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2018年12月30日 (日)

曾田本その1の9居合兵法の和歌読み解く32首の10下手こそは

曾田本その1
9.居合兵法の和歌読み解く
32首の10下手こそは
 下手こそハ上手の上の限りなれ
        返春返春もそ志リ者之春奈
 読み及び読み解く
 下手こそは上手の上を行く為の最高の師匠であるも どうあっても悪く言ってはならない
 下手な人の所作を見ていますと、何が問題なのかが一目瞭然です。
 あそこを直せば、あそこを稽古すれば、と良く見えます、己に照らして反省しきりです。
 上手な人にいくら教えを得ても、其の域に達しない限り理解できないものです、にもかかわらず、上手な者の指導に疑問を持ち批判している。よくあるパターンです。
 関東地区の初代会長、太田次吉先生の話「ある日のこと、大田先生が道場に見えられ「人の稽古をよく見なさい」と言われた。
 上手な人を見るのは良いが、人の稽古を見るよりは、その分、稽古に励んだ方が効率が良いと思い、「はい」と返事だけで、棒振りに勤しんでいると、兄弟子の、「稽古止めい」の号令。
 「これから太田先生のお話がある」
 曲がった腰をピンと直された先生は眼光炯々として、しっかりした口調で申された。
 「諸君等は、見取り稽古をしなさ過ぎる・・人を見て己の足らざるを補え・・下手を見ても・・そこから学べ!」目から鱗が落ちる思いだった」村木泰仁「ノー」と言わない能より。
 この歌の解釈をこんな風にとらえてみました。
 新庄藩の林崎新夢想流の極意之秘歌にこの歌に近いものがあります。
 「下手こそは上手能上乃可多りものかえ春がえすもそしり者し春奈」
 下手こそは、上手の上の語りもの、かえすがえすも謗りはしすな、と読むのですが、「限りなれ」が「語りもの」になっています。
 下手こそは上手な人が参考にする、語りものである、というのでしょう。下手こそは間違いを解かりやすく演じてくれる最高の師匠です。
 段位や所属年数ばかり高く癖だらけの自称上手も良い「下手」な手本となるでしょう。
 妻木正麟先生の田宮流居合歌の伝
 「下手見ては(下手こそは)上手の上のかざりなり返すがえすもそしりはしすな」
 下手は上手の上の飾り物になっています。下手が居てくれるので上手に見えるのでは、何の意味も無いもので歌に詠む必要すらない。下手を手本に磨き上げろと歌っているのだと思います。
 上手の歌にはこんなのもあります。
 「上手とは外をそしらず自慢せず身の及ばぬを恥づる人なり」
 上手な人が驕り高ぶらない為の歌かも知れませんが、驕り高ぶる人も良いお手本です。
 私は、上手下手に拘わらず業の研鑽には、「何故そうする」、「どうすればできるようになる」、「かたちは出来たがそれで切れるか」、「想定外にその業で応じるには」など道場内で意見を出し合い、それぞれの力量の範囲で納得できれば良いのにと何時も思っています。
 「このように習った」だけでは武術にはなりません。
 阿部先生の「剣道之極意」に幾つかその心を伝えると思う歌があります。
 「此の道は上手ばかりが師ではなし下手ありて又上手ともなる」
 強いものとばかりっけいこしたからとて上手に成るものではない。下手な者と稽古して師より教えられた技など、自由の利く下手な者に試みて、鍛え、初めて本当に自分のわざとして身につける事が出来る。
 先輩・上位の人に対しては感謝する事を知っているが、下位の人に対し、後輩に対しての感謝などという事は殆ど忘れられているのは遺憾な事である。
 「それぞれに人の為す技ちがうなりよく見て習え人のなす技」
 「よき技を教えられても皆癖のつたなきところを習うひとかな」
 居合の競技会で優勝した古参の人が、「俺の教えに従え」と云っていました。和尚ですからお経を読む姿勢が良いばかりです、其の上藁霧の団体に入っていますから、棒立ちのまま張り子の虎が首を上下に振っている様にしか見えません。
 足は竹刀剣道の教えなのか爪先を押し付けて摺足をするのです。
 据物切には刃筋が通り良いでしょうが、どう見ても単調で武術とは言い難い。
 その上、棒樋を深く掘り直させてビュービュー言わせています。こんな業で優勝させた方がおかしいものです。敢えて良い所を言えば座した姿が、坊主らしく泰然自若として人を威圧するようです。
 さて、人を威圧する姿勢が剣を持つ者の姿勢でしょうか。お断りして良かったと思っています。
 
 

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