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2018年9月 9日 (日)

曽田本その1の6英信流居合目録秘訣読み解く4居合心持肝要之大事6閨之大事

曽田本その1
6.英信流居合目録秘訣読み解く
4、居合心持肝要之大事
6閨之大事
 旅抔二泊ル時夜中気遣敷時カ又常ニモ用心有トキワ先ツ笄隠レヲ用ベシ笄隠レト云フワ行燈ノ土器二楊枝ヲ横二渡シ笄ヲ火ノ上二ソット置ク也火消タル如シ入用ナレバ笄ヲ除クレバ火明カ也扨其間二戸口アラバタゝミヲ一枚ハギテ其戸二モタセ楊枝ヲツカ二シテ置クベシ外ヨリ戸ヲ明クレバ楊枝二タゝミモタセテ有故二タゝミ速カ二倒ルゝ也寝て居ルト云へ共其音二不驚ト云フ事ナシマダ急ナルトキワ我ワ座ノ隅二座シ寝床ハ座ノ真中二我カ伏〆居如ク二見セテ置クベシ亦ユルヤカナル時ハ四方ヨリ糸ヲ十文字二引渡シ其ノ糸ヲ入口ノ戸二付ケ置ク茶碗二茶ヲ入レ其茶碗ヲ糸ノ十文字ノ違目二カラメ付我カ顔ヲ其茶椀ノ下ヱヤリテ寝ベシ外ヨリ戸ヲ明ル時ハ糸ウゴク故其水コボレテ我面二落ル故驚クナリ是ヲ夢間ノ寝覚ト云也又常二イタメ帋ノ水呑ヲ拵テ四方二穴ヲ明テ懐中スベシ右の茶碗之代二用ル也尤枕本二大小ヲ置クコトナク刀ノ下緒二脇差ノ下緒ヲ通シ刀ノ下緒ノ端シヲ手二持テ寝ベシ火急ノトキワ大小ヲ否ヤ取ッテ指ス二宜シ
 イタメ帋水呑
 茶ヲカクル風袋ノ小キ形二スベシ四隅二乳ヲ付置クベシ水無キ所ニテハルカ二深キ井戸亦谷水抔汲む二ヨシ長キ糸ヲ付ケテ瓶ノ如クニ汲也尤水呑ノ中二石ヲ入レオモリ二シテ汲ム也
 読み及び読み解く
 この居合心肝要之大事の閨之大事は書かれている様な事で満足いくものなのか、江戸時代前期がこの程度の事であったか判りません。然し大切な教えは、旅などで何となく物騒な気配を感じる事は現代人より遥かに敏感だったと思われます。
 安易に夜を迎えてはならないという戒めを先ず教えています。それは笄隠れの業を以て明かりを細め寝たふりをし、戸口に畳を楊枝にもたせかけて仕掛けをする。本当に害意を持った敵が居るならば寝静まってから戸を開けて攻め込んで来るでしょう。其の時畳が倒れるので寝ていても音に驚いて飛び起き対応できる、と云っています。方法論に取らわれず如何に夜を眠って過ごせるかその用心をしておきなさいと云うことでしょう。
 現代の企業活動にもそれ程の用心があればと、ふと思ってしまいます。
 どうかな~と云うことでなく、今夜襲って来ると察したならば、寝床を真中に敷いて寝たふりをして、自分は部屋の隅に座し襲ってきたら即座に応じる態勢を作れと云います。
 いつ来るかよくわからないが来るであろうという様な場合は、眠りを一気に覚ます方法を考えろと云っています。この処の地震や台風の予告に応じる対策を思い描いてしまいます。
 それが茶碗に水を入れて顔の上に吊るし、水が顔に掛れば驚いて応じられると云います、この糸で茶碗を釣るなどとても現実的では無さそうです。方法論よりも心がける中で何が有効かを考えろというのです。
 イタメ帋はいため紙ですが、当時の紙は楮やミツマタを漉いた和紙です。和紙を張り合わせた紙ですからとても丈夫で水呑みなどに作っても水に容易に溶けません、代用品と其の使い道は豊富にありそうです。
 それで水呑み茶碗を作って代用にしたらと云っています。あるものを有効に使うという教えとも取れます。
 大小の刀を下緒でつなぎ、事有れば即座に刀で応じられる様にする事、最も重要な教えは是でしょう、刀を手に持って寝ることが出来、事有れば即座に起きる感覚を磨き、刀は切るのではなく突刺すことをも示唆しています。
 イタメ帋の水呑みは代用品の取り扱いの効用をさらりと流しています。何でも特定な道具や  容器が無いと戸惑ってしまう現代人から見れば生きのびることは大変かもしれませんが、考えて実行する楽しさは何十倍だったことかと、ふと思ってしまいました。
 
 

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