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2019年2月23日 (土)

曽田本その2を読み解く5長谷川流奥居合坐業抜方5の2脛囲

曽田本その2を読み解く
5、長谷川流奥居合坐業抜方
5の2脛囲
古伝神伝流秘書
抜刀心持之事 格を放れて早く抜く也 重信流
柄留:虎一足の如く下を留て打込
参考
虎一足:左足を引き刀を逆に抜いて留め扨打込み後前に同じ
行宗先生
長谷川流奥居合抜方
坐業
脛囲:長谷川流二番に同じ
参考
長谷川流二番虎一足:左足を引き脛を囲いて切る
大江先生
長谷川流奥居合抜方
座業
脛囲:長谷川流二番目に同じ(曽田本その2に欠落している)
剣道手ほどき
虎一足:正面に座す、静かに立ちながら左足を引きて刀を抜付くと同時に膝を圍ふ、此圍は体を左向き中腰となり、横構にて受止める事、此体形にて刀を上段に冠り正面に向き坐しながら斬り下ろすなり。血拭ひ刀を納めは一番と同じ(膝を受け頭上を斬る)
剣道手ほどき脛囲:膝と刀を竪立斜として、刃を上に平に向けて、膝を囲ひ(体は中腰半身とす)体を正面に向けて、上段より斬り下す。
 古伝も行宗先生も抜けだらけです。長谷川流奥居合居業は居合膝に坐すわけですから、相手が同様に相対して座し、腰を上げ抜き付けんとするを機に我も腰を上げ、相手が我が右膝に抜き付けて来るので、刀刃を下に向け左足を引くや抜き付けると同時に相手刀を受け止める。
 この時左腰を捻って右入身(右足前)になって受ける、左足を右足に引き付け上段に冠り、座しながら右足を踏み込んで斬り下ろす。
 現代居合と違う処は無さそうですが、古伝の「刀を逆に抜いて」の文言をどの様に捉えるかが、単なる受払なのか、柄口六寸之極意を示唆するのか、柄口六寸であれば、刀を返して刃を下に向け、相手刀を受け止めるのではなく、抜き付けんとする相手の小手に下から切りあげて留める事になります。 
 古伝は相手が左足を引くとも右足を踏み込んで来るとも云っていませんが、我は「左足を引き」と有ります。
 ここは相手が右足を踏み込んで抜き付けて来るので、我は左足を引いて応じる、凄まじいものになりそうです。古伝の業名は「柄留」で「脛囲」ではありません。
 双方左足を引いたのでは間が抜けそうです。
細川義昌先生系統の梅本三男先生の居合兵法無雙神伝抜刀術より
英信流奥居合之部
柄留(抜掛らんとする者を斬る):右手を柄に掛け立上るなり左足を一歩後へ退く、同時に刀を引抜き鯉口放れ際に左腰を左へ捻り、体は正面より左向きとなる。(視線は右正面の対手に注ぐ)対手が正に抜掛らんとする刹那、其の右手へ逆に強く薙付け、体を右に捻り戻す。同時に、左膝を跪きつつ諸手上段に引冠り右足踏込んで斬込み刀を開き納め終る。
 無雙神伝抜刀術に柄留」が残っていました。細川先生も人を見て教える内容が違ったのかも知れません。この教えは細川先生から香川の剣士植田平太郎先生に伝わったのでしょう。
山蔦先生の夢想神伝流居合道より
奥伝奥居合坐業
二本目脛囲(柄留):中伝の虎一足と同じ意義のわざであるが、自分の右足へ斬り込んで来る敵の刀に応ずる動作がもっと速くなる。この心構えに中伝と異るところがある。古伝にいう柄留とは、敵が抜刀せんとするその拳に抜付けて、その動作を封じてしまうという意味のものである。
 山蔦先生は古伝をお判りだったようですが、写真では「敵の刀を叩き落とした瞬間」をのせて、あえて「柄留」とせず「虎一足」と同じとされています。夢想神伝流の権威に屈した處かも知れません。
 虎一足と脛囲の業は同じとする現代居合も否定するものではありませんが、「柄留」は明らかに違うものとして研究すべきものでしょう。
 「脛囲」では脛を囲えばいい、「柄留」は相手が抜き付けんとする「柄口六寸」右小手に斬り付けるもので、刀の操作が異なる上、形ばかりの演舞派には難しいものです。
 なぜならば、敵刀を表鎬で受け払えと指導されても、刃で受けている様な「へぼ」では抜き付けんとする瞬間をとらえる「柄留」など夢の話です。
 
 

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