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2018年12月31日 (月)

曾田本その1の9居合兵法の和歌読み解く32首の11鞠に柳

曾田本その1
9.居合兵法の和歌読み解く
32首の11鞠に柳
 強身二て行當るおば下手と志れ
       鞠二柳を上手とそいふ
読み及び読み解く
 力任せに打ち懸かって来るのを、此方も力任せに受けるのでは下手な証拠と知りなさい、鞠を投げつけても柳の枝は、鞠に逆らわずにそのままふわりと往なしてしまう、これを上手と云うのだ。
 
 この歌は新庄藩の林崎新夢想流の秘歌之大事にあります。
 「徒よみ尓て行あ多留をハ下手と云鞠二柳を上手とそい婦」
 つよみにて行き当たるおば下手と云う鞠に柳を上手とぞいう
 田宮流歌の伝では
 「つよみにて行きあたるこそ下手なれやまりに柳を上手とぞいふ」
 この歌を聞きかじって、仮想敵相手の居合を柔らかく稽古して見ても、ゆっくり大きくは出来ても、切先に力の入らない弱々しいものになってしまいます。
 設対者の有る稽古をしますと、勝とうとばかり、力任せに早く振るので、業が決まりません。
 
 「あら磯のもくずか浪に打たれても猶打ちかへすまけじたましい」
 「己が身を勇気の槌で打ちくだけこれぞ誠の教へなりけり」
 「いろいろに姿勢態度もきまらずに打たん心は禁物としれ」
 無外流の百足伝より
 「兵法は強きを能きと思いなば終には負けと成ると知るべし」
 「兵法の強き内には強みなし強からずして負けぬものなり」
 柳生新陰流の剣士でしょう、藤原敬信の「免兵法の記」に以下の事があります。「和らみ、最初より専らと教え候事、宜しからず覚え候。強みを致し抜けざればまことの和らみは出来ぬものに候。強みを致し抜けざる和らみは、弱みの至極と知るべし。其の者の精一杯強みを致し尽くし候上にて、和らかなる仕形を教える由に候・・」赤羽根龍夫著「江戸武士の身体操作柳生新陰流を学ぶ」より。
 この歌を詠んで「そうか、ゆっくり大きく、メリハリのない、力の無い居合が上手なのか」と早速やってみても、気の抜けた棒振りにしかならないものです。
 腕力の有る人はガンガンりきんで稽古し、いつか自然に力が抜ける方が本物かも知れません。しかし大概、力む人はいつまでも力んでいます。
 ゆっくり大きく正確にをモットーとする人は、大概ゆっくりとメリハリの無いばかりです。
 どちらから入っても行きつくところは、相手の動きを察して応じられるものが本物でしょう。
 宮本武蔵は兵法35箇条で「上段の位の兵法は強からず弱からず角らしからず早からず見事にも無く悪くも見えず大きに直ぐにして静かに見ゆる兵法是上段の位也能々吟味あるべし」と括っています。
 
 

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