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2018年3月18日 (日)

曽田本その1の3業附口伝読み解く4大小立詰5蜻蛉返

曽田本その1
3業附口伝読み解く
4、大小立詰
五本目蜻蜓返
 打ハ仕ノ後ヨリ仕ノ右手首ヲ後二引キ鐺ヲ前二押ス直チニ右足ヲ以テ掬ヒ中二入ル也鐺ヲ後二引キ右手首ヲ前二押ス時ハ左足ヲ以テ中二入ル也
 (後ロゟ右ノ手首ヲオサへ跡へ引左手鐺ヲオサヘ前へヲス時中二入ル 五藤正亮先生ノ教示)
読み
五本目蜻蜓返(とんぼかえし・せいていがえし)
 打は 仕の後より仕の右手首を後に引き鐺を前に押す 直ちに右足を以って掬い中に入る也 鐺を後に引き右手首を前に押す時は 左足を以って中に入る也
 (後ろより右の手首を押さへ跡へ引 左手鐺を押さえ前へ押す時中に入る 五藤正亮先生の教示)
古伝神傳流秘書大小立詰五本目蜻蛉返
 相手後より来り我が右の手を取り刀の鐺を取り背中に押付られたる時其侭後へ之さり中に入利倒春
読み
古伝神傳流秘書大小立詰五本目蜻蛉返
 相手後ろより来たり 我が右の手を取り刀の鐺を取り背中に押し付けられたる時 其の侭後へしさり中に入り倒す
読み解く

 蜻蜓返(せいていかえし・とんぼかえし)は蜻蛉返(せいれいかえし・とんぼかえし)です。
 打は仕の後ろより仕の右手首を右手で掴んで後ろに引き左手で鐺を前に押す。仕は直ちに右足を打の足の間に踏み込んで密着する。
 鐺を後ろに引き右手首を前に押す時は左足を打の足の間に踏み込み密着する。右手を後ろに引かれ、鐺を前に押されれば強く逆らわずになされる儘に右に体が回りこみますからそのまま右足を踏み込み相手の足を掬い刈ればいいのでしょう。
 古伝神傳流秘書では蜻蜓返は蜻蛉返はです。蜻蛉返ですから反転と思う処です。
 相手後から来て我が右手を右手で取り刀の鐺を左手で取って背中に押付けて来る、其の時その体勢の儘後へしさり相手に密着するや体を低めて投げ倒す。
 さて前に倒すか後ろに倒すか、状況次第ではどちらでも出来そうです。倒すにあたっては、相手に密着して足技を併用するなり工夫次第でしょう。

嶋 専吉先生の第19代福井春政先生の大小立詰蜻蛉返
「打太刀は仕太刀の後ろに立つ。 打太刀、仕太刀の後より仕太刀の右手首を後ろに引き鐺を前に押す。仕太刀直ちに右足を以て掬ひ中に入るなり。
鐺を後に引き右手首を前に押すときは左足を以て中に入る。」

*曽田本業業附口伝と同じですが、業手附が「打は仕の後ろより仕の右手・・」を嶋先生は「打太刀は仕太刀の後ろに立つ。・・」と、変えて居ます。些細な違いですが「後ろより」と「後ろに立つ」では状況に違いが出ます。
 古伝を読む時は其の違いをどの様に判断するかが業が活きて来るか否かの差になります。

 此処には無いのですが、大剣取の無剣で「相手居合膝に坐し居処へ小太刀をさげかくる相手抜打つを・・」の文章で「小太刀をさげかくる」を、訳して「小太刀を引っ提げて進む」としたのでは、間違いではないのですが、「小太刀を無形の構えにとり、間境でふと止まり掛って行く」。

  もっと深く読めば「小太刀を無形の構えに取り間境を越すや小太刀の切先を少し上げて懸って行く起こりを見せるや相手抜き打つ・・」位迄読み取りませんと、無形の構えの有り様も、敵の抜打ちも只の申し合わせの踊りになってしまいます。

蜻蜒(せいてい)・蜻蛉(せいれい)となりますがどちらも「とんぼ」です。

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