« 曽田本その1の7居合兵法極意巻秘訣原文24多勢一人之事 | トップページ | 曽田本その1の7ページ居合兵法極意巻秘訣原文25翔通之事 »

2018年10月31日 (水)

曽田本その1の7居合兵法極意巻秘訣読み解く24多勢一人之事

曽田本その1
7.居合兵法極意巻秘訣読み解く
24、多勢一人之事
 敵多勢我一人ノ時ハ地利ヲ第一と心得可シ地利アシクハ敵ヲ前一面二ウクベシハタラキ心得ハ我左ノ方ノ敵ヲ目當二タゝカウ可シ敵後ヘ廻ラバ我モ左ノ敵二付後へ廻ルベシ真中二取籠ラレバ走リ二グ可シ敵一度二来ヌモノ也其間二先立来ル敵ヲ打ツ可シ幾度モニゲテハ打二スベシ
読み及び読み解く
 多勢に一人で戦う時の心得になります。その時、先ず地の利を第一と心得るのである。居合兵法極意巻秘訣では極意の心得が述べられてきました。地利には、自然現象もあると広義に解釈すべきでしょう。此処で振り返っておきます。
1、日を背に受ける
2、月を背にする
3、闇夜は身を沈める
4、風を背に受ける
5、雨の時は頭を垂れ、上段に構え敵を仰のかせる
6、雪の時は動かず敵の来るのを待つ
7、寒い時は生姜を口に含む
8、稲光を背に受ける
9、間が遠ければ敵の来るのを待つ
10、山坂では高い方に居る
11、細道では敵を前に受ける
12、逃げ道の無いところでは地利を計る
13、大道では敵を前面に受ける
14、山川岸堤踏石戸壁障子の類は我が右の脇に受ける
15、山川池沼深田石原草原下がりたる地では右に受ける
16、平地ちかければ飛び下り敵を足場の悪い所に置く
17、築地塀を右に受ける
18、野町では敵の足を薙ぐ
19、門戸を隔て敵多勢我一人、身を開いて居る
20、戸障子の有る方に敵が居る敵の構えを知り無形で応ずる
21、茂みでは逃げるフリをして敵を茂みから引き出す
 地利が悪い場合は敵を前一面に受ける様にして、戦う心得は、我の左の方の敵を目当てにして戦うのである。
 敵が後ろに廻り込んで来ようとするならば、我も左の敵に付けながら多敵の後に廻り込む要領で常に前面に敵を受けるように心得る。
 「敵後ろへ廻らば我も左の敵に付き後ろへ廻るべし」は、敵に後ろに廻られたらば、ではなく、敵の動きを察して応じるべきものでしょう。
 我は後ろに廻り込まれて真中に取り籠られたならば、左の敵を攻めている筈で取籠められた筈ですから、その隙を見つけて即座に走り逃げる。敵は一斉に追っては来れないもので、追いついて来た者を斬り、亦逃げ追いつかれたら斬るを繰り返し敵を崩してしまう。
武蔵は五輪書の水之巻で「多敵のくらいの事」で多敵との戦い方を述べています。
 「我が刀脇差を抜きて、左右ひろく太刀を横にすてゝかまゆる也。 敵は四方よりかゝるとも一方へおいまわす心也・・敵を一重に魚繋ぎに追いなす心にしかけて、敵のかさなると見へば其儘間をすかさず強くはらいこむべし、敵あいこむ所ひたと追い廻しぬれば はかのゆきがたし、又敵の出づるかたかたと思へば待つ心ありてはかゆきがたし。敵の拍子をうけてくづるゝ所をしり勝事也・・」(宮本武蔵著、渡辺一郎校注「五輪書」より抜粋)
 

|

« 曽田本その1の7居合兵法極意巻秘訣原文24多勢一人之事 | トップページ | 曽田本その1の7ページ居合兵法極意巻秘訣原文25翔通之事 »

曽田本その1の7居合兵法極意巻秘訣読み解く」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 曽田本その1の7居合兵法極意巻秘訣原文24多勢一人之事 | トップページ | 曽田本その1の7ページ居合兵法極意巻秘訣原文25翔通之事 »