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2018年11月19日 (月)

第六回違師伝交流稽古会を終えて

第六回違師伝交流稽古会を終えて
 ミツヒラブログを発端として、同じ無双直伝英信流でもその師伝の異なる方々との交流稽古会をいつの間にか第六回を迎えました。
 11月17日は雨かも知れない、と天気予報に敏感になっていたのですが、良い天気に恵まれ新幹線からの富士山も雪を被って光っています。
 
 新神戸駅で12時に全員集合できました。
 
 違師伝交流稽古会は第一回は大森流・第二回は英信流・第三回は太刀打・第四回は小太刀之位・第五回は詰合と続けて来ました。
 恐らく、無双直伝英信流を業ずる方は、最初に師と仰いだ師匠の業技法に捉われその範囲を超える事も、消化する事も昇華することも出来ず、初代関東地区連盟会長の太田次吉先生の言われる「弟子たる者師匠の出来ない事でもやれ」すら聞かされる事も無く「師匠の言う通りやっていればいい」と言われたままその形のみを励んでおられる事でしょう。
 そして、勝手な解釈をして「昔はこうだった」といじくりまわして出鱈目な居合を良しとしているのでしょう。
 第六回は大剣取、古伝を片手に師伝により身に着けた業技法を元としながら、古伝の文言を解釈して業技法を復元し、志のある方達と己の解釈とそれによる技法の実技演武を二日間に亘り行いました。
 
 大剣取は信頼できる業手付の解説書は、政岡壱實先生の無双直伝英信流居合兵法地之巻位でしょう。之には仕打の攻防の方法及び写真も付されています。
 解説の無い古伝の文言は、曽田虎彦先生から神傳流秘書を送られた河野百錬先生の無双直伝英信流居合兵法叢書、細川義昌先生の伝授された伝書による木村栄寿先生の林崎抜刀術兵法夢想神傳重信流伝書集及び業手付解説の目録口伝和口伝居合兵法極意書「和大剱捕軍場組附」に見られます。何れも絶版で国会図書館辺りでしか手にする事は難しいと思います。
 他に見るべきものは見当たりません。
 何処かで打たれてビデオ撮りされyoutubeに投稿されているかと探すのですが見当たりません。あったとしても古伝の解釈であるか疑問です。
 無双直伝英信流の組太刀は太刀打之事・詰合・大小詰・大小立詰・大剣取が順番になっています。
 現代居合では古伝の太刀打之事すら打てず大江先生が中学生向きに改変した無双直伝英信流居合之型を太刀打之位と称して可笑しなものを七本打っているのがせいぜいです。
 横道にそれましたが、古伝を解釈して今に伝えているのは政岡壱實先生の地之巻をバイブルとされる方のみが政岡先生解釈の大剣取を打たれておられると思います。
 せっかく残された木村栄寿本も河野百錬本も本立ての隅に埋もれていたり、遺族の方が捨ててしまったりしているのでしょう。それらの貴重な資料すら知らないお偉いさんがごろごろおられて権威を嵩に権力を振りかざしているのも哀れです。
 私達古伝研究会のメンバーは政岡先生の大剣取りを充分研究した上、古伝の文言に従って一字一句も見逃さず、自分達の力量の精一杯を出し合ってこの違師伝交流稽古会に臨みました。
 古伝研究会そのものも、違師伝の方達の集まりであり、合気道も、古流剣術も学び、同じ無双直伝英信流も師匠も流派も連盟も異なる方達による研究会なのです。
 従って解釈も業技法も異なります。それでも「こうであろう」という一致は見出して行かれるものです。
 そして、一つの方向を見出し、違師伝交流稽古会に臨んで行きました。
 大剣取は無双直伝英信流の居合から剣術に至り、極意の柄口六寸を身に着け更に無刀に至る門口に立つ業技法の修得を目的とするすさまじい業です。
 交流稽古会は、居合の所属年数や段位に少しも拘らず、まして男女や年齢も拘る事はありません。
 同じ古伝のたった二行ほどの文言から、業を繰り出してゆきます。
 参加者は大きく三団体に別れますので三ケ所の解釈による模範演武を拝見し、何故その様に解釈したかの説明をいただきます。
 批判はしてもその理由に納得し否定はしない、これは交流稽古の鉄則でしょう。とことん稽古された中から生み出されたものは、稽古もしていない者に否定できるわけはないものです。
 説明を受ければ納得です。模範演武を拝見して早速夫々組を作って研究会です。経験や力量に応じてそれぞれの業技法を学んでみます。
 形だけでも簡単に出来ませんし、まして術が決まるには十分な修練が必要です。
 自分達の研究したものとの違いから気付く事も多く改正の糸口も広がります。
 初心の方はきっと、一本目の極意技「相手居合膝に坐し居る處へ小太刀をさげかくる相手抜き打つを放し入りてさす」の抜き付けられて避ける事からつまづくことになります。
 しかし、あきらめずに繰り返すうちに何とかなり始めるものです。
 一本の業を一時間程かけて学ぶ、しかもベテランも初心者も同じ事を体感し稽古することは素晴らしい事です。
 身に着けた方から手ほどきを受けて即座に開眼する事も、頭で解っても体が理解できないもどかしさも、すべて良い経験として古伝を学ぶ切っ掛けが得られた事でしょう。
 二日間、ひたすら学ぶ姿は素敵です。
 教わる事は教える事、教える事は学ぶ事。
 自らそれを再認識した素晴らしい二日間でした。
 来年の違師伝交流稽古会の課題は、大小詰・大小立詰の研究会となります。明治以来特定の先生の系統として演じて固執して来た無双直伝英信流の業技法を、同流他派の方達と素直な気持ちで学び直すなど私達だけの至福の一時です。
 師伝をより完成させ昇華できれば「弟子たる者師匠の出来ない事でもやれ」の大きな心に近づいて行けるのかも知れません。
 参加された皆様ありがとうございました。
 帰路につく新神戸駅近くの布引ハーブ園のロープウエーから眺める神戸の街、海の向こうに見える陸地と、茜に染まる空に、何時までも同じままでは無い自然の有り様を思う時、この道を歩く勇気が湧いて来るのもうれしい事です。
 
 

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