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2018年7月26日 (木)

曽田本その1の6英信流居合目録秘訣読み解く2上意之大事9棚下

曽田本その1
6.英信流居合目録秘訣読み解く
2、上意之大事
9棚下
 二階下天井ノ下抔二於テ仕合フ二ハ上ヱ切アテゝ毎度不覺ヲ取物也故二打込ム拍子二脺ヲ突イテ打込ム可シ此習ヲ心得ルトキワス子ヲツカストモ上ヘ二不當心持有
 読み及び読み解く
 二階下 天上の下抔において仕合うには 上へ切りあてて毎度不覚を取るものである 故に打込む拍子に脺(膝・脛の誤写或は誤字)を着いて打込むものである この習いを心得る時は脛を着かずとも上に当てざる心持ち有り
 古伝神傳流秘書抜刀心持之事に「棚下」の手附があります。
 「大森流逆刀の如く立て上へ抜打込む時躰をうつむき打込む是は二階下様の上へ打込ぬ心持也」
 業手附と心得は同じ状況と云えるでしょう。
 二階の下や天井の下などの低い所での試合は刀を上に無造作に振り上げて斬り下ろそうとすれば天上に斬り込んで不覚を取る。
 打込む拍子に脛(すね)を床に着いて打込む心得を以って打込め。稽古業は大森流逆刀(大江先生の正座の部「附込」の様に、(相手が切って懸るを、)立ち上り刀を上へ抜き出し打込む時に俯いて打込むのだ、と示唆しているのでしょう。
 大江先生の棚下は奥居合居業之部にあります。
 「(頭を下げて斬る)座したる處より、頭を前方に下げ、稍や腰を屈め右足を少し出しつつ、刀を抜き、上体を上に起すと同時に上段となり、右足を踏み込み真直に切り下ろす」
 是は居合膝に座した状況から上が低い場所から抜け出して打込む想定によるものとすっかり現代居合では摺り込まれていますが、大江先生其処まで何処にも書かれていません。稽古では中学生に「棚から這い出て切る」と教えていたかどうか。
 「右足を少し出しつつ」で棚下から抜け出れるかは、棚次第です。
 細川義昌先生の教えによる無双神傳抜刀術兵法尾形郷一先生の奥居合「棚下」
 「(上の閊へる所にて前の者を斬る)正面に向ひ居合膝に座し、例により鯉口を切り右手を柄に掛け体を前へ俯け腰を少し浮かせ、左足を後へ退き伸し、其膝頭をつかへ、刀を背負ふ様に左後頭上へ引抜き、諸手を掛け、前者へ斬込み、其まま刀を右へ開き納めつつ、体を引き起こし右脛を引付けるなり、左踵上へ臀部を下し、納め終る」
 この、手附では大江先生の棚下から這い出て斬り込むのではなく棚下での応じ方を示しています。従って体を俯け、左足を後方に退いて抜刀し、その姿勢のまま上体を起こさずに斬り付けています。
 文言上の「・・其膝頭をつかへ・・」の部分の読み取りですが、左足を後方に退き伸ばして、膝を床に着き・・でしょうか。右足を踏み込まずに斬り付けています。
 この心得はどのような天井の高さでも上段からの斬り付けです。現代居合河野先生の様に棚下から這い出て切る・・この状況は無いとは言えませんが、床下や天井の低い所での攻防もあるわけで、今日思い描く棚下が短く這い出ることの出来る状況と、床下や天井下では這い出ないで戦うことの両方を学ぶべきかもしれません。
 大江先生の教えにも這い出る事は文言に無いのですが、動作を学び業名の「棚下」を思い描くと後世の者は、戸詰・戸脇と同様にその場の状況ばかり優先して根元を見失うものです。
 壁添での教えは「突く事肝要」でした。何が何でも真向斬り下ろさなければならない状況では無いと思えます。

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