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2018年9月 1日 (土)

曽田本その1の6英信流居合目録秘訣読み解く4居合心持肝要之大事3太刀目附之事2

曽田本その1
6.英信流居合目録秘訣読み解く
4、居合心持ち肝要之大事
3太刀目附之事(その2)
 古伝英信流居合目録秘訣では太刀目附之事
 「敵の足に目を付けべし是にて場合能く知るるのみならず臆せざる也是を上見ぬ鷲の位とも云なり心は下に有って事サ上に速に応ずる油断無の心なり」
そこで古来からどの様に目付について言われているのかを探ってきました。もう少し捜してみましょう。
 何も考えずに、習ったままに他にはやった事も無く、習ったままに相手の顔や眼を見るのが目付でしょうか。其のまま後輩に嘘を教えていいのでしょうか。
 前回まででも随分納得されたと思いますが習っただけしかやっていなかった方は、教えのどれか自分のと違うものを一年ばかり稽古してその意味を学び飛躍できればしめたものです。
笹森順造著昭40年「一刀流極意」
 一刀流兵法十二ヶ条目録「二つ之目付之事」
 「人に目が二つある。一つの物を見るのにも二つの目をつかう。片目で一方から見たのでは物が平面に見えて立体の遠近や真相がはっきりわからない。両眼で見て始めて実体が正確にわかる。物を見る時に目についた表面の一部分だけに気をとられたのでは本当の物を見そこなう。特に目に付いた部分が全体の中でその一部分と最も関係の深い他の要な部分を見のがしてはならない。
 一部分と全体を見るべきである。
 相手の体と心理を見る。相手の眼中と心中とを見る。即ち有形と無形とを見る。
 相手の技の起る所と納まる所とをともに見て応ずるべきである。
 相手と己れを見る心がけが必要である。
 眼も心も居付いてはならない。
 大局に一局を見、一局に大局を忘れず。活眼を開いて彼我の有無と一切の一円を見る事を本旨とする。」
 目心之大事:「目心の極致は目に見えた形の窓から奥の院の心の扉を開いて霊眼を以て不動妙智を看破することである。有形を通して無形を見、万象の実相に即応して中らざるなきに至るのは目心の至極である。」
 捨目付:「形に見える目付を捨て心にて過現未の三色を透見し万全の真相を直観する明哲至極の位に登る目付、思無邪の目付。」
千葉栄一郎編「千葉周作遺構」(オンデマンド版)
 北辰一刀流十二箇条釈
 二之目付之事:「二の目付とあるは、敵に二つの目付あると云事也。先敵を一体に見中に目の付所二つ有となり。切先に目を付、拳に目を付るなり。是二つなり。敵の拳動ねば、打事叶はず。切先動ねば打事叶はず。是二の目付也。又敵に耳目を付て己を忘れてはならず。故に我も知り、彼も知るべき事を、為がため、二之目付也」
 目心之大事:「目心とは目で見るな、心で見よと云事なり。目に見るものは迷ひあり、心より見るものは迷はず、目は目付役に使、心の目にて見るなり。目の用も速かなるものなれども、心にて主宰するものなれば、未だ動止せざる前に動止を知るは心の功なり」
*
高野澄編訳平成15年「山岡鉄舟剣禅話」
阿部正人編山岡鉄舟筆記「鉄舟随感録」一刀流兵法箇条目録
 ニ之目付之事:「ニの目付とは、敵に二つの目付ありと云ふ事なり。先ず敵を一体に見る中に、目の付け所二つあり、切先に目をつけ、拳に目を付く、是れ二つなり、故に拳うごかねばうつことかなわず、切先うごかねばうつことかなわず。是れ二目 をつくる所以なり。敵にのみ目を付け、手前を忘れてはならぬ故、己をも知り彼をも知る必要あるを以て旁々之を二の目付けと云ふなり。」
 山田次郎吉大正12年心身修養剣道集義
 源清音剣法初学記「物見」
 「物見は俛く(うつむく)にも非ず仰くにも非ず平かなるを要す。俛くも仰くも皆病なり。又左右に傾くべからず、傾くも亦病也」
 源清音剣法性格「物見」
 「物見は目を謂ふ、目の官は則ち見るなり。其の大略は高下左右を見るの外なし。又其の元とする所は、初めに目を著けたる處、即ち直ちに見る所にして、例えば人に対し先づ其の面を見るが如し。是教へを待たずして然るものなり。蓋し面は見る所の元なれば、其の元を見れば其の心の変化より動作に分るる處も、自ら明らかなるべし・・目は見るの官なれども心を主として目を用ひざれば目に見て気に移り、心は空と為るを以て動作する所前後と為り、別れたる末のみを見ること多し。目見の作用宜しきを得ざるより、手足の動止亦意の如くならず。」
 源清音剣法規則据物枢要「目附の事」
 「目に初、中、後の三段あり。第一其所に対し當に切るべき所に剣を配るとき、正しく其の所を見定むべし。第二剣を蒙るに随ひ目を放ち、中眼にして其の所を見。第三身の反り体と共に上眼に移し中眼は遠きを見渡し上眼は高山又は日月等を仰ぎ見る形を謂う、目見る所を失わず、打ち込に至り、太刀よりも目の早く下るを嫌ふ。 目其の切る所を見んことを思はず、打ち込と共に目の下るに非ざれば気二つに分れ、身の権衡 を失ひ、気と刀と相離れて業を為すこと能はず。目の早きは心気の調はざるなり、早く其所を見るも益なけれど心調ははざる者は早く見んことを思ひ是より心気離るるなり。心気正しからずして体を離るるが故に、心気目に移りて見んことを欲し、目早ければ全体撓みを生ず。打ち下す刀の跡を追ひて見る心を以て権衡と為し、体と気と一ならざるべからざるなり。」
 目付の事は大変面白いもので、これらのそれぞれの教えに微妙な違いも見られます。顔に付けろ、眼に付けろ、足に、いや体全部だ、動いていれば変化極りない、心で見るのだ。
 次回にも、もう少し目付けを勉強してみます。

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