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2018年8月29日 (水)

曽田本その1の6英信流居合目録秘訣読み解く4居合心持肝要之大事2太刀組附位

曽田本その1
6.英信流居合目録秘訣読み解く
4、居合心持肝要之大事
2太刀組附位
 互二太刀ヲ打下シ組付ケタル所二勝アリ敵ノ太刀ヨリ遅キト見ヱテモ上太刀ト成位アリ唯肝要ハ拳也
 組付タル処ニテ其気先ニテスク二突ベシ
*読み及び読み解く
 互に太刀を打ち下し組付けたる処に勝ちあり敵の太刀より遅きと見えても上太刀(うわだち)となる位あり 唯肝要は拳である
 組付けたる処にて其の切先にて直ぐに突くのである
 「互に太刀を打ち下ろし」ですから、上段から真向に互に打ち込むのであれば、新陰流の「合し打ち」と取れます。
 相手が真向に打ち下ろして来るのを我も真向に打ち下し、相手の太刀に上太刀となって、相手の太刀は我が頭上から外され、我が太刀は相手の真向をとらえています。
 「肝要は拳也」ですからこの合し打ちでも拳を捏ねないなどの口伝もあるのですが、此処では「合し打ち」で相手の太刀を打ち外して相手の拳を打ち、即座に切先を摺り込んで相手の胸を突く、と読み取れば良さそうです。
 或いは、相手の打ち下して来る太刀を新陰流の「和卜」で打ち外し拳に乗って勝のもありでしょう。
 古伝では江戸で習ったか土佐で身に着けたか柳生新陰流を第九代林六大夫守政は、此の居合に組み込んでいます。この伝書が学ぶ者に伝わっていれば無双直伝英信流も総合武術として格調高い武術として伝承されたでしょう。
 しかし、折角土佐に持ち込まれたこの「太刀組附位」は、この教えだけであって、稽古として業手附がすっぽ抜けています。林六大夫は恐らく大森六郎左衛門より真陰流の目録も伝授されなかったのでしょう。
 大森六郎左衛門もかなりの使い手であったかもしれませんが業技法の実技指導者であってもそれ以上では無かったと推察します。
 残念ながら、秘されたまま是等は伝承せずに、居合抜ばかりが伝承されたと云えるでしょう。
 この事は第17代大江正路先生によると云うよりも、大江先生に正しく伝承できなかった江戸末期から明治半ばの空白期間と人脈の疲弊状況によるものと思われます。
 従って現代居合が居合に片寄り武術論すら認識できない居合人を育ててしまったのもやむなしと云えるでしょう。
 一つの業から幾つもの想定すらも描けずに、決められた稽古順序に従って常に同じ想定での形ばかりの居合に拘り、武的演舞を良しとせざるを得ないのもやむおえないかもしれません。
 それでは、武術を語る事も、武術から学ぶべきものも少ないものと思えて仕方がありません。
 

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