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2018年12月29日 (土)

曾田本その1の9居合兵法の和歌読み解く32首の9霜を聞

曾田本その1
9.居合兵法の和歌読み解く
32首の9霜を聞
 寒夜尓て霜を聞べき心こそ
       敵二阿ふても勝を取なり
 読み及び読み解く
 寒い夜に霜が結び下りて来る音を聞き分ける心があれば、敵に出合っても、敵の思いも起こりも読み取り、勝を取るのである。直訳すればこんな所でしょう。
 この歌は田宮流居合歌の伝には
 寒き夜に霜を聞くべき心こそ
       敵にあひても勝はとるべし
 新庄藩の林崎新夢想流秘歌之大事では
 寒事尓て霜を聞遍幾心こそ
       敵尓あふて能勝ち者とる遍き
 寒事にて霜を聞くべき心こそ 敵に遭うての勝ちは取るべき
 武術肝要集に「我れ已発を以って敵の未発を抑ふ。是れ業を言わず、気の位いを言うなり」とあります。
 意味は、我は已発(すでにはっ)して以って、敵の未だ発せざるを抑える。是は業の事を言うのでは無く、敵の打たんとする気の位、いわゆる起こりを抑えることを言うのである。
 従って、此の歌は霜が降り積む前に霜が結ぶ音を感じる程の感性をもって敵と対すれば勝つ。というのでしょう。
 敵の起こりを抑えるには武蔵の兵法三十五箇条の二十三番目「枕の押へと云う事」
 「枕のおさへとは、敵太刀打出さんとする気ざしをうけて、うたんとおもふ、うの字のかしらを、空よりおさゆる也。おさへよう、こころにてもおさへ、身にてもおさへ、太刀にてもおさゆる物也。此の気ざしを知れば、敵を打に吉、先を懸るによし。いづれも出会う心在り。鍛錬肝要也。」
 古歌二首
 打ち寄する浪の受け太刀満潮に
        さし心得て飛ぶ千鳥かな
 未発より已発にうつる中宿
       終ひのすみかとおもふべきかな
 何れも、身に及ぶ前の敵の打たんとする起こりを察して抑えてしまう事を詠んでいます。

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