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2018年6月28日 (木)

曽田本その1の6英信流居合目録秘訣読み解く1外之物ノ大事2連達先跡

曽田本その1
6.英信流居合目録秘訣読み解く
1、外之物ノ大事
2連達 先跡
 是亦歩行ク内二向ヲ刀ノ柄二而突キ左廻リ二後ロヱフリ廻ル拍子二抜打二後ロヲ切又初柄ニテ突タル方ヲ切是ワ我前後二敵を連達タル時ノ事也旅行抔ノトキ盗賊抔跡先ツレ達時此心ヱ肝要也
読み及び読み解く
連達は敵を先跡(前後)にして同一方向に歩み行く状況です。是また歩み行くうちに向こう(前の敵)を刀の柄にて突き 左廻りに後ろへ振り廻る拍子に抜き打ちに後ろの敵を切る 又始めに柄にて突きたる敵を切る 是は我が前後に敵を連れ達たる時の事である 旅行などの時盗賊など後先連れ達時にこの心得肝要である。
 此の読みによる業は第17代大江正路先生によって変えられてしまった現代居合では奥居合立業の「行違」です。行き違いとは、敵が前後して前から歩いて来る場合に我と行き違う(すれ違う)ことを意味します。
 連れ達とは同一方向に前後して歩み行く事を意味します。これだけ取り違えては動作は同じでも意味が全く異なってしまいます。現代居合の可笑しな奥居合立業の「行違」はこの敵の進行方向の違いから起こった事に由来します。
 同一方向へ敵と連れ達てば直線状での攻防で成り立ちますが、敵が前方より歩み来るでは我は敵と筋を替って歩んでいるのですから、敵の歩む筋に入り込んで戦わなければなりません。
 想定違いにもかかわらず動作は同じなどでは何をしているのか傍目には解りません。
古伝神傳流秘書抜刀心持之事「連達」
 「歩み行くうち前を右の拳にて突きそのままに左廻りに振り返り後ろを切り 又前へ振り向きて打込む也」
 古伝神傳流秘書は、前を歩く敵を拳で突いています。英信流居合目録秘訣では前の敵を柄で突いています、突くですから柄頭で敵の後頭部を打ち据える様に突くのが効果的でしょう。
 古伝神傳流秘書の「行違」は大江先生に業名を取り上げられてしまったのですが「行違 行違いに左の脇に添へて拂い捨て冠って打ち込む也」と全く違う業です。これも大江先生の奥居合立業の「袖摺返」にその片鱗が有るや無しやでしょう。
 古伝は敵と行き違うさい、敵の左側を行き違いざまに抜刀して敵の胴を拂い捨てに斬り、行き違った敵に左廻りに振り向き真向に打ち込むわけですさまじい抜刀です。
 明治以降武士として刀も持てず、剣術では飯もろくに食えなかったころ、それでも剣術や居合は稽古する者もいたのでしょう。正しい伝承も断ち斬れた時ですから、業の混乱はあったでしょう。
 特に奥居合である抜刀心持之事は、大森流之事、英信流居合之事、棒術を経て、組太刀の太刀打之位、詰合、大小詰、大小立詰を終えて抜刀心持之事に至るわけで、明治維新後の元武士は飯の種を求めて居合どころでは無かったでしょう。
 出鱈目な替え業の聞きかじりなどの混乱もあっただろうと思わざるを得ません。それに輪をかけた時代錯誤による門外不出の閉鎖的根性も大きく影響したでしょう。

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