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2018年8月 1日 (水)

曽田本その1の6英信流居合目録秘訣読み解く2上意之大事12手之内

曽田本その1
6.英信流居合目録秘訣読み解く
2、上意之大事
12手之内
 敵ト刀ヲ打合ハスル二合刀セズト云事ナシ其合刀シタル所二而敵之拳ヲ押へて突クベシ
 読み及び読み解く
 敵と刀を打ち合わするに 刀を合わせずと云う事なし 其の刀を合わせたる所にて敵の拳を押さえて突くべし
 この心得に相当する無双直伝英信流の居合及び仕組(組太刀)を思い描くのですが「刀を合わせたる所にて敵の拳を押さへて突」ような業技法が思い描けません。
 「刀を合わす」とすると普通は、真向に打ち込まれれば「請け太刀」になってから、はじいて打込む、摺落して打込む、受け流して打込む、あるいは受けずに筋を替って避けて打込むなどでしょう。
 ここでの要求は「相手の打込みを受けた時には相手の拳に我が太刀が打ち込まれそのまま突くのだ」と云っているのです。
 「手之内」「と云いますから、柄の握りやその締め緩め、あるいは複雑な操作を心得ろと居合や竹刀剣道では思い描きそうですが、そんな初歩的な事でもない教えと云えます。
 新陰流には「合し打ち・和卜・一刀両断・斬釘截鉄」など古流剣術にはいくつか、この上意之大事に答えられる極意業が存在します。
 一刀流の「斬り落し」などもその一つでしょう。
 実際やって見ても、形は出来ても術にならず、相手の太刀を斬り落せても突きに至れずでなまじの稽古では、極意は見えてこないものです。
 柳生新陰流の和卜について「足腰の力で僅かに太刀を沈めて、打って来る相手の太刀を打ち落すだけであるが、習得が難しい。『月の抄と尾張柳生』には「古来の伝として、和卜の形一本をもって百本にまさると言われている」とある。(2007年発行赤羽根龍夫著「江戸武士の身体操作柳生新陰流を学ぶ」より)と書かれています。
 相手太刀を斬り落した時には我が太刀は相手の拳に乗って斬り進み胸に突き込まれているわけです。
 第九代林六大夫守政の剣術の師匠が真陰流の大森六郎左衛門と古伝神傳流秘書の大森流居合之事の前書きに有ります。上泉伊勢守信綱の古流五本の形があったが守政先生限りで絶え・・ですから新陰流の三学円の太刀五本の一刀両断を思い描きます。
 英信流居合目録秘訣を読み進みますと、第九代林六大夫守政は無双神傳英信流居合兵法を第8代荒井勢哲、又は第7代長谷川英信に手ほどきを受けたか、そのどちらかの江戸での弟子の手解きだったか、神傳流秘書に書き残せるだけの力量を身に着け、剣術は大森六郎左衛門の手ほどきを受けたのでしょう。
 其の心得は随所に垣間見られますが、合体させるだけのものには至れなかった、次代の方々は居合にのめり込むばかりで、林六大夫の神傳流秘書にある総合武術に達する事は出来なかった様に思えてきました。
 しかし、業技法の伝承は失われたとしても、この古伝が残されていただけ、無双直伝英信流を学ぶものとしては幸いだったと痛感しています。
 

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コメント

ミツヒラ先生

御無沙汰致しております。

先生の通り、柄口六寸勝にも読めますが、私は単に太刀打之事 附入の変化と読んでおりました。


玄様
コメントありがとうございます。
太刀打之事二本目附入は大江先生の居合道形二本目「拳取」ですね「抜き合せて、相手が後ろへ引かんとするを附入り左の手にて拳を制して切先で突き込む」のでした。
 そのまま「手之内」の事と合うのですが、これでは、抜き合わせて刀で相打ちになってから、附け入って左手で相手の拳を制して右手で持った太刀で突くので相打・拳取・突の三つの動作を順番に行わなければなりません。
 ここは「合刀したる所にて敵の拳を押さえて突」を読むと、相手の刀が打ち込んで来るのを受けたその處で敵の拳を押えて突、とすれば、一拍子の勝になります。
居合兵法極意秘訣の一連の英信流居合目録秘訣上意之大事の教えですから、刀で相手の刀を受けてから拳をとり相手を崩して置いて突という動作では無さそうです。
 打ち込んで来る相手の拳に打ち込む、所謂柄口六寸の勝でしょう。
 手之内、輪之内、十文字と続きますのでお読みいただきご理解戴ければとおもいます。
           ミツヒラ

投稿: 玄 | 2018年8月 2日 (木) 11時51分

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