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2018年12月24日 (月)

曾田本その1の9居合兵法の和歌読み解く32首の4心に勝

曾田本その1
9.居合兵法の和歌読み解く
32首の4心に勝
 居合とハ心二勝可居合也
       人尓逆ふハ非刀としれ
*
読み及び読み解く
 居合というのは、己の心に勝つ事が居合である、人と争うなどの事は刀術に非ずと知るものだ。
 この歌は田宮流居合歌の伝では
 居合とは心に勝つが居合なり人にさかふは非法なりけり
 新庄藩の林崎新夢想流の秘歌之大事では
 居合とハ心尓勝可ゐあひ奈り人尓さ可ふは非可多也希利(居合とは心に勝つが居合なり人に逆うはひかたなりけり)
 
 田宮流では「人に逆らうのは人としての法(のり)では無い」です。
 秘歌之大事では「人に逆らうはひかたである」と書かれていて、刀のことなのか、形のことなのか、其の外の意味が秘められているのか解りません。
 居合と云うのは人に逆らい、争う事では無く意見の居り合わない者とも和する心を以て頭ごなしに威圧する事とは違う、それでは人としての法にも逆らう事にもなり、刀の扱いにも外れてしまう、というのでしょう。
 かと言って、直ぐに許しを請う様な事では全くない事です。
 それでは己の心に遺恨を残す事にもなります。
 長いものには、捲かれろでは、古い日本の封建制時代の一生下位の者の生き残るための哀れな事になってしまいます。
 己の主義主張を曲げて安住の地を求めるずる賢くも哀れな習性が今でも頻繁に見られるものです。これでは何のために修行しているのか解らなくなります。
 「心に勝つ」と「人に逆う」の言葉についつい争いの現場を思い描いてしまいますが、ここは相手の斬り込んで来る太刀に逆らわずに身を土壇となして、敵の動きに合わせ夢現の如くの所よりひらりと勝つ、極意の手の内、輪の内、十文字を思い描きます。
 その待つ心、相手の話に耳を傾ける心、其処から和すことが出来る糸口を見出し応じる心が居合なのでしょう。
 権力をかさに掛け、力任せで打ち込んでみても、ひらりと躱され、、お飾りにされて地団駄踏んでも意味の無い事です。
 応じる法も、しっかり受け止めていながら躱して制する事がこの歌の奥に思えなければ居合を学ぶ意味は無いのでしょう。
 

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