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2018年4月 4日 (水)

曽田本その1の4居合根元之巻読み解く6小藤亀江伝来の目録5

曽田本その1
4.居合根元之巻読み解く
6、小藤亀江伝来の目録
.無雙直伝英信流居合目録
上意之物之大事1  
 1、虎走・2、両詰・3、三角・4、四角・5、門入
読み解く
上意之物之大事の業名から次の伝書に相当する業名を拾い出してみます
1、虎走
・古伝神傳流秘書抜刀心持之事 虎走:
 居合膝に坐して居立って向へ腰をかがめつかつかと行 抜口の外へ見へぬ様に抜付打込納 又右の通り腰をかがめ後へ引抜付打込也
・白石元一長谷川流奥居合 虎走:
 (暗夜前方の敵に対して行う)姿勢を低くして(前方をすかし見る心)数歩小足にて走り行き左膝をつき 右足を踏み出すと同時に「横雲」と同様斬りつけ、血振り、納刀し(此の時臀は踵に付けない)終るや、再び敵前方より来るに依り起ちて一足となり中腰の儘後方に小走りにて数歩退き、右膝をたて左足を退きて膝をつくと同時に横一文字に斬り付く。
・尾形郷一無双神傳抜刀術兵法 虎走: 
 (次の間に居る者を斬り退る処へ追掛け来る者を斬る)左手を鯉口に、右手を柄に執り抱へ込む様にして立上り、上体を俯け前方へ 小走に馳せ行き腰を伸すなり右足踏込んで(対手の右側面へ)抜付け、左膝を右足横へ跪きつつ、諸手上段に引冠り、更に右足踏込んで斬込み、刀を開き納めたるまま立上り、又刀を抱へ込む様に前へ俯き小走に退り腰伸すと同時に、左足を一歩後へ退き、追掛け来るへ(右側面へ)大きく抜付け、又左膝を右足横へ跪きつつ諸手上段に引冠り右足踏込んで斬込む。
・大江正路剣道手ほどき 虎走り:
 (中腰となり、走り抜斬又後ざりして抜斬る)座したる処より柄に手を掛け、稍や腰を屈め、小走りにて数歩進み出で、右足の踏み出したる時抜き付け、同体にて坐して斬る(血拭ひ刀を納むるや)刀を納めて二三寸残りし時屈めたる姿勢にて、数歩退り左足を退きたる時中腰にて抜付け上段となり座して斬る。
・英信流居合目録秘訣(参考) 虎走:
 仕物抔云付られたる時は殊に此心得入用也其外とても此心得肝要也敵二間も三間も隔てて座して居る時は直に切事能わず其上同座し人々居並ぶ時は色に見せては仕損る也
 さわらぬ躰に向へつかつかと腰をかがめ歩行内に抜口の外へ見えぬ様に体の内にて刀を逆さまに抜きつくべし虎の一足の事の如しと知るべし大事とする所は歩みにありはこび滞り無く取合する事不能の位と知るべし
2、両詰
・古伝神傳流秘書抜刀心持之事 両詰:
 右腋へ抜打に切り付け左を斬る 抜て片手にて左脇を突き直に振向いて右腋を切る
・白石元一長谷川流奥居合 両詰:
 (左右の敵に対して行う)右足を稍右横に踏み出して右方に抜刀し、前後詰と同様刀背を胸部に接し左方の敵を刺したる後、右方に向きをかへ右足を出して上段より斬り下ろす。
・尾形郷一無双神傳抜刀術兵法 両詰:
 (左右に坐して居る者を斬る)右手を柄に掛けるなり、腰を伸し(右へ掛かると見せて)右足を少し右へ踏出し其方向へ刀を引抜き咄嗟に左へ振向き(右片手にて)左側の者の胸部を突き直ぐ右へ振返りつつ諸手上段に引冠り右側の者へ斬込む。
・大江正路剣道手ほどき 両詰:
 (抜放け諸手にて真向を突き斬る)座したる処より右足を少し出して、刀を抜き、柄元を臍下に当て、右足を踏み出して、前方を諸手にて突き、其姿勢のまゝ、上段にて前面を真向に斬る。
・英信流居合目録秘訣(参考) 両詰:
 是又仕物抔言付けられ又は乱世の時分などにわ使者などに行左右より詰かけられたる事間々之有る也ケ様の時の心得也尤外とても入用也、左右に詰かけられたる時一人宛て切らんとするときはおくれを取るなり故に抜や否や左わきの者を切先にて突すぐに右を切るべし其のざ惟手早きに有り、亦右腋の者に抜手を留らるべきと思う時は右を片手打に切り直に左を切るべし。
3、三角
・古伝神傳流秘書抜刀心持之事 三角:
 抜て身を添え右廻りに後へ振り廻りて打込也
・白石元一長谷川流奥居合 三角:
 (前右後の三方の敵に対して行う)右足を出すと同時に刀を抜き、右足を引きつけると同時に後方の敵を刺す。(この時左手は鞘口を握りたるまゝ右横腹の所に取り、右手は左側肘の上より後方の敵を刺す、両腕は交叉する如くし)更に右足先を軸として左足も従って後方に退き乍ら百八十度右方より廻り、前右後方の三人を一時に薙ぎ斬りたる後、(此時正面に向き左手は鐺が背に接する如く左方に十分開く)刀を振り冠り左膝を右足踝の所に引きつけてつき、右足を踏み出すと同時に上段より斬り下ろす。
・尾形郷一無双神傳抜刀術兵法 三角:
 (前右後の三人を斬る)正面より(左廻りに)後向き居合膝に座し、例により鯉口を切り右手を柄に掛け、前に掛かると見せて右足を摺り出し腰を伸ばし刀を引抜くなり、右足を左足に引きよせるなり刃部を外へ向け左腕外へ深く突込み、立上りつつ右へくるりと廻りながら前、右、後の三人を軽く斬り、正面へ向く、同時に左膝を跪きつつ諸手上段に引冠り右足踏込んで斬り込む。
・大江正路剣道手ほどき 三角
 該当せず
・英信流居合目録秘訣(参考)三角
 三人並び居る所を切る心得也ヶ様のときはふかぶかと勝んとする故におくれを取る也、居合の大事は浅く勝事肝要也、三人並居る所を抜打に紋所のあたりを切先はづれにはろうときはビクとするなり其所を仕留る也三人を一人ずつ切らんと思う心得なれば必仕損ずる也一度に払うて其おくれに付込で勝べし。
、四角
・古伝神傳流秘書抜刀心持之事 四角:
 抜左の後の角を突き右の後の角を切右の向を請流し左の向を切又右の向を切る也
・白石元一長谷川流奥居合 四角:
 (四隅四人の敵に対して行う)右前角の敵に斬りつくる如く気勢を見せ乍ら右足を出して刀を抜き終るや左後方の敵を刺し返す刀を以て(左方より冠り)右後方の敵を斬り(左膝にてまわる)尚刀を返さんとするや(右方より冠る)、右角の敵我に対し斬りかかるを受け流し、左前角の敵をきり続いて左方より冠り右前角の敵を斬る。
・尾形郷一無双神傳抜刀術兵法 四角:
 (四隅に居る者を斬る)正面に向い居合膝に座し、例により鯉口を切り右手を柄に掛け腰を伸し右膝をたてつつ(右前へ掛かると見せ)刀を其方向へ引抜き、咄嗟に左膝頭で(左廻りに)後斜へ廻り向き左後隅の者を(右片手にて)突き、直ぐ右へくるりと廻りつつ諸手上段に引冠り右後隅の者へ斬込み、直ぐ左へ廻りつつ刀を頭上へ振冠り(右前隅の者より斬込み来る太刀を受け流しながら)左前隅の者へ斬込み、直に再び右へ振向きつつ諸手上段に引冠り右前隅の者へ斬込む。
・大江正路剣道手ほどき 四方切:
 右足を右斜へ出し、刀を右斜に抜き、刀峯を胸の処に当て、刀を平として斜に左後を突き右側面の横に右足を踏み変え、上段にて切り、右足を左斜横に踏み変えて(請け返して打つ)上段となりて切り、右足を正面に踏み変えて、上段より切る。
英信流居合目録秘訣(参考)四角
 三角にかわる事無し是は前後左右に詰合う之心得也故に後ろへ迄まわって抜付る也
5、門入
・古伝神傳流秘書抜刀心持之事 門入
 該当せず
白石元一長谷川流奥居合 門入り
 該当せず
尾形郷一無双神傳抜刀術兵法 門入り
 該当せず
大江正路剣道手ほどき 門入:
 (進行中片手にて前を突き後を斬り前を斬る)右足を出したる時、刀を抜き、左足を出して、刀柄の握りを、腰に当て刀峯を胸に当て、右足を出して、右手を上に返し、刀刃を左外方に向け、敵の胸部を突き、其足踏みのまゝ体を左へ振り向け、後へ向き、上段にて斬り、直に右へ廻り前面に向き上段にて斬る。
英信流居合目録秘訣(参考) 門入:
 戸口に出入りするの心得也戸口に内に刀をふり上て待つを計知ときは刀の下緒のはしを左の手に取り刀を背てうつむきとどこおり無く走り込むべし我が胴中に切かくるや否や脇指を以抜つけに足をなぐべし
つづく
 

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