拳を合わせ押し合い、我は右足をドンと踏んで敵の気を反らす様にはずみを付け、左足を踏み込むや、敵の手元から我が柄頭を跳ね上げて敵の顔面人中を打ち勝つ。
 刀を合わせ互いに五歩退き血振納刀、再び右足前で刀を抜き相上段となって次の業に移る。

相上段ですが、振冠では無く、頭上に45度に剣先を立てて構えて相進みが妥当でしょう。

 真向拝み打ちで双方の鎬を滑って鍔で留める様な打ち込みを見ますが、是では刀が触れるや手元を手前に引く様な動作になってしまい真向拝み打ちのポイントを身に付けることは出来ないでしょう。
 或いは双方拝み打ちして、互いの間の中央で手の内を締めてストップをかけています、これも疑問です。
 古伝神傳流秘書の太刀打之事「独妙剣」が稽古業としては理に適うと思います。
 真向打ち合って拳と拳が行き合うや、ドント右足を踏み付けて敵退かんとする所を即座に柄頭を敵の顔へ跳ね込むのも研究課題でしょう。


 曽田先生は五藤先生の業附口伝を元にして考察されたと思われます。
 神傳流秘書の詰合と五藤先生の業附口伝以外に詰合を書き表した伝書が見当たらない限り当面はこのような業で稽古する以外にありません。


 木村栄寿先生の林崎抜刀術兵法夢想神傳重信流傳書集及び業手付解説の神傳流業手付では詰合八本目は柄砕「両方高山跡は地の木刀に同じ」とあって「弛と地」の読み違いでしょうがどちらも証明不能です。
 「眼関落」が同じ業である様な「詰合業手付及び口伝」にありますが引き当てるべきものが見当たりません。


 政岡先生の無双直伝英信流居合兵法地之巻にある無双直伝英信流居合兵法之形は文政二年山川幸雄述坪内長順記神伝流秘書による、と書かれています。幸雄は幸雅と思われますが正誤表に記載されていませんので坪内長順が書写した際の誤記かもしれません。
そこでの詰合は詰合之位とされ八本目は眼関落の業名を採用しています。

 眼関落「(相上段から互に切り結び鍔押となる処をはね上げて顔に当てる 政岡先生述)両方高山にかまえ行打合尤も打太刀をさく心持あり柄をかえして突込勝」とされています。この部分は神傳流秘書の太刀打之事七本目「独妙剣」の文言に類似です。この政岡先生の神伝流秘書の出所は不明です。


嶋 専吉先生の第19代福井春政先生の眼関落

 「互に立合ひて真向に振冠り相掛りにてスカスカと進み間合(此場合は幾分間を近くす)にて互に拝み撃ちに打つ(物打あたりにて)続いて双方の拳が行き合ふ瞬間、一時鍔元にて競り合ひ仕太刀は直に右足にて強く一度大地を踏み付け急に左足を打太刀の右側に一歩稍々深目に踏込みざま、打太刀の手下下より顔へ撥ね込み人中に柄當を加ふ。
刀を合せ互に五歩退き血振、納刀をなす。

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