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2018年9月13日 (木)

曽田本その1の6英信流居合目録秘訣読み解く4居合心持之大事8獅子洞入・獅子洞出

曽田本その1
6.英信流居合目録秘訣読み解く
4、居合心持之大事
8獅子洞入・獅子洞出
 是以戸口抔ヲ入ルノ習也其外トテモ心得可有或ハ取籠者抔戸口ノ内二刀ヲ振上テ居ルトキハ容易二入ル事不能其時刀ヲ抜テ背二負タル如ク二右ノ手二而振リ上ケ左ノ手ニテ脇差指ヲ提ゲウツムキテ戸口ヲ入ルベシ上ヨリ打込メバ刀ニテフセキ下ヲナクレバ脇指二而留ル向フノ足ヲナグ可シ獅子洞出是以同出入ノ心得ヲ知ラスル也
以上
居合目録口□(受)覚終
 読み及び読み解く
 是を以て戸口などを入る習いとする その外の状況でも心得て置くべきである 或いは取籠り者などが戸口の内に刀を振り上げて居る時は容易に入る事は出来ない その時刀を抜いて背に負う様にして右の手を振り上げ左の手に脇差を下げて俯いて戸口を入るのである 上より打ち込んで来れば背に負った刀で防ぎ下を薙ぐって来れば脇差で留めて 相手の足を刀で薙ぐのである 獅子洞出である 是を以て同じく出入の心得を知らすのである
 第17代大江正路先生は奥居合立業の部に「門入」と云う業名の業を独創されています。門入の呼称ですから門の出入りの業だろうと現代居合では第20代河野百錬先生が「門入」の解説をしています。(昭和17年大日本居合道図譜より)
 門入の意義「我れ門の出入に際し、門の内外に多数の敵を受けたる時(前後に多敵を受けたる場合と同意)我れ門の真中に進み内外の敵を仆の意なり。」
 門の内外から敵を受けたと場の想定を河野先生は附け加えてしまったのですが、(本来前後に多敵を受けたる場合)が元なのです。
 業名の過剰反応が後世の「門入」に更に付加されたのです。「頭上に鴨居又は門等ありて刀先の閊える場合に行う業也」(昭和58年第21代福井聖山先生著無双直伝英信流居合道第二巻より)
 第22代も之を引き継いで居ます。無双直伝英信流正統会の「門入」は門の鴨居を意識した動作が優先してしまった様です。動作のポイントは棚下の上に当たらない様な抜刀と振り冠り及び、切先が上に当たらない打ち込みにあるようです。手打しか出来ない居合では棚下での打下は殆ど無力です。
 恐らく、大江先生は古伝は伝承していないでしょう。奥居合も下村茂市に指導を受けられたか疑問です。
 独創された事は間違いないと思いますが、その後の河野先生の探求心がポイントを外してしまい、次代に引き継がれて門がメインになってしまったのでしょう。
 古伝英信流居合目録秘訣上意之大事
 門入「戸口を出入するの心得也戸口の内に刀を振り上げて待つを計り知る時は刀の下緒の端を左の手に取刀を背負いて俯き滞り無く走り込むべし我が胴中に切りかくるや否や脇指を以って抜き付け足を薙ぐべし」
 棚下
 「二階下天井の下などに於て仕合うには上へ切りあてゝ毎度不覚を取ものなり故に打込む拍子に膝(脛)を着いて打込むべし此の習を心得る時は脛を着かずとも上に当たらざる心持ち有り 
 大江先生の門入
 「(進行中片手にて前を突き後を斬り前を斬る)右足を出したる時、刀を抜き、左足を出して、刀柄の握りを、腰に當て刀峯を胸に當て、右足を出して、右手を上に返し、刀刃を左外方に向け、敵の胸部を突き、其の足踏みのまゝ體を左へ振り向け、後へ向き、上段にて斬り、直に右へ廻り前面に向き上段にて斬る」
 この動作は、前面の敵を刺突する初動に掛かっています。ただ動作のみ追ったのではただの体操です。
 門入の業名に捉われてしまうか、前後の敵に応じる緊迫した状況を充分学ぶかは指導者の居合哲学に因るかも知れません。
 しかし現代居合は場の想定を重要視していますが却って動作を複雑にしている様です。
* 次いでですから細川義昌先生の奥居合には立業の「門入」は無く居業の「棚下」があります。
 「(上の閊へる所にて前の者を斬る)・・右手を柄に掛け体を前へ俯け腰を少し浮かせ、左足を後へ退き伸ばし、其膝頭をつかへ、刀を背負う様に左後頭上へ引抜き、諸手を掛け、前者へ斬込み、其のまま刀を右へ開き納めつつ、体を引き起こし右脛を引き付ける也・・」
 是は大江先生も習われたか見たことがある下村派の奥居合です。棚下から這い出る動作は見られず棚下での抜刀及び斬り込む事がポイントです。(昭和49年貫汪館発行尾形郷一先生の無双神殿抜刀術兵法より)
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                  曽田先生の写し
                  土佐の居合は腰布一枚の絵がほとんどです。
                  着衣から武士と百姓の間に位置する人の武術の様に
                  思えます。
以上
居合目録口□(受)覚終わり

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