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2019年1月12日 (土)

曾田本その1の9居合兵法の和歌読み解く32首の23狭みにて勝

曾田本その1
9.居合兵法の和歌読み解く
32首の23狭み尓て勝
 狭み尓て勝を取べき長刀
       短き刀利は薄きなり
読み及び読み解く
 狭い所で勝つのは長い刀であって、短い刀には有利な状況は少ないものである。
 新庄藩の林崎新夢想流秘歌之大事
 「勢王み尓て勝を取留偏幾長刀み之加記刀利はう春き也」
 (せばみにて勝をとるべき長刀みぢかき刀利はうすき也)
 妻木先生の田宮流居合歌の伝
 「せばみにて勝をとるべき長刀短き刀利はうすきかな」
 新庄藩の林崎新夢想流秘歌之大事には刀の長さの歌に
 「面にむかふ長をたのみにて左右をば何とふせがん」
 という歌も歌われています。
 「正面の敵に向かっていくには長い刀が有利だろうが左右の敵はどの様に防ぐのか」という課題です。この歌は曽田本その1にはありません。
 狭い所での心得は曽田本その1「英信流居合目録秘訣の2上意之大事の8壁添
 「壁に限らず惣て壁に添うたる如くの不自由の所にて抜くには猶以って腰を開ひしりて体の内にて抜突くべし切らんとする故毎度壁に切あてかもいに切あてゝ仕損ずる也突くに越る事なし就中身の振廻し不自由の所にては突事肝要」
 狭い所では「体の内にて抜き突くべし」がポイントです。大江先生の現代居合では奥居合之部居業の「両詰」でしょう。
 大江先生の奥居合立業の「壁添」は体の内で上に抜き上げ拝み打ちに打ち込んでいます。これは古伝の抜刀心持之事「人中」での抜刀法です。古伝「壁添」は狭い場所で体の内で抜き突くのです。
 狭い場所で座していて正面の敵に対する業は古伝では「向詰」で「抜て諸手を懸け向を突打込也」で大江先生は業名を「両詰」に変えてしまいました。
 狭い場所では、横一線の抜き付けも、相手の打込みを筋を替って外すのも不便です。機先を制して抜き突く、其の際長い刀が有利だと云えるのでしょう。
 古伝の歌で短い刀には利が無いと思い込んでみても、小太刀しか帯びていない場合はどうするのか、寧ろ不利の武器を有利に扱う事を思いやるべきかもしれません。
 定寸以上の長い刀を誇らしげに抜いている人を見かけます。寧ろ小太刀を自由自在に扱える稽古を充分して置くべきかもしれません。
 たとえば、「詰合」を打太刀は太刀、仕太刀は小太刀で稽古するなど「権威を嵩に権力を振りかざす者」の最も嫌う事を黙々と稽古する事が忘れられて居る様に思えて仕方がありません。
 
 
 

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