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2018年7月14日 (土)

曽田本その1の6英信流居合目録秘訣読み解く2上意之大事3三角

曽田本その1
6.英信流居合目録秘訣読み解く
2、上意之大事
3三角
 三人並居ル所ヲ切ル心得也ヶ様ノトキフブカと勝ンとスル故二オクレヲ取ル也居合ノ大事ハ浅ク勝事肝要也三人並居ル所ヲ抜打二紋所ノアタリヲ切先ハツレ二ハロヲトキハビクトスルナリ其所ヲ仕留ル也三人ヲ一人ヅツ切ラント思フ心得ナレバ必仕損スル也一度二拂フテ其オクレ二付込デ勝ベシ
読み及び読み解く
 三角はさんかくでしょう、「みすみ」と読ませる先生も居たような。
 三人並び居る所を切る心得である ケ様の時深々と勝たんとする故に遅れを取るのである 居合の大事は浅く勝事が肝要である 三人並び居る所を抜打ちに紋所の辺りを切先外れに払う時はビクとするので その所を仕留めるのである 三人を一人ずつ切ろうと思えば必ず仕損じるものである 一度に切り払いその臆するところに付け込んで勝つものである
古伝神傳流秘書抜刀心持之事「三角」
 「抜て身を添へ右廻りに後へ振り廻りて打込也」
 古伝の三角の手附は不十分でどうしてよいかわからないのですが、この英信流居合目録秘訣を読んでなるほどと納得です。
 三人の敵に囲まれた場合、一人ずつ斬ると考えずに、目の前の敵に向かって浅手に抜き付けるや右廻りに刀に身を添える様にして、後ろに振り廻って前・右・後の三人を紋所の辺りに切先浅く斬り通し、刀を右肩から振り冠って後ろの敵を斬り、右の敵の斬り込んで来るのを請け流し、前の敵に打ち下ろし、右の敵に斬り込む、のでしょう。
 敵の配置が如何様でも同じ様二するのです。
 この二古伝の三角は大江先生は奥居合居業では残さず、「四方切」として左後ろを刺突し・右前の敵を諸手上段から斬り下ろし・左前・正面と真向に斬り下ろし四人の敵を一人ずつ斬っています。
 上意之大事の教えを知っていればこの様な運剣は指導しなかったかも知れません。剣術は小栗流を学んでいた様ですからそこらに要因があったかもしれません。
 下村茂市先生の門人で大江先生の兄弟子であった細川義昌先生の三角は手元資料ではその系統の白石元一先生の「大森流長谷川流伯耆流居合術手引」と尾形郷一先生の「無双神傳抜刀術兵法」に「三角」が残されています。
 尾形郷一先生の英信流奥居合之部「三角」
 「(前右後の三人を斬る)正面より(左廻りに)後向き 居合膝の座し例により鯉口を切り右手を柄に掛け 前に掛かると見せて 右足を摺り出し腰を伸し 刀を引き抜くなり 右足を左足に引きよせるなり刃部を外へ向け 左腕外深く突込み 立ち上がりつつ右へくるりと廻りながら前、右、後の三人を軽く斬り 正面へ向く 同時に左足を跪きつつ諸手上段に引冠り 右足踏込んで斬込み 刀を開き納め終る」
 細川先生の三角も動作では古伝神傳流秘書と違うな、と思いつつも大江先生よりも三角の心持ちを残している様です。
 後向きに坐したのですから、先ず後ろの敵(元前に坐す敵)を刺突し、立ち上って左の敵(元右に座す敵)を右廻りに軽く斬り、前の敵(元後ろの敵)も右廻りに軽く斬り、後の敵(元前の敵)にも軽く斬り付け右肩から刀を上段に振り冠って諸手で前の敵の真向に斬り付け 開き納める、のでしょう。元右と元後ろの敵は軽く斬られるだけで、元前の敵は刺突され、軽く斬られ真向に斬られているのでしょう。
 チョット中途半端ですが上意之大事を心得た運剣です。 
 大江先生系統はこの上意之大事三角の心持ちを引き継がなかった様で、演武形としては見栄えは良いのですが、途中で切られてしまいそうです。大江先生の独創が先行したと云えるでしょう。
 

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