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2018年10月13日 (土)

曽田本その1の7居合兵法極意巻秘訣読み解く15後用捨之事

曽田本その1
7.居合兵法極意巻秘訣読み解く
15、後用捨之事
 山川池沼深田石原草原後下リタル地皆々後二スベカラズ懸引不自由也思ハヌ負有難所ヲ後二ウケバ左へ身ヲ開クベシ
読み及び読み解く
 この極意の教えの呼称は「後用捨之事」は漢文調に読めば「後ろを用いるは之を捨てる事」或は「後ろを用捨の事」でしょう。そのまま読めば「ごようしゃのこと」表題からは意味を読み取れません。
 山川、池沼、深田、石原、草原、後下がりの土地、是等は皆どれも後にして戦ってはならない。
 懸り行くにも、退くにも自由にならず、思わぬ負けをする。難所を後に受けたならば左へ身を開くべきである。
 文章通り読めば後ろに難所を受けたならば左に向きをかえろと云っています。そうすると今まで嫌っていた、左に障害を受ける事になってしまいます。
 前項の「脇道之事」にあった様に「山川岸堤踏石戸壁障子の類は何れも我が右の脇に受くべし」と逆となってしまいます。
 左右の文字の書き違い、思い違いによるものか、左右の逆も又同然と解するのか、机上では判断しかねるところでしょう。
 ここは、「左へ身を開くべし」を「左身となる」とすれば右に難所を受け、敵を左に受けることとなります。
 宮本武蔵は五輪書火之巻
 「扨戦になりて敵を追廻す事我が左の方へ追廻す事、我左の方へ追ひまわす心難所を敵のうしろにさせいづれにても難所へ追掛くる事肝要也。
 難所にて敵に場を見せずといひて敵に顔をふらせず油断なくせりつむる心也。
 座敷にても敷居鴨居戸障子縁など亦柱などの方へ追ひつむるにも場をみせずといふ事同前也。
 いづれも敵を追懸くる方足場のわるき所亦は脇にかまい有る所いづれも場の徳を用ゐて場のかちを得るといふ心専にして能々吟味し鍛錬有るべきもの也」と云っています。
 五輪書は宮本武蔵が正保二年1645年に書いたとされています。
 第九代林六大夫が五輪書を読めたかどうかは疑問です、武蔵も孫子の兵法は読んでいると随所に其れを感じます。
 柳生但馬の兵法家伝書も孫子の兵法は読みこなしているようです。
 英信流居合居合目録秘訣は明和元年1764年頃の書き付けですから、是等の伝書は見れなくとも伝え聞く事もあったでしょうし、孫子の兵法などはよく読まれていた筈です。
 但しすでに徳川政権となって最後の大きな戦いは島原の乱であって寛永14年1637年に起こっています。それから127年も後の事ですから、実戦経験者も既に無く机上の孫子の兵法が虎の巻きであったことは否めません。
 
 

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