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2018年3月31日 (土)

曽田本その1の4居合根元之巻読み解く6小藤亀江伝来の目録1

曽田本その1
4.居合根元之巻読み解く
、小藤亀江伝来の目録
1。無雙直伝英信流居合目録
 1.向身           横雲・虎一足・稲妻
 1.右身           浮雲・山下し
 1.左身           岩浪・鱗返
 1.後身           浪返・瀧落
 
四方切             向・右・左・後
 
太刀打之位      出合・附込・請流・請込・月影・絶妙剱

                            ・水月刀・独妙剱・心明剱

詰合之位        八相・拳取・岩浪・八重垣・鱗形・位弛
               ・燕返・眼関落・水月刀・霞剱
 
大小詰           抱詰・骨防・柄留・小手留・胸捕・右伏
               ・左伏・山影詰  
 
大小立詰        〆捕・袖摺返・鍔打返・骨防返・蜻蜒返
              ・乱曲
読み解く
 居合目録は業名ばかりですが、幾つかに分けて読み解いてみます。業の一つ一つの解説は一気に出来るものでは無いので業名の違いを古伝神傳流秘書、業附口伝、その他幾つかの根元之巻と対比してみます。
「無雙直伝英信流居合目録」は、英信流ですから大森流は含まれていません。大森流の目録允可は別にあったのか、無かったのかこの小藤亀江が谷村樵夫自庸からの相伝では不明です。
 古伝神傳流秘書では「大森流居合之事」として「此居合と申は大森六郎左衛門之居合也英信と格段意味無相違故二話而守政翁是を入候 六郎左衛門盤守政先生剣術之師也真陰流也 上泉伊勢守信綱之古流五本之仕形有と言或は武蔵守卍石甲二刀至極の伝来守政先生限にて絶(記 此の五本の仕形絶へたるハ残念也守政先生の傳是見當らず 曽田メモ)」
 大森流は第九代林六太夫守政の剣術の師匠大森六郎左衛門の居合で、英信流と格段の違いは無いので守政翁が誰かに話して無雙神傳英信流居合兵法に入れたと云って居ます。
 誰かとは第八代荒井兵作信定(荒井勢哲清定)かも知れませんが、不明です。大森六郎左衛門は上泉伊勢守の真陰流だと言います。
 真陰流の形五本と宮本武蔵の二刀流は守政先生で絶えてしまったと言います。
 土佐の居合では、大森流は第一五代谷村亀之丞自雄の英信流目録に残っていますので引き継がれて来ています。現在の大森流(無双直伝英信流正座の部)です。
無雙直伝英信流居合目録
 1.向身           横雲・虎一足・稲妻
 1.右身           浮雲・山下し
 1.左身           岩浪・鱗返
 1.後身           浪返・瀧落
 この目録の記述方法は東北地方の秋田藩の天明8年1788年林崎流居合伝書に「居合目録次第として向之次第・右身之次第・左身之次第・立合之次第」として業名は異なりますが残されています。
 
 土佐の居合と道統を同じくしたであろう信州地方の伝書天明3年1783年大矢蕃昌編述・滝沢登愛所持「無双流和棒縄居合目録」に居合(南山大学榎本鐘司先生論文より)に全くと言ってよい業名とその位置付けが残されています。
 1.向身     横雲・稲妻・水引□□
 1.右身     浮雲・山風
 1.左身     岩浪・鱗返
 1.後身     波返・瀧落
 四方切             向・右・左・後
 敵を前後左右に受けた場合の運剣用法を表しているのでしょう。第17代大江正路先生の場合は、向・左後・右前・左前の変則な敵の配置です。
 現代居合では第一七代大江正路先生によって改変されて敵の配置よりも、演武の際の正面に対し己の坐す方向が優先すると言う可笑しなことから無双直伝英信流は変わっています。
組太刀は古伝神傳流秘書にある大剣取、英信流目録の小太刀之位が抜けています。
小藤亀江の目録に括弧内は神傳流秘書の業名を対比しておきます。
 
太刀打之位      出合(出合)・附込(附込)・請流(請流)・請込(請入・請込)
            ・月影(月影)・絶妙剱(水月刀) ・水月刀(独妙剱)
            ・独妙剱(絶妙剱)・心明剱(心妙剱)・(打込)
 

詰合之位        八相(発早)・拳取(拳取)・岩浪(岩浪)・八重垣(八重垣)
           ・鱗形(鱗形)・位弛(位弛)・燕返(燕返)・眼関落(柄砕)
           ・水月刀(水月)・霞剱(霞剱)
 
 
 
大小詰           抱詰(抱詰)・骨防(骨防扱)・柄留(柄留)・小手留(小手留)
           ・胸捕(胸留)・右伏(右伏)・左伏(左伏)・山影詰(山影詰)  
 
 
 
大小立詰        〆捕(使者捕)・袖摺返(骨防返)・鍔打返(鍔打返)
           ・骨防返(〆捕)・蜻蜒返(蜻蛉返)・乱曲(乱曲)・(電光石火)
 業名は同じものですが、順番が異なります。この原因は目録伝授が無いまま。また聞きで引き継がれたか、稽古に依って入れ替えるべきであると判断されたかのいずれかでしょう。
 現代居合では太刀打之位が第一七代大江正路先生によって中学生向きに改変され十本を七本に減らされ、業名および業も変えられてしまっています。大江先生の七本の組太刀を演ずるのであれば無双直伝英信流居合道形と言うべきでしょう。
 小藤亀江の相伝した目録の業名は古傳の趣を残しています。
 
 
 
 
 
 

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