« 曽田本その1の6英信流居合目録秘訣原文1外之物ノ大事3遂懸切 | トップページ | 曾田本その1の6英信流居合目録秘訣原文1外之物ノ大事4惣捲形十 »

2018年6月30日 (土)

曽田本その1の6英信流居合目録秘訣読み解く1外之物ノ大事3遂懸切

曽田本その1
6.英信流居合目録秘訣読み解く
1、外之物ノ大事
3遂懸切
 刀ヲ抜我カ左ノ眼二付ケ走リ行テ打込但敵ノ右ノ方二付クハ悪シシ急二フリ廻リヌキハロヲガ故也 左ノ方二付テ追カクル心得宜シ
*
読み及び読み解く
 刀を抜き 我が左の眼に付け走り行きて打込む 但し敵の右の方に付くは悪い 急に振り向いて抜き払うが理由である 左の方に付けて追い掛ける心得が良い
 逃げる敵を追いかけるに当たり「刀を我が左の眼に付け走り行」は抜刀して、切先を我が左眼の方向に向け左青眼に構えて走り込んでゆく事を意味します。
 敵の左側から打ち込むべきで、右側に廻れば敵は振り向きざま抜き打ちに切って来る。この心得を忘れるなと云うのです。
 古伝神傳流秘書抜刀心持之事では「追懸切」です。
 「抜て向へ突付走り行其侭打込也」
 細かいことは何も言っていません。英信流居合目録秘訣の「遂懸切」に心得が充分です。
 古伝神傳流秘書の大森流居合之事に虎乱刀という、同じ様に敵を追いかけ抜き打つ業があります。
 「是は立つ事也幾足も走り行く内に右足にて打込み血震し納る也但し膝を付けず」
 少々現代居合とは違いますが、大江先生の正座の部、「追風」の古伝でしょう。大江先生の時代では虎乱刀も遂懸切(追懸切)も失伝して追風を創作したか既に変形していたかです。
 谷村亀之丞自雄によって英信流目録が書き写されています。その原本は林政誠によって書かれたものを写したとされます。林政誠は第14代林弥太夫政敬かも知れませんが解りません。
 その大森流居合之位「虎乱刀」
 「是は立てスカスカと幾足も行て右の足にて一文字に抜付(拂うてもよし)かむる時左の足一足ふみ込右の足にて打込む 血ぶるいの時左を右の足に揃え納る時右の足を引納 其時すねはつかぬ也」
是は、大江先生の正座之部の追風其のものでしょう。但し足運びが大江先生はスカスカと行くのではなく「上体をやや前に屈し、刀の柄を右手に持ち、敵を追い懸ける心持にて髄意前方に走り出で」と日本軍の「突撃!」の号令を思わせるものです。
 細川義昌系統と云われる無双神傳抜刀兵法第18代尾形郷一貫心先生の英信流奥居合之部「追掛斬」では「(前方歩み行く者を斬る)正面へ歩み往きつつ鯉口を切り左足を踏出したるとき右手を柄に掛け右足踏出すと共に刀を引抜き刀尖を前に柄頭を腹部へ引付け諸手となり小走に前方へ走り往きつつ上段に振冠り右足踏込んで斬込み刀を開き納める」
この業は其の心持ちをどの様にすべきか、其処に焦点を合わせればどのような追いかけ方であろうと間違いではないでしょう。
 大江先生の追風も虎走もそれなりです。
 

|

« 曽田本その1の6英信流居合目録秘訣原文1外之物ノ大事3遂懸切 | トップページ | 曾田本その1の6英信流居合目録秘訣原文1外之物ノ大事4惣捲形十 »

曽田本その1の6英信流居合目録秘訣読み解く」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 曽田本その1の6英信流居合目録秘訣原文1外之物ノ大事3遂懸切 | トップページ | 曾田本その1の6英信流居合目録秘訣原文1外之物ノ大事4惣捲形十 »