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2018年8月25日 (土)

曽田本その1の6英信流居合目録秘訣読み解く3極意ノ大事10智羅離風車

曽田本その1
6.英信流居合目録秘訣読み解く
3、極意ノ大事
10智羅離風車
 手拭ニテモ煙草入ニテモ向ノ面二投付ケテビクトスル所ヲ可切又刀ヲ抜キテ其手二扇抔ヲ持添テ打込躰ニテ其扇ヲ投ケ付ビクトスル所ヲ打込勝ナリ
*
読み及び読み解く
 手拭にても煙草入れにても 向うの面に投げ付けてビクとする所を切るべきである 又 刀を抜きて其の手に扇抔を持ち添えて打込むていにて其の扇を投げ付けビクとする所を打ち込み勝つのである
 手拭でも煙草入れでも相手に投げ付ければビクとするので其の隙に斬り付ける、又刀を抜いて柄手に扇などを持って打ち込むような様子で扇などを相手に投げ付ければビクとするので其の機に乗じて打込み勝つのである。
 どの様に扇を持ちどの様に投げ付けるのかの手附は有りません。扇を何処に持っていたのか、どのタイミングで柄手に添えるのか。
 それによって打込むと見せて扇だけを相手に投げ付けつのか、工夫が要ります。難しい事では無いけれど目標に扇が向って飛んで行かなければ相手はビクなどしてくれません。
 極意の心得には十分に理解して納得いくまで稽古が必要でしょう。極意ノ大事の「智羅離風車」の題名の由来は念じるばかりで何処にもありません。
 いずれにしても飛び道具で先制攻撃を仕掛けビクとする所を切る、無双直伝英信流の極意です。
* 
 極意ノ大事の10項目目「智羅離風車」の読みは「ちらりふうしゃ」でしょう。
 「ちらり」は光・影などが一瞬間、わずかに目に触れるさま、と広辞苑は解説しています。
 風車は何でしょう。物の動きを一瞬に捉える感覚は虫でも鳥でも優れています。人も同様に周囲の変化を敏感に読み取っています。
 極意の大事では、相手の虚をつく教えが十項目も語られていました。これを卑怯なふるまいと捉えるべきでしょうか。
 「・・右之ハタラキヲ敵ガスレバ此方ノ負ト成ル事ノ上ニテ是ヨリ外ノ仕筋無深ク工夫有ルベシ」と居合兵法極意秘訣の老父物語の中に残されています。
 更に「此所ハ我ト得道スヘシ外人ヨリ教ガタシ我ガ心二合点而無理二事ヲセズ気分一ッパヒニハタラキ見ル可シ此ノ上二イカヌワフタンレンカ心マドヒヱ合点セヌカ吾ヲク病カ真剣之時ハ天命天運外二ナシ・・」と突き放されます。自分で合点できなければ「修業が足らないよ」と云われてしまいます。
 河野百錬先生は居合に就いて疑問があると穂岐山波雄先生か、曽田虎彦先生にお手紙を出されています。
 「居合ハ本来ノ目的ヨリシテ剣道ノ所謂先々ノ先ニアラズシテ先又ハ后ノ先ノ一刀ト信ジマスガ 上意抜打ハ別トシ(之トテ上意ト呼ビテナストスル)一切「ダマシ」打二スル事は無之ト信ジマスガ・・」と質問されています。
 「ダマシ」打ち、と敵の虚をつく事の違いをどの様に合点するか、不意打ちと卑怯な行為とは何か、考えさせられるところでもあるでしょう。
 生死をかけての戦いとルールによるスポーツと混同すべき事とは全く違う事が理解出来なければ、居合も武的演舞で充分です。
 そして、裏には裏を返す、表裏一体の修行も当然ついているのです。古伝神傳流秘書に有る夏原流和之事には本手には本手之移、立合には後立合、小具足には小具足割とあって表と裏が語られています。
 武術の教本は、その域に達しない者には、読み解く事は出来ない。当然の事ですが、形を真似るだけの者が、講習会などで講師の解説が理解できないのも当然で、講習に出ても得られるものは少なかろうと思います。
 講習生の実力に合わせて講師が迎合する様でも困ったものですが・・思いつくままに。
 
 
 
 

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