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2018年2月 6日 (火)

曽田本その1の3業附口伝読み解く2詰合之位4八重垣

曽田本その1
3業付口伝読み解く
2、詰合之位
 
四本目八重垣(仕打 納)
 是モ同シク詰合て坐し前ノ如ク左足一足引テサカサマ二抜合也 敵其侭我面ヲ打テクルヲ我又太刀ノ切尖へ左手ヲ添ヘテ面ヲ請クル也 夫レヨリ立テ敵スク二我右腋ヲ打ツツヲ我其侭刀ヲ右腋二サカサマ二取リテ此ノ時右足ヲ一足引キ請ケ留ル也 敵又立チテ左ノ脇ヲ打チ来ルヲ我又左足ヲ一足引キテ左脇ヲ刀ヲ直二シテ請ケ止ムル也 敵又上段ヨリ面へ打チ来ルヲ我又右足ヲ引キテ上ヲ請テ敵カムル処ヲ我右足ヨリ附込ミ勝也刀ヲ合セ原位置二帰リ血振納刀
読み
 是も同じく詰合て坐し前の如く左足を一足引きて逆さまに抜合也 敵其侭我が面を打ちて来るを我が太刀の切尖へ左手を添えて面を請くる也 夫れより立ちて敵直ぐに我が右腋を打つを 我其の侭刀を右腋に逆さまに取りて 此の時右足を一足引き請け留むる也 敵又立ちて左の脇を打ち来るを 我又左足を一足引きて左脇を刀を直にして請け止むる也 敵又上段より面へ打ち来るを 我又右足を引きて上を請けて敵冠る処を我右足より附込み勝也 刀を合わせもとの位置に帰り血振納刀
古伝神傳流秘書詰合四本目八重垣
 如前抜合たる時相手打込むを我切先二手を懸けて請又敵左より八相二打を切先を上二して留又上より打を請け相手打たむと冠を直耳切先を敵の面へ突詰める(我切先二手を懸希て請け敵右より八相二打を切先を下げて留又敵左より八相二打を切先を上二して留又上より打を頭上尓て十文字に請希次二冠るを従て突込むもあり 曽田メモ)
読み
八重垣(やえがき)
 前の如く 抜き合いたる時 相手打込むを我れ切先に手を掛けて請け 又 敵左より八相に打つを切先を上にして留める 又 上より打つを請け 相手打たんと冠るを直に切先を敵の面へ突き詰める
 (我れ切先に手を掛けて受け 敵右より八相に打つを切先を下げて留め 又
 敵左より八相に打つを切先を上にして留め 又 上より打つを頭上にて十文字に請け 次に冠るを従いて突き込むもあり 曽田メモ) 
読み解く
なぜか、大江先生の正座の部五本目八重垣の業名はこの詰合から取ったものでしょう。元は大森流陽進陰退が業名ですが、重信流の詰合を無視して「八重垣」の業名を正座の部の五本目に当てる意義はあったのでしょうか。

 双方居合膝に座し、相手左足を引いて下に抜きつけるを我も左足を引いてこれを下に請ける。
 相手即座に右足を左足に引付右足を踏み込んで真向に打ち込んでくるを、我左足、右足と引いて、切先に左手を添え顔面頭上にこれを十文字に請ける。
 相手再び上段に振り冠って左足を踏み込んで我が左胴に八相に打ち込んでくる。我右足を引いて切先を上にし柄を下にして左脇にこれを刃で請ける。
 相手さらに、上段に振り冠って撃ち込んで来るを、左手を切先に添えたまま顔前頭上に受ける。
 相手又、撃ち込まんと上段に振り冠る処、我すぐに右足を踏み込み切先を相手の面に突き詰める。

 神傳流秘書は、下で合わせ、十文字に上で請け、左脇で請け、再び頭上に十文字に受け、直ぐに突き詰めるのです。
 曽田先生のメモは、下で合わせ、十文字に上で請け、右脇で請け、左脇で請け、又十文字に上で請け、直ぐに突き詰める。と云うのも有りと括弧書きで挿入されています。これは江戸末期の八重垣がその様に変わって来ていたのでしょう。

 何度でも撃ち込まれて稽古するのも良いのですが機を捉えて反撃する事も学ぶ例でしょう。

 古伝の稽古では、下で合わせ、十文字受けして、次は相手次第で右か左に受けるのもありでしょう。
*

嶋 専吉先生の第19代福井春政先生の八重垣

 「是も同じく詰合ひ対座より左足を一歩退きて倒か様に抜合はせたる後、打太刀は右より進み左跪にて仕太刀の正面に打込み来るを仕太刀左より体を少しく退き左跪にて剱尖を左方に左手を棟に添へて頭上十文字に請止む。
続て打太刀、左足を一歩進め(打太刀は一応立ち上り左足を一歩進め右膝を跪きて)仕太刀の右脇に打込むを仕太刀右足を一歩退き刀を倒か様にとりて(左手を棟に添へたるまゝ刀を体に近く剱尖を下方に略々垂直にして)右跪にて請止む。
打太刀更に立ちて一歩右足を進め左跪にて仕太刀の左脇に打込み来るを仕太刀左足を一歩退き刀を直にとりて(左手を棟に添へ剱尖を上に刀を垂直にし)脇近くに之を請留む(左跪)。
打太刀更に右足より進みて上段より正面へ打ち込むを仕太刀は右足を一歩退き左手を棟に添へて再び頭上十文字に請け止め次で打太刀右足を退き振冠るところを仕太刀右足を一歩進め附込み打太刀の喉を突く。
(この際打太刀の左膝と仕太刀の右膝とは相接する如く向ひ相ふ)
次で刀を合せ原位置に復し血振ひ納刀す。」

*(この際打太刀の左膝と仕太刀の右膝とは相接する如く向ひ相ふ)に注目すると、仕太刀は深く打太刀に附け入って詰める事になります。
第19代の詰合は古伝の神傳流秘書とは事なり、業附口伝に添う様です。
業附口伝は、曽田先生が「田口先生のご指導と実兄(五藤先生の高弟土居亀江)の口伝よりあらましを記したり」です。

 

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