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2019年1月14日 (月)

曾田本その1の9居合兵法の和歌読み解く32首の25金胎の両部

曾田本その1
9.居合兵法の和歌読み解く
32首の25金胎の両部
金胎の両部を正尓見へ尓介り
     兵法有れハ居合者しまる
読み及び読み解く
 「金胎の両部をまさに見へにけり兵法あれば居合始まる」では何のことやらさっぱりわかりません。
 その前に新庄藩林崎新夢想流秘歌之大事にも此の歌はあります。
 「金鉢乃両部能二川と見し尓希利兵法あ連は居合者しまる」
 (金鉢の両部の二つと見しにけり兵法あれば居合はじまる)
 金胎が金鉢となっています。
田宮流居合歌の伝では
 金銀(金胎)の両部正に見えにけり兵法有れば居合はじまる」
 金銀ですか?
 金胎の両部、金鉢の両部・金銀(金胎)の両部が解れば何とかなるかも知れません。
 金胎両部(こんたいりょうぶ):金剛界と胎蔵界。
 界は大日如来を智慧(ちえ)の面から表わした部門、如来の智徳はなによりもかたく全ての煩悩を打ち砕くことからその名があると云う。
 胎蔵界は大日如来を本来的な悟りである理性(りしょう)の面から見て言う語で、理性が胎児のように慈悲に包まれてはぐくまれていることからこう名付ける。
 金鉢の両部の金鉢は托鉢の鉢でしょうか、仏教での両部は金剛界と胎蔵界を言い表しているのでしょう。金胎両部の思い違いかもしれません。
 金銀の両部は誤字かも知れず金胎と括弧書きが残されています。
 「煩悩を打ち砕く堅固な智徳と慈悲に包まれた理性によって、戦うべき時には居合が求められるものである」
 己の心の中にある智徳により煩悩を打ち砕き理性を慈悲によってつつむ心が居合を兵法と為すことが出来るという事を奥義として歌い継がれたものではないかと思うのです。
 現代居合は居合抜きの業技法だけが稽古されていて、居合心など聞かされたことも、歌など耳にする事も、稽古の中で知る機会はありません。
 高段者講習会などで、国語の解かる居合の先生もおられるでしょう。もう遠い昔の歌なのですからその歌われた当時の心を読み取れなくとも「私は此の歌はこの様に歌ったのだとおもう」と講義され、それを元に「私はこう思う」と自論を述べる機会などあれば現代居合も格調高いものになり、幻の権威に息吹が入りいたずらに権力をふりまわす幼稚なことは無くなると思うのです。武的演舞と揶揄し、幻の権威と振り向く事も無いものでは、下手な武的踊りとして老人体操の域を超えられるわけはありそうもない。
 

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