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2018年7月10日 (火)

曽田本その1の6英信流居合目録秘訣読み解く2上意之大事1虎走

曽田本その1
6.英信流居合目録秘訣読み解く
2、上意之大事
1虎走
 仕物抔云付けラレタル時ハ殊二此心得入用也其外トテモ此心得肝要也敵二間モ三間モ隔テゝ坐シテ居ル時ハ直二切ル事不能其上同坐シ人々居並ブ時ハ色二見セテハ仕損ル也サワラヌ躰二向フヱツカツカと腰ヲカガメ歩行内二抜口ノ外へ見ヱヌ様二躰ノ内ニテ刀ヲ逆サマ二抜キツクヘシ虎ノ一足ノ事ノ如シト知ル可シ大事トスル所ハ歩二アリハコヒ滞リ無ク取合スル事不能ノ位ト知ルベシ
 読みと読み解く
 上意による仕物抔を云いつけられた時は殊に此の心得入用である 其の外であってもこの心得肝要である 敵が二間も三間も隔てて坐している時は 直ぐに切る事は出来ない 其の上同坐している人々が居並んでいる時は 色に見せては仕損じるのである さわらぬ躰に向うへつかつかと腰を屈め歩み行くうちに 抜き口が外へ見えないように躰の内にて刀を逆さまに抜き出し 虎一足の如くと知るべきである 大事とする所は歩みに有 足運び滞りなく取合いする事 (不信感を周囲に)能えずの位と知るべきである 
 古伝神傳流秘書抜刀心持之事「虎走」
 居合膝に坐して居立って向へ腰をかがめつかつかと行抜口の外へ見えぬ様に抜付け打込 
 納又右の通り腰をかがめ後へ引抜付打込也
 古伝神傳流秘書大森流居合之事「虎乱刀」
 是は立事也幾足も走り行く内に右足にて打込み血震し納る也 但し膝を付けず
 大森流の虎乱刀は大江先生の追風ですが、走り込んで接近し抜打の一刀で斬り倒しています、特に抜口の見えない様な考慮をせよとは言っていません。
 虎走は、抜口の周囲にも見えない様な動作と刀を下に抜いて斬り上げて一刀で倒す心得であったのでしょう。
 追風も虎走りも、いつの間にか心得を忘れ、ドタバタ足音を立てて見たり、抜口など気にもせず抜き付けたりしています。
 是は、その様な想定で、廻りの者を気にせず、逃げる敵を追いかける想定に過ぎません。
 間境でドタドタ足踏みして、敵に我が接近を知らしめて抜き付けるなども掛け声を懸けると同様の一つの替え場面でしょう。
 抜き足差し脚忍び足で追風を演じている「虎乱刀」を拝見しましたが、「虎走」と混線した先師がおられたのでしょう。
 抜刀の方法も「刀を逆さまに抜きつく」などは失伝してしまっている様です。下からの切り上げは、防ぎ辛いもので仕損じない運剣の一つです。
 面白いのは、一刀目の抜付け、二刀目は真向に打込むに際しての左足捌が右足に左足膝を引き付け跪き右足を踏み込み打込むか(細川義昌先生系統)、抜き付けた足のまま跪いて打込むか(大江正路先生系統)などの教えもあって愉快ですが、状況次第でしょう。
 演武会では、「俺が正しい」などと馬鹿を言ってないで、流派の教えで演じていればいいだけです。

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