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2018年9月17日 (月)

曽田本その1の7居合兵法極意巻秘訣読み解く2月夜之事

曽田本その1
7.居合兵法極意巻き秘訣読み解く
2、月夜之事
 月夜ニハ我ハ陰ノ方二居テ敵ヲ月二向ハス可シ我ハカクレテ敵ヲアラワス徳有り
読み及び読み解く
 月夜の仕合の立ち位置を教えています。我は月を背にして顔や手足の様子が看取れない陰となる様にし、敵は月に向かう位置に追込むのである。
 我は隠れた様になって、敵からは我の詳細は読みずらい、敵は月光にさらされてよく見えるのである。
 前回の日中之事でも「日を背に受く可し」で月夜之事と同様に強く光る物を背にして立ち、敵は光を正面に向う様に追い込む事、「此方の色〆(いろめ)を見る事不成也」と同様です。
 どの様にすれば、この様な有利な条件を手に入れられるかの教えは特に無さそうです。相手も充分な判断力もあり腕も立つのであれば、我は平常心を保ち、相手の判断力を失わせるほど怒らせるなどあるでしょう。そんな場合が作れるならば最初から立合う程の事も無く呑み込んでしまってもどうと云うことでも無さそうです。
 宮本武蔵も五輪書の火之巻之に「場の次第」として書いています。
「場のくらいを見わくる所、場におゐて日をおふという事有り、日をうしろになしてかまゆる也。若し所により、日をうしろにする事ならざる時は、右のわきへ日をなすやうにすべし。座敷にても、あかりをうしろ、右脇となす事同前也。うしろの場つまらざるやうに、左の場をくつろげ、右のわき場をつめてかまへたき事也。夜にても敵のみゆる所にては、火をうしろにおい、あかりを右脇にする事、同前と心得てかまゆべきもの也。
 敵をみおろすといひて、少しも高き所にかまゆるやうに心得べし。座敷にては上座を高き所とおもふべし。扨戦いになりて、敵を追廻す事、我左の方へ追ひまはす心、難所を敵のうしろにさせ、いづれにても難所へ追掛くる事肝要也。 
 難所にて、敵に場を見せずといひて、敵に顔をふらせず、油断なくせりつむる心也。座敷にても、敷居・鴨居・戸障子・縁など、亦柱などの方へ追ひつむるにも、場をみせずといふ事同前也。いづれも敵を追懸くる方、足場のわるき所、亦は脇にかまいの有る所、いづれも場の徳を用ゐて場のかちを得るといふ心専にして、能々吟味し鍛錬あるべきもの也。」(宮本武蔵著渡辺一郎校注「五輪書」より)
 場の取り様の事は孫子の兵法にも記述されてよく読まれていたと思われます。
 「・・凡そ軍は高きを好みて下(ひく)きを悪み、陽を貴びて陰を賤しむ。生を養いて実に処り、軍に百疾なきは是れを必勝と謂う。丘陵堤防には必ず其の陽に処りて而してこれを右背にす。此れ兵の利、地の助けなり・・」(金谷治訳注「孫子行軍篇」より)
 

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