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2018年2月18日 (日)

曽田本その1の3業附口伝読み解く2詰合之位10霞剱

曽田本その1
3業附口伝読み解く
 
2、詰合之位
 
十本目霞剱(相中段)
是モ互二立合也敵待カケテモ不苦互二青眼ノ侭スカスカト行場合ニテ互二拝ミ打二討也互二太刀ノ物打チノアタリ合タル所ヲ(中段二直ル)我其侭左ノ足ヲ踏ミ込ミ裏ヨリ払ヒカムリ勝也五歩退リ相中段二移ル也
読み
十本目霞剱(かすみけん)(相中段)
 是も互に立合う也 待ち駆けても苦からず 互に青眼の侭スカスカと行き場合にて拝み打ちに討つ也 互に太刀の物打ちの辺り合いたる所を(中段に直る) 我其の侭左の足を踏込み裏より払い冠り勝也 五歩退がり相中段に移る也
古伝神傳流秘書詰合十本目霞剣
 眼関落之の如く打合せたる時相手より引かんとするを裏よりはり込ミ真甲へ打込ミ勝亦打込ま須之て冠りて跡を勝も有り
読み
 眼関落の如く打合せたる時 相手より引かんとするを裏より張り込み真甲へ打込勝 亦打込まずして冠て跡を勝もあり
読み解く

是も互いに中段に構え、敵は水月刀の刀を合わせた位置で待ち掛けていても良いと言ってますが、双方元の位置に戻ってスカスカと歩み行きましょう。
   双方一歩踏み出すやするすると上段に振りかむり、右足で間を越して拝み打ちに真向に打ち込む。
  互いに物打のあたりで刀を鎬で摺り合わせ、じりじりと中段に直るところ、機を見て我は左足を踏み込むと同時に刀を敵刀の裏に返し払うや振りかむって勝ちを得る。
 中段に刀を合わせ五歩退がり中段のまま次の業に移る。

 霞剣の手附の文章では、「・・我其儘左の足を踏み込み裏より払いかむり勝也」と言って、左足の踏み込みは前に踏み込む教えのようです。
 筋を変わる方が容易なので我は刀を裏から払うや左前に左足を踏み込み振りかむって勝つ、とやっている師伝もあるようです。

 「裏より払い・・」は、双方中段に直った時は我が刀は敵の刀の右側にあって物打の鎬で触れ合っている。
 我は敵の刀の下から左側に返して左足を踏み込むと同時に敵刀を右に払って(張り込んで)其の拍子に振りかむり勝つ。

 古伝はおおらかです。一つの業から幾通りの変化でも方法でも稽古をさせてくれます。今の全剣連の剣道形も制定当初はそれにより幾通りの変化も期待できるとあったはずが「形」に拘り忘れ去られている様なものです。

先日あるところで、そんな話をしていて、「形は申し合わせの・かたち・ではない」が理解できないような、マニュアル育ちが殆どである事にあきれています。
 そうかと思えば、「充分出来る様になって変化を付ける様に出来るまで教えの通りやる」とかたくなです。「充分できる」の意味が解かっていないのでしょう。

 真向に中央で打ち合わせ、「双方切先を正眼に取りつつ退く処」、我は刀を相手の刀の裏に張り込みその拍子に「踏み込ん」で真向に打ち込み勝。ここは左足の稍々左前への踏み込みが良さそうです。真向打ち合わせた刀の物打は相手の頭上に届く処で打ち留められるべきで、手を伸ばしても届かないのでは何のための拝み打ちでしょう。土佐の居合の組太刀にはこのような双方の間の中央での打ち合わせや、請け太刀が多いので手附の奥にあるものを考える研究課題です。
 亦打込まずに上段に冠って勝ちを示すも有。 

 詰合は以上十本で終わり。

嶋 専吉先生の第19代福井春政先生の霞剣
 「互に青眼のまゝ(但し剣尖を幾分高目に且つ腕を稍々前方に伸ばす心地にて)スカスカと進み間合にて双方拝み撃ちに物打のあたりにて刀を合せ中段に直るところを仕太刀素早く左足を一歩進め瞬間裏より打太刀の刀を払ひ直に上段に冠り勝つなり。
刀を合せ五歩退り(但し次の「留の打」を演ずる場合は納刀はせず)相中段にて次に移る。」


 この(但し剣尖を幾分高目に且つ腕を稍々前方に伸ばす心地にて)の青眼の構えの仕方を敢えて指導された「何故」が有りません。
 真向相打ちの間を考えての事かも知れません。
 真向打ちは上手な者が下手なものを斬り落してしまいます。敢えて双方の間の中心付近で物打ちあたりで相打ちとするには、稍々遠間で真向に打ち込み鍔が口元辺りに下りて来た時刀を止めれば双方の中間で剣先45度位で物打ちあたりで止められるでしょう。決して刀を斜めにしてバッテンで止めない事です。受け太刀の稽古をしても意味は無いでしょう。
そして本来の真向打ちを知る事も大切でしょう。

古伝神傳流秘書の詰合はここまでの十本で終わっています。
曽田先生の業附口伝は更に一本、十一本目に「討込」が有ります。

 

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