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2018年2月 8日 (木)

曽田本その1の3業附口伝読み解く2詰合之位5鱗形

曽田本その1
3業付口伝読み解く
 
2、詰合之位
 
五本目鱗型(仕打 納)
坐リ方同前左足ヲ一足引キテ抜合ス也其時敵スク二我面へ上ヨリ打ツ也我モスグ二太刀ノ尖ヘ左ノ手ヲ添へテ十文字二請テ左ノ足ヲ踏ミ込ミ摺込ミ勝也刀ヲ合セ血振ヒ納刀
読み
五本目鱗形(うろこがた)
 座り方同前 左足を一足引きて抜合す也 其の時敵直ぐに我が面へ上より打つ也 我も直ぐに太刀の切尖へ左の手ヲ添へて十文字に請けて左の足を踏込み勝也 刀を合わせ血振い納刀
古伝神傳流秘書詰合五本目鱗型
如前抜合せ相手打込むを八重垣の如く先に左手を添え請留直に敵の太刀を摺落し胸をさす也
読み解く
 座り方は前と同じ様に、刀を鞘に納め立膝に双方詰合って座す。
 敵の起こりを察して我は左足を引いて抜き打ちに敵の膝に抜きつけ、敵も同様に左足を引いて是を膝前で相打ち。
 敵すぐに左足を床に着け上段に振り冠り右足を踏み込んで真向に打ち下ろす。
 我は左足を床に着け太刀の切先に左手を添え前額上に十文字に刃を上にして是を請ける。ここまでは4本目八重垣と同様です。
 我は左足をやや左に踏み込んで切先に左手を添えたまま敵刀を右腋に摺り落とし切先を敵喉に付けて勝つ。
 青眼になり、切先を合わせ血振納刀。

 敵太刀を十文字に請けるや、即座に左足を踏み込み左半身となって敵刀を請けたまま右手を右脇に下げ敵刀を摺り落とし詰める。ここがポイントです。

神傳流秘書 詰合 五本目鱗形

 如前抜合せ相手打込むを八重垣の如く切先に左手を添え請留直に敵の太刀を摺落し胸をさす也(2014年11月11日)

 前の如く抜き合せ、ですから是も居合膝に相対し、相手より左足を引いて右足に抜き付けて来るのを請け止め、上段に振り被らんとする処、相手左足を右足に引き付け右足を踏み込んで真向に打込んで来る。
 我顔前頭上にて切先を左にして左手を添えて十文字に刃で請ける。
 左足を踏み込み十文字請けした交点を軸にして、左手を相手の顔面に摺り込む様に、相手太刀を右下に摺り落とし、相手の胸に詰める。

 詰合の一本目発早の場合は、双方膝前で抜き合せ、我れが先んじて上段から真向に打ち込んで勝ちを制しました。
 今度は相手が我が真向に打ち込んで来るのです。一本目で勝ち口を理解しないまま、此の五本目鱗形にしてようやく仕組みが申し合わせの棒振りではならない事を気付かせてくれる良い業です。

 十文字請けの方法をどの様にするかは、簡単に「切尖へ左の手を添えて」しか表現されていません。
 切尖は切先ですが、物打ち辺りに拇指と食指の股に刀の棟を当て四指を敵の方に刀の外にして添える様に指導される様ですが、是で良いのでしょうか。
 拇指と食指の股から小指の下の膨らみへ斜めに刀棟が乗る様に添える事も研究すべきでしょう。
強い打ち込みを想定すれば左手の添え方は充分考慮すべきものです。

嶋 専吉先生の第19代福井春政先生の 鱗形

「前同様に抜合せ打太刀は右より進み仕太刀の面上に打下すを仕太刀左足より体を退き左手を棟に添へて頭上十文字に請け止め続いて左足を一歩踏込み(この時右跪となり)左手を刀に添へたるまゝ対手の刀を己が右方に摺り落しながら喉を刺突の姿勢となる。
此の時打太刀は左足より体を退き刀を左方に撥ね除けられたるまゝ上体を稍々後方に退く。
次で刀を合せ血振ひ(若し続て次の「位弛」を演ずる場合は打太刀は五歩後方に退きて血振ひ)納刀す。


 この(若し・・)の括弧書きを読んでいますと、形を演武会向けに打つ事を意図しているようです。
 打太刀が五歩下がって血振いでは、仕太刀は其の間、其の位置で正眼に構えて座して居る事になります。

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