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2019年1月16日 (水)

曾田本その1の9居合兵法の和歌読み解く32首の27得道はなし

曾田本その1
9.居合兵法の和歌読み解く
32首の27得道はなし
大事おハ皆請取れと思ふとも磨可ざる尓ハ得道ハなし
読み及び読み解く
 この歌は前回26首目の「道を立深く執心する人尓大事残さ春大節尓せ与(道を立て深く執心する人に大事残さず大切にせよ)」の和歌の続きの歌の様です。
 この歌は、その大切な事を皆受け取らんと思うとも、修錬して磨き上げなければ道は得られない。と歌っています。
 居合の道を志し執心する人にはこの流の教えも自ら得たものも出し惜しみしないで、残さず伝える事を心がけよ、と師匠が次代を担う者に皆伝を授与する時の心得として諭した歌と解せます。
 門弟を持った者の役割は、先師から教えられたことは当然乍ら、それを身に着けるために己の得たもの、更にそれを越える事を全て伝授する事が大切な勤めと解かっていながら、ぐずぐずしている場合が多い様です。
 門弟を比べ見て、彼でもない、誰にしようなど思い煩い結局何も伝えずに死んでしまう。或は門弟自ら悟るまでは教えない、などとおかしなことを考え無駄な時間を過ごさせている。
 師たるものは、自ら習い覚え、自ら生み出したものは全て隠さず伝え其のポイントも示す事、其の上で弟子は其の領域に達する努力をするものでしょう。
 今時、居合などで命を懸けた勝負などする事は無い、との思い込みから形ばかりの業技法をのんびり指導する似非指導者がほとんどです。
 武術は本来師匠の習い覚えた業技法は出来るだけ懇切丁寧にそれも無駄な時間をかけずに指導すべきものでしょう。
 さもないと弟子はコロコロやられてしまいます。弟子は出来るだけ早く師匠を越えて新たな道を目指さなければ役立たずの流派として消えてしまうのです。この事はあらゆる分野に共通の事で師たるものの心掛ける事でしょう。
 「弟子たる者師匠の出来ない事でもやれ」と弟子を叱責された初代関東支部長大田次吉先生の言葉が思い出されます。
 先師の指導によって師匠が習い得た半分の時間で師匠の思いが弟子に伝えられれば、より深く究明していかれるでしょうし、師が置き忘れた大事を見出したり、新たな道に踏み込めることもできるでしょう。それが武道です。そうで無ければただの棒振り踊りです。
 
 居合の業の意義、術理、その運剣動作を口伝口授され、何度も看取り稽古させてもらって手取り足取り指導されても「かたち」が出来たに過ぎない、其処から本物を見出し目指していかなければ修業とかいうことではないでしょう。
 本物の師匠は、出来るだけ早く弟子を育て、弟子と共に更に飛躍することの出来る人でありたいものです。
 真似事の「かたち」でさえ、日頃稽古していませんと、どんどん廃れて行くものです。
 何故か、この歌は田宮流居合歌の伝にも、秘歌之大事にも存在しません。
 この流の根元は「柄口六寸」なのですが、この教えを示された事は無いのですがどうしたものでしょう。
 
 

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