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2018年4月13日 (金)

曽田本その1の4居合根元之巻読み解く6小藤亀江伝来の目録15

曽田本その1
4.居合根元之巻読み解く
6、小藤亀江伝来の目録
15無雙直伝英信流居合目録
 
極意之大事 
 
1.暇乞・2、獅子洞入・3、地獄捜・4、野中幕・5、逢意時雨
6、火村風・7、鉄石・8、遠方近所・9、外之剱・10、釣瓶返
11、智羅離風車
読み解く
7、鉄石(てっせき)
 是も英信流居合目録秘訣の極意ノ大事八項目目にあります。
鉄石
 旅抔にて気遣しき所を通るには石を袂に入れて行くべし 尤是に限らず用心を為〆(なして)行先は必ず石を袂に入行くべし時に取って是を打つくる也 座上にても鉄石の心得有  あの者を切らんと思ふ時は 其者の膝本のたたみ抔をハタと敲くときは夫に気をうつす也 其所を切ればきり安き者也
*
 心得の極意の「鉄石」とは何でしょう。鉄と石非常に堅固なものの・・譬え、と有ります。
 何となく気遣う様な所を通るには、用心のために石を袂に入れて行き、何かあった時には、石を取って打ち付ける、是に限らず用心を怠ってはならない。上司でも鉄石の心得有るものだ。
 次の「あの者を切らん・・」の文章も鉄石なのでしょうか、袂の石の心得とは違いますが、あの者を切ろうと思う時は、その者の膝辺りの畳をハタと敲いて、気を散らしておいて切れば切りやすいものである。
*
曽田本その1神傳流秘書を読み解くに大剣取の四本目に鉄石の業があります。
鉄石
 是も前の如く坐し是は廻り寄りて切らんと心得て抜かざる時行なり二小太刀尓て地をハタと叩いて気をうばうて入りてさ春
従是相寸
読み
鉄石(てっせき・てついし?)
 是も前の如く坐し 是は 廻り寄りて 切らんと心得て抜かざる時 行くなりに小太刀にて地をハタと叩いて 気を奪いて 入りて刺す
是れより相寸
読み解く
 是も相手は「前の如く坐し」ですから居合膝に坐す処、我が「廻り寄りて」は、めぐりよりて、めぐってきて、相手はそばに寄ってくれば切ろうとしているが抜こうとしない時、我は小太刀を下げてスカスカと間境に歩み行き、体を低め、小太刀で地をハタと叩き相手の気を奪い、相手が抜こうと抜くまいと体を低めたまま中に入り、相手の柄手を制して刺す。

 いささか、文章が解りずらいのですが、抜こうとしているが、抜く気があっても抜こうとしない相手の気を奪って付け込んで刺す、という業です。
 仕組の稽古でこの気を出せるかは難しいでしょうが、業に成りきって稽古する事も大切な事だろうと思います。

 政岡先生は、相手が抜かないので抜刀して地面をはたと打つと抜きはじめる、そこを飛び込んで右手をおしあげてさす。としています。

*
 この極意之大事は、孫子の「兵は奇道也」です。目的を達するには、細心の注意と誰も思っても見ない、状況を作り出し目的を果たすものでしょう。

 綺麗ごとにばかりに、夢を見ている武道修行者には違和感のある部分かも知れません。然し多かれ少なかれ、日常のビジネス活動にも要求される心得でしょう。

 刀を持って戦う事は勿論、生か死を見つめる事の乏しいこの時代、武士道を美化して、正面から名乗り合って仕合うことと見るのも仕方のない事かも知れません。

 

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