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2018年2月24日 (土)

曽田本その1の3業附口伝読み解く3大小詰2骨防

曽田本その1
3業付口伝読み解く
3、大小詰
二本目骨防
互二對坐打ハ両手二テ仕ノ柄ヲ握ル仕ハ右拳ヲ顔二アテ其ノヒルムトキ二乗シ右足ヲ柄越二マタギ右足内側ヨリ右手ヲ柄二添へ右足ニテ敵ノ両手ヲ押拂フと同時二柄ヲ防取ル也此ノ時敵ハ我右腋へ匍ヒ倒ル也
((向フテ居ル両手ニテ柄ヲ押シ付ル時直二右手ニテ面へ當テ其儘二乗り右足ヲフミ込ミ柄へ手ヲカケモグ)
読み
二本目骨防(ほねもぎ 曽田メモ神傳流秘書にあり)
 互に対坐 打は両手にて仕の柄を握る 仕は右拳を顔に当て其の怯む時に乗じ右足を柄越にまたぎ 右足内側より右手を柄に添え 右足にて敵の両手を押し払うと同時に柄を防取る也 此の時敵は我右腋へ匍い倒れる也
(五藤メモ 向うて居る 両手にて柄を押しつける時 直ぐに右手にて面へ当て 其の儘に乗り右足を踏み込み柄へ手をかけもぐ)
古伝神傳流秘書大小詰
二本目骨防扱(ホネモギ 曽田ルビ)
 立合の骨防返に同し故常二なし
古伝神傳流秘書大小立詰
二本目骨防返
 相懸リニ懸りて相手我刀の柄を留めたる時我右の手尓て柄頭を取り振りもぐ也
読み解く
*
嶋 専吉先生の謄写された第19代福井春政先生の大小詰二本目骨防
 「打太刀は両手にて仕太刀の柄を握る、仕太刀は右拳を顔に當てその怯むときに乗じ右足を柄越に跨ぎ右足内側より右手を柄に添へ右足にて打太刀の両手を押払ふと同時に柄を防ぎ取るなり、この時打太刀は仕太刀の右脇へ匍ひ倒る。」


 互いに向き合って立膝に座して居る。敵腰を上げて両手で我が柄を握り押付けてくる。我はとっさに右拳で敵の顔面に殴りつけ、敵ひるむ処を立ち上がって柄越しに右足を掛け敵の手を押付け、右足の内側から右手で柄を掴んでもぎ取って敵を右脇に振り倒す。

 五藤先生は柄を取られたので、右拳を敵の顔面に当てひるむ処を右足を踏み込み柄を握って手前に引き上げ振りもぐ。

 骨防はどのように読むのでしょう、「ほねもぎ」「こっぼう」?。

神傳流秘書 大小詰 二本目骨防扱

 此の業名の読みは、曽田先生のルビが施されています「骨防扱(ほねもぎ)」さてどうでしょう。
 骨防扱は「立合骨防返」に同じだから、常には稽古しない、と云っています。立合とは「大小立詰」のことでしょう。

神流秘書 大小立詰 二本目骨防返

 大小立詰めは、打太刀は小太刀を差し、遣方は太刀を差しての立業です。
 双方スカスカと歩み寄り、相手が我が刀の柄を両手で取って抜かさない様に押し付けて来る。我は透かさず右手を柄頭に取って柄を上に引上げ相手の手を振りもぐ。
 相手が柄を取るのが、右手だけ、両手、左手など在りそうですが工夫次第でしょう。

 対坐した骨防扱では、体を乗り出して柄を取りに来るなど是も同様に我は柄頭を取り上に引上げ振りもぐ。
 振りもぐや打太刀の顔面に柄当てする、其の儘鞘手を引いて片手真向に斬り下す、など出来そうです。

 この「骨防扱」「骨防返」については政岡先生は「防」は「捥」の誤写かも知れない、と仰っています。
 防は防ぐ、ささえる、はらう、そなえる、かためる。
 捥はもぎる、もぎ切る、ねじきる、ねじってはなす。

 無双直伝英信流は現在では土佐より伝わると思い、土佐の方言がよぎるのですが、本来奥羽地方のものであり、居合以外の業は、何処かの流のものと混在していますので時々意味不明の文言に行き当たり当惑します。
 業名に意味を籠めすぎますとあらぬ方に行ってしまうもので、「浮雲」とか「颪」の様な業名の方が正しく伝わる様にも思います。

 神傳流秘書の時代は単純でした、江戸末期には複雑な動作を要求して居ます。幾らでも変化はありうるでしょうが、業技法は単純なものほど有効だろうと思います。

 柄を取られた時の対処の仕方はいろいろあるでしょう。掟に従った業では無いと古伝は言っていました。基本を一本充分稽古した上でさまざまな展開を工夫するのもよいものでしょう。

 稽古を楽しむ心が無ければ、修行もままならないものです。稽古とか修行とかの言葉が日本人には苦しむ事、しごかれる事と刷り込まれています。いたずらに同じ事を繰り返していても多くは得られない事もあるものです。

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