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2018年9月 2日 (日)

曽田本その1の6英信流居合目録秘訣読み解く4居合心持肝要之大事3太刀目附之事3

曽田本その1
6.英信流居合目録秘訣読み解く
4、居合心持肝要之大事
3太刀目附之事3
 この英信流居合目録秘訣の居合心持肝要之大事にある太刀目附は「敵の足に目を付けべし」でした。
 是は居合心持肝要之大事ですから居合の際の目付けになります。
 そこで、無双直伝英信流及び夢想神傳流の目付けはどうなっているのでしょう。
 教本によってどのように捉えていたかを見て見ましょう。
木村栄寿著昭和57年「林崎抜刀術兵法夢想神傳重信流伝書集及び業手付解説」
 抜刀術童蒙初心之心持「指體容を直に胴のぬけざるようにして両手を膝に置打向ふ敵を見定める心持にて向へ・・」
大江正路・堀田捨次郎著「剣道手ほどき」視線
 「両手を膝上に置き心を安静にし丹田に気力を整へ四肢を緩やかにし眼の視線は正座前方七尺の所を凝視し・・
 河野百錬著昭和13年「無双直伝英信流居合道」
 居合の作法並に心得「着眼」
 「1、坐したる時の着眼は目の高さに於ける前方空眼(9尺位ひの辺り)(一定の箇所に留むるにあらず、八方に心眼を注ぐの意)遠山を望む気持ちたるべし。
  2、動作中の着眼は、仮想の敵になす。(対敵の場合は6尺位ひの辺り)業によりて一定せざるも、横一文字の抜き付けは敵未だ仆れざるの態にて、坐したる時の着眼の高さに於いてなし、最後の打下したる時は其の打下す太刀の後を追ひて約6尺位に前方(仆れたる敵の体を見越したる点)の床を注視するを適当とせん、是は正座一本目の業を中心としての着眼なるも、業に依り種々相違あるは言をまたず、要は抜刀の真意を解し、臨機自然の着眼を為すを本旨とす。
  3、動作中は妄りに瞬きをせぬ様心すべき事。」
 河野百錬著昭和17年「大日本居合道図譜」
 「打向ふ敵を確かに見定むる心持にて向ひ・・」
 河野百錬著昭和37年「居合道真諦」無双直伝英信流嘆異録
 目付の事:「目付は常に敵に、とワカリキッタ事が実行されて居ない人を多々見受けるが之は業の真意を解さぬ証左である、武道はすべて目付が肝要である。」
 政岡壱實著昭和49年「無双直伝英信流居合兵法地之巻」
 英信流居合道の作法と心得座り方
 「座し終わった時親指は重ねず接す。膝頭は両拳を入れる程に開く(膝の巾が肩幅と同じともいわれている)腰は押し出す気持ちで臍下丹田に力を充たし、腹は出さないで腰をはる。上体は真直に、両肩は自然に下げて胸ははらず顎を少し引きうなじをのばして頭は真直に保ち、口は軽く結び奥歯をかみしめる気持ちで、眼は半眼に開き、3mほど前方にそそぎ遠山の目附をなす。対手のある時はその周囲にも目をくばる(敵の一部を見つめることなく敵全体を中心として周囲にも目をくばる)勿論左右前後にまでも心眼をそそぐべきである。両手は肘に力を入れることなく股の基部にハの字に軽くおき、肘は柔かく自然に張る。この時の気持は極めて自然であり、武張らず柔かで而も臍下丹田に気力を充実していることが大切である。然しこの気力は決して外に露わざず物静かなるを要す。」
山蔦重吉著「夢想神傳流居合道」着眼(目付け)
 「正座、立膝いずれの場合でも前方三メートル下に着眼するものであるが、これを遠山の目付けといい、目標の一点に着眼はするが遠くの山を望むごとく目を半眼にして、全体を見るように左右の視野を広げる心持が大切である。動作中は常に敵に目を付け、斬下した場合には、倒れた敵(その倒れた敵を含めた三メートル位前方)に目を付ける。あまりうつむきすぎてはならない。」
檀崎友影著「居合道教本」着眼
 「正座の時も立膝の時も、眼付けは、前方凡そ九尺(2.7メートル)とする。一ケ所に着眼するといっても八方に心眼を注ぎ遠山を望む気持ちになることである。動作中に対敵およそ六尺(1.8メートル)斬下した場合、その刀のあとを追うように又、倒れた場合敵を見越した点になるが、その場合の臨機自然の着眼となるのを本旨とする。目は半眼になるのを常とする。」
加茂治作著「無双直伝英信流居合道」目付け
 「ほぼ九尺(270センチ、3メートル弱)の距離をおいて相手を見るのが、ふつう、居合の目付けである。施術後、敵が倒れたとき、これを目付けにする。ただし、他敵の来襲に心をくばり、遠山の目付けもたいせつである。目付けは、特殊の業以外に首を動かしてはいけない。いわゆる落とし目、流し目を理想とする。」
池田聖昂著平成17年「無双直伝英信流居合道解説」一般基本事項
 「正座したる時、其の眼付けは約3m位(約十尺位)先に付けるが、一定箇所に目付けを固定するに非ず、八方に心眼を注ぐ意、即ち遠く山を望む心持ちにて見る事が肝要である。」
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 まだまだ、居合の資料はあるのですが、この辺にしておきましょう。河野先生、政岡先生の十分突っ込んだ解説で「かたち」は出来上がるでしょう。しかし、本来武術です。
「かたち」は似ていても術になるかは、その人の哲学によるもあり、更に心と身体の奥へ踏込まなければ、切るも、切らずにおさめるにも、仮想的相手の武的演舞はともかく、実場面では役に立たないものでしょう。
 次回はもう一度古流剣術に戻って目付を考えて見ます。
 
 

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