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2018年7月28日 (土)

曽田本その1の6英信流居合目録秘訣読み解く2上意之大事10鐺返

曽田本その1
6.英信流居合目録秘訣読み解く
2.上意之大事
10鐺返
 座シテ居ル時後ロヨリ小尻ヲ取テ押シアグルトキハ刀ヲ抜ク事ナラズ此時相手ノヒザ頭ヲ踏ミ其ノキヲヒ二向フヱタヲレテ抜突クベシ
読み及び読み解く
 座して居る時 後ろより鐺を取りて押し上ぐる時は 刀を抜く事ならず この時相手の膝を踏み其)きおい(気負う・競う・勢う)に向こうへ倒れて抜き突くべし
 座して居る時、後ろから鐺を取って上に押し挙げられたので抜く事が出来ない、鯉口を取って押し挙げられるままに腰を上げ、右に稍々振り向き、右足を以って相手の右膝を踏み付け、相手の気を奪うや(競り合う拍子に)前に伏す様に体を倒しながら、刀を抜き出し左脇から相手の胸を突く。
 左回りでも同様に出来るでしょう、この心得は、寧ろ業手附として稽古するものかも知れません。
 同様に鐺を取られる業は、現代居合では大江先生の立膝の部「瀧落」に見られます。
 「後を向き、徐ろに立ちて左足を後へ、一歩引き鞘を握りたる左を其儘膝下真直ぐに下げ、鐺を上げ後方を顧み、右手を膝上に置き同體にて左足を出し、右手を柄に掛け胸に當て右足を前に進むと同時に抜き、刀峯を胸部に當て、同體の儘左へ転旋して、體を後向け左足を前となし、其體の儘胸に當てたる刀を右手を伸ばし刀は刃を右横に平とし突き左足を出しつつ上段に取り、左膝を着き座しつつ頭上を斬る、血拭ひ刀を納む。」
 大江先生の直弟子だった政岡壱實先生はこの業で、相手が右手で鐺を取るか左手で鐺を取るかで動作をいじっています。鐺の握り方が上からか、下からか、又右上に押し付けられるか、左上に押し付けられるか、更に前に押し出されるか、後に退かれるかなど、相手の変化は幾つもあるでしょう。
 古伝神傳流秘書英信流之事「瀧落」
 「刀の鞘と共に左の足を一拍子に出して抜て後を突きすぐに右の足を踏込み打込み開納る此事は後よりこじりをおっ取りたる処也故に抜時こじりを以て當心持有り」
 古伝は、「おおらか」です。然し「抜く時こじりを以って當てる心持」が技の動作では失伝している様です。
 この鐺を取られた場合の応じ方は何故か古伝神傳流秘書では仕組み(組太)の大小立詰に三本見られます。一本目袖摺返・五本目蜻蛉返・六本目乱曲です、順に紹介しておきます。
大小立詰 一本目袖摺返
 「我が立て居る処へ相手右脇より来り我が刀の柄と鐺を取り抜かせしとする時其侭踏みしさり柄を相手の左の足のかがみに懸け中に入り又我右より来り組付をひじを張り躰を下り中に入る」
 手附の文言不十分ですが、文章通り出来るものです。大江先生はこの「袖摺返」の業名を奥居合立業に盗用した様です。
大小立詰五本目蜻蛉返
 「相手後より来り我が右の手を取り刀の鐺を取り背中に押付られたる時後へしさり中に入り倒す」
 是も手附不十分です。右手で我が右手を取り、左手で鐺を取られた想定で其の侭後ろに下がり相手と密着すれば倒し方は容易です。
大小立詰六本目乱曲
 「前の如く後より来り鐺を取り頻りにねじ廻し刀をぬかせじとする時後へ見返り左の手か右の手にて取りたるかを見定め相手左の手ならば我も左にて鯉口を押へ相手右ならば我も右にて取る城へ退き付けんとするを幸しさり中に入り倒す。」
 この文章で「相手左の手ならば我も左にて鯉口を押へ 相手右ならば我も右にてとる・・」の部分から振り向いて相手の右手か左手を見定め鯉口の取り様を示唆しています。左手ならば左手で鯉口をとる、右手ならば右手で鯉口を取るでは腑に落ちません。手附の文言に欠落があるか、写し間違いが有りそうです。
 
 あまり拘って見ても意味は無さそうですが・・。
 
 

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