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2019年1月28日 (月)

曾田本その2を読み解く1故行宗貞義先生記録写5抜付

曾田本その2を読み解く
1、故行宗貞義先生記録写
5.抜付
抜付
Img_0421
抜付の手書きの挿絵です。
右から「此ノ形ヲ以テ三角ノ曲尺トスルハ大ヒ二不可也」
左から「此ノ形ヲ以て三角ノ曲尺トスルハ□(独?)可也
凡ソ居合術ハ曲尺ヲ以テ身体ノ所置手足ノ離合等ヲ論スルモ
ノナレハ其宜シキ二□(違?)戻スへカラス
又タ常二オコナフ時モ行ワザル時モ恒二身心ヲ正シウスヘシ 
 居合術ヲ学ブ者ノ注意スヘキ点二三ッ揚クレバ左ノ如シ
 
 1、人ト対談スル時
 
 1、多衆人ノ中二通路スル時
 
 1、路ノ曲リヲ通行スル時
 
 古歌一首
 
 劔とる道は数多に岐るれど
 
        敵の心を我可物とせよ
読み解く
 抜き付けの図を手書きされて、右の抜き付けは半身で切先が我が中心線上、要するに斬り抜かないまま、敵の中心線まで斬り付けていることになります。是では不可だと云うのです。
 左側の抜き付けは、同様に半身ですが切先は我が中心線上に並行して斬り抜いています。この抜付けは(独?)可であると云うのでしょう。
 全剣連の制定居合一本目前の抜き付けは上図の右になりやすそうです。全居連では体が正面に正対しますので切先が流れやすい。と云えそうです。
 木村栄寿先生の「林崎抜刀術兵法夢想神傳重信流伝書集及び業手付解説」の「抜刀術童蒙初心之心持」では「・・左の肩腰共後ろへ開き右の肩抜けさる様にして頤を詰て顔うつむけす延やかにして右の手六分左之手四分の心持ちにて無疑念引分け抜付る也。体は胸を照らし腹を張らし片身ならす向身ならす所謂三角の曲尺(まがりかね)にて半開半向と成る也・・」とこの絵の左側を示唆している様に思われます。
 大江先生の抜き付けは「・・抜き付けたる時は胸部を充分左右に開張し丹田に力を入れる・・」であって、正対した抜き付けになります。切先は左の絵の様に斬り抜いた状態で正中線に並行します。
 之を称して、半開半向の抜き付けを下村派、正対した抜き付けを谷村派と決めつけたのは岩田先生だったかもしれません。
 私は、下村派、谷村派は居合の術理では無く、その派閥は寧ろ土佐藩内での指導的立場のやり取りに縦系列が二つあった事に由来する方が大きかったと思います。
 術理などは、対敵の想定次第で如何様にもあり得るもので、そんな事に拘っても武術にならない、状況次第で半身も正対も可であるべきものでしょう。どちらも出来て当たり前とおおらかに考えるものです。
 そんな事を云ったら「昇段できない」。試験問題は解答に従えばいいだけで、武術の一部分の切り取った「かたち」に過ぎないでしょう。
*
 
 居合術を学ぶ物が注意すべき点を三つ上げれば次の様だと云っています。
 
 1、人と対談する時
 
 1、多人数の人の中を通ル時
 
 1、路の曲がっている処を通時
 
古歌一首
 
 劔とる道は数多に岐るれど
 
        敵の心を我がものとせよ
 
 

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