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2018年11月22日 (木)

曽田本その1の7居合兵法極意巻秘訣読み解く28中夭之大事8柄口六寸

曽田本その1
7.居合兵法極意巻秘訣読み解く
28、中夭之大事
8柄口六寸
 雷電剱諸流ノ剱術ノ教皆以我心ヲ明カ二シテ勝ヲ取事ヲ肝要トス當流ノ極意ハ表裏ノ違也敵二向カヱバ如何成人モ心ハクラ闇ト成ルナリ其マホウクラヤミ(真方暗闇 曽田メモ)ノ所ニテ一ツ行フベキ事有則柄口六寸ノ勝也是當流ノ極意也雷電刀ハ惣名二而変而ハ神妙剱トナリ軍場ノ太刀ト成ルナリ
読み及び読み解く
 この項は、前項と同じようなものですが、異なるのは、諸流の剣術は皆、心を明らかにして勝を取るのを肝要としているが、当流は、敵に向かえば、誰でも心は暗闇になるのである、その明暗の表裏の違いである。
 其の真っ暗闇の所で、一つ行うべき事は、則ち柄口六寸の勝、敵の拳に勝つものである。 
 是は当流の極意である、雷電刀は居合の業の総名であって、変じて神妙剱となり軍場ノ太刀となるのである。
 柄口六寸は敵の二星である、柄を握る拳に勝つ事である、と前回解説しました。同様の極意の記述ですが、此処で新たに述べられているのは、他流では敵と相対しても、心を明るく斬られるなど後向きに思わず勝つことが肝要と教えている。それに引き換え当流は敵と対すれば命を無くす事も有ろうと真っ暗になってしまう。と真逆の心理から勝を取るものだと云うのです。
 そのポイントは敵の打ち込んで来る拳に勝つ事なのだと云う事です。恐らくこの教えは大森六郎左衛門の真陰流の教えであろうと思います。
 真陰流は上泉伊勢守信綱によるものでしょう。大森六郎左衛門の真陰流が如何様の物であったかは不明ですが、上泉伊勢守信綱の新陰流でしょう。
 神傳流秘書の大森流居合之事では、前え書に「此の居合と申すは大森六郎左衛門の流也 英信に格段意味相違無き故に話して守政翁(第9代林六郎左衛門守政)之を入れ候。六郎左衛門は守政先生剣術の師也。真陰流也、上泉伊勢守信綱の古流五本の仕形(組太刀)有りと言う」とされています。大森流あるいは無双直伝英信流正座の部は新陰流から大森六郎左衛門が創作したものでしょう。現代の新陰流にはそれらしき形跡は見られませんが、初期の大森流には新陰流と交わるものがあったかもしれません。
 上泉伊勢守信綱が新陰流を創始したのは天文十年代(1541~1550年)と言われます。
 柳生新陰流の柳生宗厳による新陰流截相口伝書事は慶長8年1603年の事と言われます。
 この土佐の居合の古伝神傳流秘書は文政二年1819年に山川幸雅によって書き写されたもので元の原本は無いものと思います。第9代の伝えたものを第10代が書き記したと思われ、1750年以降のものと推察しています。新陰流創設からの200年、柳生新陰流の伝書から150年以上後のものですから、元になったものが何なのかすらわからないと云えます。
 大森六郎左衛門の真陰流が何かはわからないでしょう。しかし土佐の居合の古伝の至る所に現代でも読む事や学ぶ事が出来る新陰流が見え隠れするのに驚いています。

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