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2018年11月30日 (金)

曽田本その1の7居合兵法極意巻秘訣読み解く29神心八相事1手裏剱

曽田本その1
7.居合兵法極意巻秘訣読み解く
29、神心八相事
1手裏剣
○柄口六寸  敵ノ柄口也
○軍場太刀
○手裏剱
 手裏剱他流ニテ敵二刀ヲ投付タルヲ手裏剱ト云當流ニテ云所ハ別也敵ノ透間ヲ見テカタ手ヲハナシテ敵ノ面二突込ムナリ亦互二ユキ合二我ハ片手ヲハナシノリニテスグ二突込ム也躰ハ自然二ヒトヱ身二成ル也敵太刀ヲ下スト云へ共我太刀ニテカラリト避ル心持アリ鎗二突手ナシ剱術二切手ナシ云是也大イ事故二諸流共二突手ハ仕組二アラワサゞルナリ手裏剱ト軍場ノ剱似タレ共心二甚違フ
読み及び読み解く
 先ず「神心八相」を「神心入相」と読んでみました、意味は「神の心を相いれる事」でしょう。
 河野百錬先生の無双直伝英信流居合兵法叢書では「神心八相事」と書かれています。「かみごころはっそうのこと」と読んだのでしょう。曽田先生の癖字は、雰囲気が「八」と「入」が似ています。
 「入」は左の払いの上に右払いがすき間なく付いて乗っていますが、「八」は左払いの上に離れて右払いが書かれています。この写本では「入」にしか見えません。
 木村栄寿先生の昭和63年再版「林崎抜刀術兵法夢想神傳重信流伝書集及び業手付解説」では、居合兵法極意巻秘訣印可部に「神心八相事」とP82に読み取られて、河野先生同様にされています。
 細川家の原本から借用された伝書であれば、「八相」が正しい書写であるかも知れません。
 極意の秘訣ですから「神心及び釈迦の教えの事」を我が心に極意とすると意味を捉えるものだろうと思います。
 「八相」は、仏教用語にある「釈迦八相」を意味しています、それは釈迦の生涯を意味するもので以下の八相です。
①降兜卒(ごうとそつからこの世に下りて来る)
②託胎(受胎する)
③出胎(生れ出る) 
④出家(家を出る)
⑤降魔(悪魔を降伏)
⑥成道(正覚をひらく)
⑦転法輪
⑧入滅
 その外に八相は「威・厚・清・古・孤・薄・悪・俗」の八つの人相を表わすもので、剣術の八相の構えを想像するものでは無いでしょう。
 しかし「神心と八相の事」のままでは意味が通じません。答えも恐らく古伝を最後まで読み進み、何度も足踏みしながら、其の時の自分のレベルでしか理解し得ないかもしれません。
 土佐の居合には時々思いもよらぬ業名や呼称が付けられています。意味不明な符号程度に読み覚えても良いかも知れません。しかしそこに留まり、自分なりに読み解かなければ先師の教えには届かず、業の決まらない棒振りに明け暮れてしまうでしょう。
手裏剣を読み解く
 手裏剣は他流においては、敵に刀を投げつけたるを以って手裏剣と云う。当流にて云うところは別である。
 敵の構えの透間を見出だすや、両手で柄を握り 構えているその片手を放して敵の顔面に突き込むのである。
 亦、互に行き合う時に我は片手を放し、敵の打ち込む刀に乗って直ぐに突き込むのである。
体は自然と一重身になるものである。
 敵は太刀を振り下ろすと云えども我が太刀にてからりと避ける心持である。槍に突き手なし、剣術に切り手なしと云うのは是である。
 おおいこと故に諸流共に突き手は仕組(組太刀)の業技法に顕わしてはいないものである。手裏剣と軍場の剣とは似ているが其の心には甚だ違う。
 この文章から、動作を付けて業としての術が十分果たせるには、敵の打込みや槍などの突きなども、からりと避けて突き込むと書かれています。「からりと避ける」は「ひらりと避ける」では無さそうです。
 更に、突くには一重身になるのですから敵の打込みも突きも筋を入れ替えて突くのでしょう。
 その上 敵の、槍での突きも切らんとする 打込みも受け乍ら外してしまう極意とも取れます。それを「我は片手を放し「のり」にて直ぐに突き込む」の事が表している様です。
 神の御心や仏の心が無ければ出来るものでは無い、かも知れません。
 
 

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