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2018年7月12日 (木)

曽田本その1の6英信流居合目録秘訣読み解く2上意之大事2両詰

曽田本その1
6.英信流居合目録秘訣読み解く
2、上意之大事
2両詰
・ 
 是又仕物抔言付ラレ又ハ乱世ノ時分抔二ワ使者抔二行左右ヨリ詰カケラレタル事間々有之也ヶ様ノ時ノ心得也尤其外トテモ入用也左右に詰カケラレタル時一人宛切ラントスルトキハオクレヲ取ナリ故二抜ヤ否ヤ左ワキノ者ヲ切先二而突スグ二右ヲ切ル可シ其ワサ唯手早キ二有亦右脇ノ者二抜手ヲ留ラルベキト思フ時ハ右ヲ片手打二切リスク二左ヲ切ルベシ
読み及び読み解く
 上意によって仕物を云いつけられた時や乱世の時分に使者などに行き 左右より詰め懸けられる事は間々あるものだ その様な時の心得である その外でも入用なものである 左右より詰め懸けられた時一人づつを切ろうとすると遅れを取るものである そこで抜くや否や左脇の者を切先で突き直ぐに右の者を切るべきである その業唯手早きにある 又 右の脇の者に抜く手を留めらると思う時は 右の者を片手で切り直ぐに左の者を切るべきである
 現代居合しか知らないものは両詰は17代大江正路先生によって改変されてしまった奥居合居業の七本目両詰を思い描くのですが、古伝は両脇から詰め寄られる時の応じ方を伝授しています。
 古伝神傳流秘書抜刀心持之事「両詰」
 「抜て片手にて左脇を突き直に振向いて右脇を切る 右脇へ抜打に切り付け左を切る」
 大江正路先生の改変してしまった奥居合居業の七本目「両詰」
 「(抜放け諸手にて真向を突き斬る)座したる處より右足を少し出して、刀を抜き、柄元を臍下に當て、右足を踏出して、前方を諸手にて突き、其姿勢のまま、上段にて前面を真向に斬る」
 是では古伝神傳流秘書の抜刀心持之事「向詰」です。
 「抜て諸手を懸け向を突打込也」
 土佐の居合は方向については明確に統一しています。「向」は正面に敵が居る場合、「両詰」は左右に敵に囲まれた場合です。場の想定では無く敵の位置関係を表しているわけです。居合は相手との攻防であって場の状況が優先するわけでは無いのです。
 下村派で下村茂市の兄弟子であった細川義昌の「両詰」を無双神傳抜刀術兵法の尾形郷一貫心先生の奥居合之部「両詰」
 「(左右に座して居る者を斬る)正面に向ひ居合膝に座し、例により鯉口を切り右手を柄に掛けるなり、腰を伸ばし(右へ掛かると見せて)右足を少し右へ踏み出し其方向へ刀を引抜き、咄嗟に左へ振向き(右片手にて)左側の者の胸部を突き、直ぐ右へ振返へりつつ、諸手上段み引冠り右側の者へ斬込み、刀を開き 納め終る」
 細川義昌先生の教えは古伝の運剣動作です。古伝が引き継がれていたのです。大江先生の改変が不思議です。
 ついでに細川義昌先生の「向詰」も稽古して見ます。これも尾形先生の手附からです。
 「(対座して居る者を斬る)正面に向ひ居合膝に座し、例により鯉口を切り、右手を柄に掛け、両膝を立つなり右足を少し右前へ踏出し、其方向へ刀を引抜き、右足を引戻すと共に、刀尖を向ふへ、柄頭を腹部へ引付け諸手となり(刀を水平に構へ)体を少し前へ進め、対手の胸部を突き、更に左足を進ませつつ諸手上段に引冠り、右足を踏込んで斬込み、刀を開き 納め終る」
 是も古伝の向詰です。大江先生は変です。そのまま大江先生の教えを受けた無双直伝英信流の居合を稽古する所はおかしいまま治せなくなってしまっています。 
 それでも先師の努力でそれなりですから「おおらかに」稽古しています。古伝は本物を目指す者の目標です。
 然し、古伝の両詰が「戸詰」と「戸脇」に別れ、戸障子の有る無しと、敵の位置が左右から、「戸詰」は戸障子の敷居の向こう右前と左前に我を迎える。
 「戸脇」は敷居の手前に居る我が方の左後と、敷居の向こう右前に居る想定になってしまいました。戸など無かったのに、戸の有る想定がついてドンドン特定の運剣動作に進化して行き基本の心持ちすら失念し始めている感があります。
 大江先生が付け加えた「戸」に後世の者が敏感過ぎてしまったのも本筋を外す原因だったのでしょう。
 
 

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